2部 スペルブースト 編 4章 平穏を脅かす存在 2話
次章が全く出来てない・・・。
「多香子?」
「ひろこじゃない、こんな所でどうしたの?」
「お遣いの途中。すると今目の前でこんな事が」
すると初の少年を後ろ手に手錠を掛けながらこちらへ振り返り様子を伺っている。そして何かを思い出したかのような表情をした。
「また、助けられたな、有り難う助かったよ」
「いえ、当然の事をしたまでだから」
男子生徒はもう1人の少年の所まで歩くと手早く手錠を掛けた。
「所で、この人達は何?」
多香子は少年達を覗き込みながら学生に聞いた。
「万引の現行犯、あと、公務執行妨害もだけどな」
男子生徒は手短に質問に答えると携帯を取り出し応援を呼んだ。
「所で多香子?今のも魔法?」
「使っている所見るの初めてだった?これは魔法研究部で作ったのよ『トランプ』って言うの」
「あのー今のが『デジタル魔法』なんですか?」
美華は恐る恐る多香子に尋ねた。
「そう、今のがデジタル魔法」
そうしている間にブルーバンドの学生に応援のメンバーとシティー・フォークの隊員が到着した。男子生徒は店内で少年ともみ合いになった女性と共に逮捕した少年等をシティー・フォークへ引き渡していた。
あの女性は所謂、万引きGメンと云う人だろ、完全に買い物に来たおばちゃんって雰囲気を出している。
そして応援に駆けつけたもう1人の女子生徒は私達の方へ近づいてきた。
「大丈夫?怪我は無いかな」
真っ先に目に入ったのは背の高い、胸の大きな女子生徒、この制服は確か美華や清子が通っている舞藤女子で高校生の物だ。私達のデジタル魔法とは違って超能力者を育成している女子校になる。
「あ、はい、ちょっと擦り剥いただけです」
「あら、大変、ちゃんと消毒しないと痕が残っちゃうよ」
「いえ、これくらいなら後で治癒魔法で治しますので」
「貴方、デジタル魔術師なのね、ホントに大丈夫?」
「はい」
心配する女子生徒に私は念を押した。
「浩子の治癒魔法は凄いんだから」
多香子もそればかりは納得したように女子生徒に付け足した。それを聞いた女子生徒は多香子に向き合うと正面に構えた。
「貴方が『シフト・フレイム』の浦多香子さんね」
「は、はい」
多香子はどうして私の事を知っているの?と言わんばかりにビクついた。
「そんなに硬くならないで、貴方が思っている以上に貴方の事は有名よ、炎系のデジタル魔術師でもトップの成績を収めているんだから、えっと、私はブルーバンド第15支部の藤井麻未、以前の銀行強盗事件で貴方の協力のお陰で助かったわ、支部代表としてお礼を言わせて貰うわ」
「え?あ・・そんな、別にあの場所に居合わせただけですし」
「でも、あの事件ではデジタウ魔法の不正プログラムを使った犯行で事件の長期化を覚悟していたし死者が出るかも知れない程逼迫していたのよ、後ろに居る彼もあの事件で入院したのよ」
「多香子、何か有ったの?」
多香子は少し照れた様子で右手を頬を撫でる。
「あれは、1ヶ月前だったかな?銀行で強盗事件が有ったのよ、その時、私もちょっと協力したの」
「銀行強盗?」
私の疑問に藤井さんが補足説明を始めた。
「先月、浦さんが言った銀行強盗事件が発生、複数人居た犯人のテロとも言うかのような激しい抵抗に遭って負傷者が4人も出た事件なの」
「そうだったんですか」
私達の会話の後ろではスーパーの駐車場に止まっていた護送車が走り始めた直後、突然爆発した。
「!!」
爆発の勢いで横転し炎上する。
「離れて!」
藤井さんは私達を手で後ろに押しのけた。現場にはブルーバンドの男子生徒だけしか残っていない。
「渡邊君、追加の応援要請!」
藤井さんはさらに叫ぶ、渡邊と呼ばれた男子生徒は直ぐに携帯を取り出し応援の養成をしている。
藤井さんは横転し炎上している護送車へ駆けつけてく。すると護送車の後部ドアがまた爆発した。
「きゃっ!」
藤井さんの悲鳴と同時に姿が消えた。それとほぼ同じタイミングでさっき掴まった2人の少年が護送車から出てきた。
「お前がヘマするからだろ」
「俺のせいかよ?お前のあいつの顔知ってるって言ったからだろ」
少年2人は揉めている。
「動くな!」
渡邊さんはまた銃を構え2人の前に迫った。
「ハッ!誰がお前の言う事聞くかよ!」
「お前にはさっきやられた分、やり返さないと気が済まねえんだよ!」
「忠告したぞ」
渡邊君はそう言うと発砲した。撃たれた2人は特に外傷が無い事から装填されている弾は麻酔弾だろう。しかし2人には効かなかった。何か魔法を使ったのは分かるのだが魔法陣が現れなかった。
「じゃあこれならどお?」
後ろに居た多香子が突然前にでるとステッキを振り回すとあっと言う間に螺旋魔法陣と第2魔法陣が現れたと思うとあっと言う間に消え6本の炎で出来たナイフが現れた。
それを指に挟んで掴むと2人に向けて投げた。
「効くかよ!」
少年が叫んだ。多香子は次の魔法を既に発動させている。ステッキが炎出来た弓の形状になり右手に矢を持って弓を引き放った。
「おら!」
もう1人少年が地面に手を付くと少年の前の地面が盛り上がり壁になると多香子が放った炎の矢がかき消された。
「これならどお」
多香子はさらに右手に炎で出来た剣を振りかざし、アスファルトで出来た壁を焼き切った。だが突然、多香子の頭上で水が降ってきた。
「危ない!」
「へ?」
多香子の頭上にはゴロゴロと鳴る雷雲が召喚されている。今にも雷が落ちそうで・・・墜ちた!
