1部 12芒星魔方陣 編 17章 戦いの痕
岡本浩子 編、1部「12芒星魔方陣 編」最終章になりました。
以降は 2部「スペルブースト 編」へ続きます。
「さて、私も家に帰るとしましょうか」
あえてこの一言を自分に言い聞かせた。そうしないといけない気がした。
とても長い1日だった。まだ多くの警察官やブルーバンド達が行き交うプラザタウンのアーケードを歩き始めた。
「浩子!」
俯きながら歩いていた私に真紗美の叫び声が聞こえた。そして隣には顔に大きな絆創膏をした中野綾香の2人が私の前に立っていた。
「浩ちゃん一体何処行ってたのよ。心配したんだから」
そう言う真紗美は私の姿を下から上まで見ると青ざめた表情で抱きついてきた。2人とも服がドロドロに汚れている。
「まあちゃん。服・・・ドロドロだね」
「そう言う浩ちゃんだって汚れてるじゃない」
「それより、裕貴の事、知らない?」
中野さんは聞いた。
「裕貴さん?確かこの前、右手を怪我した時の?」
「あっ、あの時の・・・そう朝倉裕貴。見なかったですか?」
「知らな・・・もしかしてあの話し・・・」
「何か知ってるの?」
抱きついている真紗美が顔を離し私に訊いた。
「うん、他の人が話しているのを聞いただけだからどうか分からないけど、怪我をしたから応急治療をして病院へ搬送したって」
「それ何処の病院か分からないの?」
中野さんは突然私の肩を持ち凄い真剣な表情で訪ねてきた。
「ごめん、そこまでは・・・」
私は中野さんの迫力に負けて思わず謝った。真剣な中野さんの眼差しに私は携帯電話を取り出した。
『もしもし』
「岡本浩子です。今、時間良いですか?」
『手短にお願い』
私はシルビアに電話を掛けた。
「朝倉裕貴さんと言う方をご存じですか?」
朝倉裕貴と言うキーワードに中野さんは「何?何処に電話掛けてるの?」と詰め寄ってくるのを左手で静かにしてと合図を送る。
『岡本さん、裕貴を知ってるの?』
「はい、今、友達が朝倉さんを探しているのですが、もし分かれば教えて欲しいのですが」
『ああ、そういう事ね。のぞみ大学付属病院よ、今は集中治療室に居るはずだわ、保護者が居ないのね、何処に連絡すれば良いのかこれから探す所だったのよ』
「保護者ですか?」
保護者と言う言葉を聞いて中野さんは電話を替わる様にゼスチャーしている。
「ちょっと朝倉さんを探している友達と代わります」
『ええ、どうぞ』
シルビアは快く了解してくれた。
急いで代わってと急かす中野さんへ「はい」と言いつつ携帯を渡すと・・。
「裕貴は?裕貴は何処なの?」
『貴方は?』
「あっ、すみません私、中野綾香と言います。裕貴とは・・・保護者みたいな者です」
『あははは・・・じゃあ貴方に伝えておけば良いのかしら?』
シルビアは朝倉さんの居る病院や容態を伝えている様だ。そして何度もお礼を言った後、私に携帯を返した。
「すみません、突然を電話して」
『裕貴には勿体ない彼女ね、宜しく言って置いて、後、知っているだろうけど私の事を訊かれたら刑事とだけ言って置いて』
「はい、分かりました」
シルビアと通話を終えるのを待っていた中野さんはお礼を言った。
「私、今から病院へ行って来る」
「私も行くわ、あっちゃんを1人にしたくないの」
まあちゃんは中野さんの右手を持った。
「私も行くわ」
私も中野さんの左手を持った。
「有り難う、みんな」
中野さんは私達を手を引くと体がふわりと宙に浮いた。
「うわっ」
「驚いた?あっちゃんはレベル4のテレキネシストよ」
「これが超能力?」
動揺する私に中野さんは私に微笑んだ。
「じゃあ一気に行くわよー」
感情の高まりを感じさせる声の中野さんはこのまま私達を連れ朝倉さんの居る病院は向かった。
のぞみ病院の集中治療室で寝ている朝倉裕貴が居た。
「裕貴!」
部屋のビニールのパーティション越しに中野さんが叫ぶまあちゃんが中野さんの肩を持ち支えた。朝倉さんは人工呼吸器や幾つもの点滴や機材に繋がれた状態で寝ている。
「朝倉裕貴君と関係の有る方ですか?」
集中治療室に入ってきた女性看護士が私達に声を掛けてきた。
「はい、あの裕貴は?」
中野さんは看護士へねだる様に訪ねている。
「命に別状は有りませんから落ち着いてください」
「でも、でも裕貴は・・・」
まあちゃんは後ろから中野さんの肩を持ち止めた。
「そんな矢継ぎ早に言っても分かんないでしょ、まずは落ち着いて」
「ちょっと先に点滴の交換をさせて貰いますねー」
看護士は朝倉さんの点滴を取り替え輸血ポンプにセットし直した後でスタッフステーションへ案内された。
すると男性医師が私達を見ると誰も居ないカウンターだけの休憩所へ案内された。
「座って」
医師が言う。少し丸顔でいかにも“お父さん”って感じの優しい顔付きをしている。
「えー朝倉裕貴君の保護者?いや関係者ですね」
「はい」
中野さんははっきりと返事をする。でも何故、中野さんは朝倉さんの事をここまで心配するのだろう?彼女にしては少し様子が違う気もする。
「彼には親御さんは居ないのですか?保護者の方に連絡しようと思ったのですが分からなかったので・・・」
「裕貴のお父・・・親は4年前に行方不明になりました」
「え!」
私は思わず声を上げた。
「そうですか、では貴方の名前とどのような関係ですか」
「あっ、中野綾香です、裕貴とは家が向かいの幼馴染みです。裕貴のお父さん達が行方不明になってから私の両親が裕貴の面倒を見ていました」
朝倉君の両親が居ない・・・行方不明ってだけでも驚きなのに担当の医師は平然としている。これって日常的に起きている事なのか?
