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2部 スペルブースト 編  7章 魔法のデバッグ 1話

久しぶりの岡本浩子編です。

文章の区切りが悪いので2話構成で短めです。

 私と多香子、野間君の3人は先生達5人程に職員室で取り囲まれた中で今回の状況を説明していると背広を着た2人の男性が現れた。

 その2人が刑事だと言う事にはさほど時間が掛からなかった。

 そこから、宮下先生と私達は教頭先生を交えて事情聴取を受ける事になった。

「やっと終わったね~」

「それより4時間目のテストはどうなったんだろう」

「4時間目の中間試験は延期になったよ」

 教頭先生が野間君の疑問に答えた。

「テストが延期?もしかしてこの騒ぎのせいですか」

「それもあるが、明日は警察の実況見聞が有るから休校になった。明後日に残りの科目の試験を行う事になった。お前達も今日はもう家に帰って明後日に備えなさい」

 職員室には保護者?からと思われる電話がひっきりなしに掛かっている。

 宮下先生は疲れた表情で私達に家に帰る様に促した。

「野間君、ごめんなさい。私達のせいで」

「いいよ、俺が自分の判断で付いてきたんだから」

 何か野間君が照れてるように見える。一方、少し前を歩いてた多香子の方は振り返り野間君見る。

「野間君、今回の件はごめん。巻き込むつもりは無かったの」

「良いって良いって、それより今回の件は何だったんだろう」

「魔法の暴走、と云うより魔法の乗っ取り・・・」

 私はぼそりの呟いた。

「え?」

 声がした多香子に目を遣る。多香子はそんな事はあり得ないと言いたげに私を見つめている。

「魔法の乗っ取りってどういう事だ」

 野間君も私に迫る。

「多分、何かウイルスの様な物にプログラムが感染して術者が他人に操られていた・・・と考えると、あの人の行動が説明出来そうじゃ無い?」

 私の仮説に2人が考える。

「確かに、『止めろー』とか叫びながら攻撃していたな」

「ウイルスに感染したデジタル魔法に術者が乗っ取られていたとでも言うの?パソコンと違って乗っ取られていたのは人って事になるのよ?」

「みんな思い出して、デジタル魔法と私達の関係を」

「端末と術者の関係?」

 多香子と野間君は帰路を歩いたり止まったりしながら考えている。

「どういう事?」

 多香子はギブアップ

「私達がデジタル魔法を扱うにはデジタル魔法を開発したキングローズ社にDNAを登録しないといけないでしょ、だからDNAを登録した私達はデジタル魔法が使える様になるでしょ」

「そうか、私達がプログラムを実行させてデジタル魔法を使うのと逆にプログラムを強制的に実行させて術者の意思と無関係にデジタル魔法を発動させるって事?」

「そう、私達はプログラムを媒体に魔法を発動させているけど、逆に人を媒体にプログラムを実行すればデジタル魔法を発動させている。と、考えるの」

「でも、そんな事が可能なのか?キングローズ社だってそう言う事はある程度想定してあってその対策だってしてあるだろう」

 野間君は問い直す。

「もちろん、そうだと思うわよ、でも魔法とは言え人が作った物、だからこそプログラムの脆弱性は必ずあってそこを狙って攻撃する人は居るはずよ」

 野間君は何かに納得したようだ。

「そっかパソコンOSでもずっとコンピューターウイルスの脅威にさらされているからな」

「なるほどね、OSよりも人を直接攻撃できるデジタル魔法はウイルス攻撃の標的にされやすいって事ね」

 多香子も納得したみたいだ。しかし次の質問に私は言葉を失った。

「でも浩子、それだったら私達のデジタル魔法のプログラムはウイルスに感染していないの?」

「・・・・分からないわ。最近、新しいプログラムをインストールしていなければ大丈夫だと思うけど」

 今だと何時、感染しているか分からない、特に私はまだデジタル魔法を本格的に使い始めてから一月と少し、その時からウイルスが蔓延していたとだったら・・・。

「試験が終わったら、今みんなが持っているデジタル魔法のプログラムのデバッグをしようか?」

「デバッグ?ってできるのか」

 野間君はそんな事が出来るのかと疑っている。

 先を歩いていた多香子は何かを思い出した様に又立ち止まり振り返った。

「浩子そう言えば、自分でプログラムを組んだんだっけ?」

「うん、だから全部分かるか分からないけど少しは分かると思う」

 多香子は後ろ向きに2・3歩歩いた後、立ち止まった。多香子に追いついた私達も立ち止まった。何か考えている様だ。

「何処でそのデバッグをするの?」

「私の部屋に来て、私のパソコンでないと多分出来ないから」

 野間君が「えっ」っと言った。

「岡本さん?俺は?確か女子専用の下宿だったよな?」

「そこは・・・ちょっと華英さんと相談しておくよ」

「分かった。連絡待ってるよ」

「そうね、それよりも明後日のテストでしょ」

 私は2人に笑って見せた。


 1日の休日と言っても先日のデジタル魔法の暴走事件による実況見分を行っていた。

 そして今日のテストは一昨日の中止になった選択科目の音楽か美術と昨日行われる予定だった3科目の計4科目、試験対応の時間体制のため4科目が終わると午後1時を回ってしまう。

「多香子、野間君」

 私は試験が終わって帰り支度を始める2人に声をかけた。

「浩子どうだった?」

 野間君も私の所に寄ってくる。

「華英さんから許可が出たから明日家に来て」

「分かった。時間は?」

「昼からで良いんじゃ無い?野間君も大丈夫?」

「良いけど、家何処?」

「そっか、私の家・・住んでる下宿先知らないんだっけ?」

「場所教えて」

「それなら何処か待ち合わせして浩子の家に行きましょ」

「うん・・・分かったじゃあ何処にする」

 多香子の提案に何か間があった。そして承諾した。

「そう言えば、野間君の電話番号知らない、教えて貰える」

 私が野間君の電話番号を尋ねると多香子も続いた。

「そうね、私にも教えて」

「いいよ」

 野間君は快く教えてくれた。

「これで、もし分からなくなったら電話して」

「分かった、じゃあまた明日」

「ちょっと野間君、待ち合わせの場所!」

 多香子は帰ろうとする野間君を止めた。

「あっ、そうだった、何処だっけ?」

「もう、まだ何も決めてないでしょ」

 多香子は怒りながら野間君を引き留めプラザタウンで待ち合わせをしてから私に家へ午後1時半に位に来る様に打ち合わせをしていた。


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