雷は多香子に直撃すると思いきや墜ちなかった。
寸前の所で藤井さんが多香子の前に現れ多香子の手を掴むと私の前に現れた。
「危なかったわね、もう少しでただじゃ済まなかったわよ」
ずぶ濡れの多香子と藤井さん多香子は跪いた状態で私達の前にたたずんでいた。
「渡邊君、被疑者の能力は何だと思う?」
「恐らくイエローバンドから何かチートスキルを持っているデジタル魔術師かと」
「分かったわ」
「先輩それは」
「護送車に有ったチャフよ」
藤井さんはチャフグレネードを投げた。チャフは爆発すると辺りがキラキラと輝いている。
「これでデジタル魔法は封じた筈だけど警戒は怠らないで」
「分かりました!」
藤井さんはそのまま少年2人の所へ走り込んだと思うとまた消えた。
「ぐわっ」
1人の少年が悲鳴を上げるとその場に座り込む、後ろには肩の関節を固めている藤井さんの姿が有った。
「このヤロッ」
残る少年が藤井さんに殴り掛かるが殴られたのは肩を決められた少年だった。
あれはもしかしてテレポート?地面に押さえつけている少年をテレポートで殴り掛かったもう1人の少年の前に瞬間移動させたのだ。
「ぶっ」
殴られ吹き飛ぶ間に殴ったもう1人の少年の後ろへテレポートすると相手の首を掴んで一本背負いの様な動きで相手を地面に叩きつけた。
「す・・・凄い」
美華はぼそりと呟きながら魅入られている。私も藤井さんの動きに何も言葉が出なかった。
「さすが先輩」
渡邊さんは銃を構えたまま2人の少年に近づき再び手錠を掛けた。すると今度は少年の頭を掴み何かをしている。
「何か分かった?」
「ス・・・スペルブースト?」
「スペルブースト?」
「こいつからはそのワードしか読み取れませんでした」
「そう・・・後はシティー・フォークに任せましょ」
藤井さんはさらに追加で応援に来たシティー・フォークに事情を説明している。
「今のってテレポート?初めて見た」
美華は興奮気味に私へ迫った。
「美華も能力者なのよね?」
「私はレベル0なのでまだどんな能力が発現するのか分からないのだけどね」
「まだこれからじゃない?頑張れば凄い能力が開発出来るわよ」
美華に言った激励よりも多香子の方が気になる。さっきから地面に座り込んだまま一言も喋らない。だがどんな言葉を掛ければ良いのか分からない。
「浦さん、怪我は無いかしら?」
藤井さんが大きな声で多香子に尋ねた。
「ええ、大丈夫です」
それに対して聞き取れない程小さな声で返答した。
「貴方が落ち込む事では無いのよ、幾ら魔法が上手く扱えても実戦になると勝手が違うから仕方ないわね、それと渡邊君を守ってくれて有り難う。こちらの怪我人が出なくて良かったわ」
多香子の返事は無かった。
「ひろちゃんと美華ちゃん?こんな所で何してるの?」
まあちゃんが通りがかりに声を掛けてきた。
「まあちゃん、まあちゃんこそここで何してるの?病院だったら大分遠回りだよね」
「何ってちょっと気の滅入る事が有ったから気分転換に歩いていたの、で、そっちはずぶ濡れじゃない、とりあえず私達の下宿に帰りましょ」
「うん、じゃあ行こ」
私は多香子の手を引っ張り下宿へ帰った。
スペルブースト編では12芒星魔方陣編より派手さは無いですがアクションが多くなりそうです。(細かな設定が要ります。特に朝倉裕貴編で・・・)
ネタバレそうなのでこの辺でお暇いたします。