「なるほど、わかりました。では今の朝倉さんの病状ですが・・・」
今の朝倉さんの状態は怪我や傷はここに運ばれる前に回復魔法で完全に回復している。 しかし、そのせいか多量の疲労物質が体内に溜まりクラッシュシ・ンドロームの様な状態になっていて生命維持が困難な状態になっていると言う事だった。その為、人工透析と解毒剤の点滴を行い、電気毛布を掛け体温維持を行っていると言う事だった。
「しかし、当初より随分と回復が早くて驚いています。今夜が山だと思っていたのですが後、2~3時間もすれば危機は脱するでしょう」
「有り難うございます」
中野さんは医師にお礼を言うと、医師はスタッフステーションへ戻っていった。
「中野さん、今日はこの後の事、どうするつもりですか?」
中野さんは神様に願うように真剣な・・・とても張り詰めた表情をしている。
「私、今日はここに残る・・・」
その一言を聞いたまあちゃんはパンと手を叩き中野さんの両手を握った。
「今日はあっちゃんだって大怪我して大変なんだし、裕貴君なら病院がしっかり診てくれるわよ、だから今日の所は一度家に帰りましょ?あっ、そうだ、だったら今から私の部屋に来ない?華英さんに言って料理少し多めに作って貰うからそうしましょ」
まあちゃんは強引に中野さんを誘い私達の住んでいる下宿へ連れて帰った。
下宿に着いたのは夜の8時頃になった。
「お帰りー、今日は大変だったでしょ?大丈夫だった?」
華英さんが私達の帰宅を見て厨房から声を掛けた。
「うん、色々あったけど大丈夫よ」
「そう?まあどうしたのその服?お風呂湧かして有るから入ってらっしゃい」
華英さんは厨房から顔を出し私達を見ると驚いた顔をして右手に持っているウライ返しを持ったまま洗面所を指した。
「はーい」
「お邪魔します」
まあちゃんはまるでお母さんにするような返事するのに対して中野さんはとても礼儀正しい対応をした。私の家も厳しい家庭だったから何となく仲間意識が湧いてきた。
私達3人が同時に入るには狭いお風呂を出ると、華英さんは私達にパエリアを用意していた。
「これ、初めて作ったの、お口に合うかしら?」
「凄く美味しいです」
私は頬張りながら返事をすると2人も美味しと言った。
「もう清子と美華は食べたの?」
「フライパンが小さいから元々2つ作るつもりだったの、だから私達は先に済ませたよ」
「そうなの?」
もぐもぐと口を動かしながらまあちゃんは頷く
「これ、どうやって作るのですか?」
中野さんが華英さんに訪ねた。
「結構簡単よ、作り方を教えて上げるわ」
「わあ、有り難うございます」
少し元気と取り戻した中野さんを見て安心した。
食事を済ませた後、私の部屋にまあちゃんと中野さんを招いてお話したり、ゲームをしながら夜が更けていった。
4年前、何か書きたいな、考えている中、突然浮かんだ構想がこの「デジタル魔法」です。
同、朝倉裕貴編の半分と岡本浩子編を現在の1/3程が完成した3年前
「もしかして他にも似た作品が有るんじゃね?」
ググって出てきてしまった・・・。
「何じゃこの○○○劣等生って!?」
知りませんでした(汗
全くパクったつもりは無いのに後発の本作が完全にパクリ扱いになる。
色々考えてデジタル魔法の仕様をかえました。
デジタル魔法にはなぜか火・氷・風・雷・地・光の6属性が有ったり(この属性の事はどうしようかまだ考えていません・・・)、すべて召還魔法でないとデジタル魔法は成立しない。などその他、古代魔法や超能力、科学技術なんでも有り、って世界になってしまいました。
どうでしょう?少しはパクリ臭無くなったでしょうかw?




