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転生皇女はあったか家族がほしいのです  作者: 櫻向日葵


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18/22

手土産を作ります

7話ぶりの主人公視点です。

最後の方でアゼリア視点が入ります。

記憶を取り戻してから、初めて温室に来た。

前世で見たことある花ばかりだけど、ところどころ違う。

寒冷地で咲くストックがこの温室で元気に育っているのには驚いた。

バラだって、前世だと染めないと出ないはずの色のものが普通に咲いている。

やっぱりここは異世界だね。


「アガーテ、この温室に取ってはいけない花はある?」

「いいえ。

好きな花を使って良いとの事です」

「わかった。

それなら自分で選んで使うわ」

そう言って、目についたものを摘んでいく。



花は揃った。器と給水スポンジも準備できた。

鋏とナイフもある。

だけどこのナイフ、刃の部分がボロボロで使えない。

前世で使ってた形になればいいんだけどな…。


そう思ってナイフを手に取ったら…。

いきなり光って形が変わった。

え?!

これって、前世で使ってたナイフそのまんま!

手に取ってイメージすれば、使いやすいように形が変えられるってこと?!

やっぱり魔法って便利。


さて、フラワーアレンジを始めていこう。

どんな形だったら皇后陛下に喜んでいただけるかな。


ナイフと花を手に取った瞬間。

手が勝手に動き出した。

え?!これも魔法?!

絶対に異世界チートだ。

あっという間に完成した。


できたものをラッピングして、予備の花を何本か準備する。

終わって片づけをしていたら、アガーテが知らせに来た。

「エヴァ様、本日は皇后陛下のお部屋に皇帝陛下もお越しになるそうです。

そのときに、『温室の花を何本か見繕ってきてほしい』とご依頼がありました。鋏とナイフもほしいとの事です。

それと、『異なる色のバラを2本ずつ、合計16本用意してほしい』とも仰っていました。

「わかった。

それなら、器と給水スポンジの準備もお願い」

「かしこまりました」


花を追加で用意していると、アガーテが困った顔をしてやってきた。

「どうしたの?」

「ナイフですが、錆びたものしかありませんでした」

「私が魔法で形を変えるから問題ないわ。

それを貸して」

「はい」


錆びたナイフを手に取って考えてみた。

高橋係長が使っていたのは、確かあれだったはず。

イメージしながら魔法を使うと、お父様が前世で使っていたナイフそのものの形になった。

「これでいいわ。

あとは、違う色のバラを2本ずつね」

私が選んだのは、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、白。

花束でもお作りになるのかしら。


作ったアレンジメントと、お父様に言われた花に保存魔法をかけて、これで準備OK。

あっ、そうだ。

リボンも忘れちゃいけないね。

持ってくものは多くなるけど仕方ない。

こういうのは準備が大事だもんね。



「エヴァ様、今日は早めに昼食にして、時間までお休みになってはいかがですか?」

「そうする。

時間が来たら呼びにきて頂戴」

「かしこまりました」

やることはやったし、部屋に戻ろう。



温室から人が2人出ていくのが見えた。

あれは、エーファンゲリンと専属侍女のアガーテだわ。

手に持っているのは……花ね。

私もよく作ってたわ…って、あれ?

生まれてから花を触ったことはなかったはず。

あらためて妹の顔を見ると、別の人の面影が思い浮かんだ。

いったい誰だったかしら。

もう少しで思い出せそうな気がするんだけど…。

お読みいただきありがとうございます。

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