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2部 スペルブースト 編  5章 浦多香子の憂鬱 1話

お待たせしました?半年ぶりの更新です。

「ただいまー」

「随分遅かったわねー心配したのよ、まあどうしたの?ずぶ濡れじゃない?」

 心配そうに廊下へ出てきた華英さんは多香子を見て目を丸くした。

「ちょっとトラブルに巻き込まれて友達が水で濡れちゃったの」

「とにかく早く上がって、着替えなきゃ」

 そう聞いて華英さんは慌ててお風呂場へ走って行った。

「浩子ちゃん、直ぐお風呂湧かすからその子の着替え用意してあげて」

 華英さんはお風呂場から声を張り上げた。

「はーい」

 私もつい声が大きくなる。

「華英ーさん、買った物何処置いとこうか」

「台所置いといてー」

 奥から華英さんの声だけがする。美華は靴を脱いで上がった。

「美華ちゃんごめんね」

「そんないいですよ、それより早く多香子先輩を」

「ありがと、美華ちゃん」

「あっ、そうだ、今夜ご飯、多香子先輩の分も華英さんに頼んでおかないと」

「そうね、お願いしてくれる」

「はい」

 美華は買い物袋を提げ台所へ行った。

 まあちゃんは多香子の様子を心配そう見ながら自分の部屋へ戻っていった。

「さあ多香子、私達も行くよ」

「・・・うん」

 取りあえず、多香子を洗面所に連れて行く。

「さあ、服脱いで・・・」

 何もやろうとしない多香子の服を脱がし始める。もたもたしている間に華英さんが様子を見にやって来た。

「あら、もう居たの?もうすぐお風呂湧くからもうちょっと待っててね」

「はい、有り難うございます。私もついでにお風呂入っちゃいますので」

「はいはい」

 華英さんはまた台所へ戻っていった。そこで思い出した。

「あっ、着替え取ってくるから多香子先にお風呂入ってて」

 返事が無い、相当ショックだったのだろう。私は取りあえず部屋に戻り、下着を2枚分用意した。

「上は・・・」

 多香子のブラのサイズと私のブラのサイズは比べるまでも無くサイズが合わないので下だけ持って洗面所へ再び向かった。

「多香子?」

 多香子はいつの間にか服を自分で脱いで先に浴室へ入っていた。シャワーの音が聞こえた。

「もう入ってるの?」

 慌てて服を脱ぎながら浴室に居るはずの多香子に声をかけたが返事が無い。

 浴室のドアを開けるとシャワーの前に座りお湯を浴びたまま動かない多香子の姿が有った。

「多香子、どうしたの?」

 洗面器でお風呂のお湯を掬い身体を流し浴槽に浸かりながら声をかけた。

 原因は分かっているが恐らく、今回の件で自信とか恐怖心とか色々な事がごちゃごちゃになったのだと思う。

「わたし・・・・」

「ん?」

「私・・・ダメだった」

「何がダメだったの?」

「さっきの事!助けられるなんて」

 多香子は泣きそうな起こっている様な声を出した。

「そんな事無いじゃない、私なんて何も出来なかったのよ?」

「そうじゃないの、返って足手まといになったと思って」

「そんな事無いと思うわよ」

「そうなの!」

 何だかやけを起こしている多香子に浴槽から上がり後ろに着いた。

「髪、洗ってあげる」

 私はシャンプーを手に馴染ませ多香子の髪を泡立てる。多香子はじっとしたまま動かない。

「私はね、多香子が羨ましいと思うの」

 返事が無いが続ける。

「今日だって万引き犯を捕まえたし、それにブルーバンドの人が言ってたじゃない、先月の銀行強盗でも活躍したって。私ではそんな事出来ないから」

「浩子だってサイボーグ倒したとき何かしたでしょ?」

「え?そんな事あったっけ?」

「ほら先月、千恵美や直魅達と魔道具屋行った時の事よ」

「あーああー、あの時は怖かったねー」

 多香子の髪の泡を洗面器のお湯で流した。

「そうじゃなくて」

「あの時は、多香子の魔法で助けられたわね」

「そうじゃなくて、浩子もあの時魔法使ったよね?」

「ファイアーボールの事?」

「あのとき、浩子がファイアボールを使ってなかったら私達、銃で撃たれていたのよ」

