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転生皇女はあったか家族がほしいのです  作者: 櫻向日葵


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10/22

いったい誰が助けてくれた?

エヴァが前世を思い出す前後の話です。

主にナルツィス視点ですが、別視点もあります。

私はナルツィス・フォン・ローゼンブルク、この国の第2皇子だ。

一昨日から、2週間ほど前に起きた北方の崖崩れの復旧にあたっている。

物心ついた時から「皇族たる者、国民よりも魔力が多い分たくさん働かなくてはならない」と教わってきているから、このくらいは当然。

災害現場周辺の住民の生活を取り戻すために、一刻も早く復旧させなくては。


自分の魔力をつぎ込んで、崩れたところを元に戻していく。

それにしても、住宅被害が広範囲に及んでいたな。

今やっと終わったところだ。日数もかかった。

あとは取りこぼしが無いように入念にチェックだ。

サーチをかけて…。


よし。

もう大丈夫だ。

でも、住民たちに直接確認しないと。

「皆さんの家の中で、土砂がまだ残っているところはありませんか?あったらすぐに対処します」

手が挙がる様子はない。

「問題ありません。先ほど確認しましたが、土砂が残っているところは1つもありません。私共皆が殿下のおかげで安心して元の生活に戻れます。ありがとうございます。本当に感謝してもしきれません」

「それは良かった。

皆さんも、お体には気を付けてください。

私はこれで失礼します」

住民たちが、帰途に就く私を手を振って見送ってくれている。

住宅には保護魔法をかけておいたから、何かあっても大丈夫だろう。



やっと城に着いた。

復旧に約3日もかかったからか、疲労感がやけに大きい。

「フェリックス、この後の予定はどうなっている?」

念のため、専属執事のフェリックスに確認をとる。

「皇帝陛下へ結果報告をする以外にはございません。

私が対応しますので、殿下はお休みください」

「そうさせてもらう。

それと、この報告書を陛下に渡しておいてもらいたい。

私はこの辺で休憩してから部屋に戻る」

「かしこまりました」

今回の災害復旧の報告書をフェリックスに預け、このあたりで暫し休憩する。


その時だった。

傍にあった木が、こちらに向かって倒れてきた。

急いで避けようとするが、身体が動かない。

「まずい!逃げられない―」


ドーーーーーーン。

そこで意識が途切れた。



「ナルツィス殿下!どうされましたか?!」

「大変!ひどい怪我をされています!

出血も多くて意識がありません!」

「早く医者を!」

「このままじゃ間に合わないわ!

いったいどうすれば…」


「私がやってみる!」

「ーーー様、ご無理をなさっていませんか?

お身体もまだお小さいのに…」

「物は試し、やってみなければわからないわ!

結界を張って遮音魔法もかけたから、皆は念のため邪魔が入らないように警戒して頂戴!」

「「「「かしこまりました!」」」」

「絶対に死なせないわ!『フォルハイルング!』」



うーん…。

?

私は確か木の下敷きになったはずじゃ…。


?!

傷が無い。

公務帰りの疲れも消えている。

誰が助けてくれたんだろう。

礼を言いたいが、辺りには誰もいない。

後でフェリックスに聞いてみよう。

とにかく今は部屋に戻って休まなくては。



「お戻りになったみたいね」

「はい。

それにしても、本当にやり遂げられるとは…」

「そうね。

しかも、兄殿下をお助けになったことを秘密になさるとは」

「この御方は大きく目立つことを嫌がられますからね」

「ともかく、今はお部屋で休んでいただかなくては」

「そうですね。

しっかり休んで、しっかり回復なさってください。

エヴァ様」

お読みいただきありがとうございます。

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