「それは、あの時は多香子の的確な判断があの状況から脱する事が出来たのよ」

「それは魔法じゃないわよ」

「そうかも知れない、でもあの時『戦闘の準備を』って言ってくれたから魔法の準備が出来たのよ」

「だから、それ魔法じゃ無いじゃない」

「魔法だって撃たれた時に直ぐ多香子が反撃してくれなかったら私達どうなっていたか分からなかったでしょ?だから多香子のお陰よ」

「浩子と同じファイアーボールを使ったのに私のは攻撃しか出来ないのに何で浩子はシールドだったり攻撃だったりするの」

 多香子は振り向いて私の両腕を掴んだ。

 私は驚いて身を退こうとしたが浴室の洗い場にはまだ多香子の髪を洗った時の泡が残っていて滑って尻餅を付いた。そこへ多香子が覆い被さる様な格好になった。

「多香子?女の子が好きなの?」

「ちがっ、これはその・・」

 慌てている多香子の顔が真っ赤になった。

「ふふっ」

「何よ」

「そう言うのが好きなら良い物が有るよ、後で部屋に来る?」

「これは事故よ事故」

 多香子は身体を起こすと湯船へ飛び込む様に入った。

「多香子、髪まだ」

「もう、早くしなさいよ」

 再び湯船から出て髪に付いた泡を洗い流した。だが湯船は多香子の長い髪の泡が残り少し泡立っていた。

「あちゃー、やっちゃったー」

「これ、どうしよう」

「じゃあ、こうしちゃえば」

 多香子はシャンプーのボトルを手に取るとキャップを開けて湯船に流し、湯船に入ると泡立て始めた。

「あーそんな事すると」

「一緒に謝ってあげるから良いでしょ?」

 湯船は沢山の泡で溢れシャボン玉が時々浮いている。

「本当に一緒に謝ってくれる?」

「もちろん」

「もう、こうなったら」

 こうなったらどうにでもなれ!私も湯船に飛び込んむ。

「私、泡風呂って初めて」

「私はお母さん居ないときはたまにやってるけど」

「え?いいなあ」

 その後、シャワーで泡を流してから浴室を後にした。

「お風呂上がりましたー」

「はいはい、もうすぐご飯出来るから手伝ってくれる?」

「はーい」

 華英さんは鍋に入れたフライを揚げている間に私はお皿をカウンターに並べサラダを盛りつけた。

「私は何もしなくて良いの?」

「それじゃあ、その鍋に味噌を入れてくれる?」

 手伝おうをする多香子に華英さんは味噌汁に味噌を溶かした。

「ただいまー、華英さん」

「お帰りなさい、清子ちゃんお風呂あいてるわよ」

「じゃあ先にお風呂行ってきまーす」

「あっ」

「どうしたの浩子ちゃん?」

 泡風呂の事まだ華英さんに話していない。どうしよう・・・。

「いえ、何でも無いです」

 思わず誤魔化してしまった。まずい・・。

「なにこれー!」

 やっぱり・・・。清子の声が聞こえた。

「何々?」

「華英さんちょっとまっ」

 呼び止める間も無く華英さんは浴室へ行ってしまった。

「なーにーこれ?」

「ごめんなさい」

「浦ちゃん?」

 いつの間にか私の後ろに多香子が居て大きな声で華英さんに謝った。

「私もごめんなさい」

「どうしたの?2人とも」

 突然謝る私達に華英さんが驚いてる。

「泡が残ったまま風呂に入っちゃって泡だらけになったのです」

「でもこの泡はそれだけじゃないよね?」

「どうせ泡でお風呂に泡が入ったならいっそのこと泡風呂にしようってなって・・・」

「そういう事・・・」

「それは私がしたのです。本当にごめんなさい」

 多香子が謝る。私も多香子を見て一緒に謝った。

「もう・・、仕方無いわねー」

「私、泡風呂って初めてー」

 呆れる華英さんに対して清子ちゃんは嬉しそうにしている。

「じゃあ、もう直ぐご飯出来るから早くお風呂すませちゃって」

「はーい」

 私達は再びキッチンへ戻った。

「ちょっと、油火にかけたままだったよ」

「あっごめんなさい」

 まあちゃんはフライの油を見ていてくれた様だ。そのままエビフライとコロッケを揚げていた。


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