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1部 12芒星魔方陣 編  16章 最後の結界 2話

「ジュリ姉、ご無事ですか?」

「ええ、彼女のお陰で助かったわ」

 御門芽が北側から駆けつけてきた。ジュリアンは倒れている私に視線を下ろし頭を抱きかかえた。

「催涙ガスを吸って気を失っているの」

「さっきの凄い火柱はこいつが?」

 御門芽は訪ねた。

「そうね、予想以上の逸材だわ」

 ジュリアンは嬉しそうに微笑むと私の額に右手を当てた。ジュリアンはそのまま目を閉じ少しすると私の身体が光り出した。そして汚れて破れた服も光で元通りに修復されていった。

「浩子さん、起きて」

 ジュリアンが私を起こす声で私は目を覚ました。

「私、どうしたの?」

「魔力を使いすぎて気を失っていたの」

 ジュリアンは私に伸ばす手を取り立ち上がった。

「もう、終わったの?」

「ええ、終わったわ。もう大丈夫よ」

 私は改めて見回した。目の前の地面は焼け焦げそして凍り付いている。そこから離れると小さな尖った岩が幾つも地面から生え岩の密林の様になっている。

「姉さん、無事?」

 東側の噴水の方から声が聞こえた。聞き覚えの有る声だった。

 私達へ向かって歩いてくる人影が有った。黒い姿に長いポニーテールが印象的だった。

「ええ、無事よ、そちらも上手く行ったようね」

「今、チーフ達が残党狩りをしているわ、もう少し時間が掛かると思うわ」

 POLICEと書かれている黒い戦闘服に赤い髪が夕日になびきキラキラと輝いていた。

「シルビア・・・さん?」

「貴方は、岡本浩子?」

「はい、岡本です」

「どうして、貴方がここに居るの?」

 シルビアは私を問い詰める。

「この子に助けられたのよ」

 ジュリアンは私を引き寄せシルビアに向かい合った。

「妹のシルビアよ、訳あって行動を共にしてるの」

「その子が、別の結界陣に居た子ね」

「そうよ、とても才能が有る子よ、自分でプログラムを組めるらしいわ」

「プログラム?まさか基幹プログラムも?」

「内容は理解出来ると思うわ」

 疑うシルビアにジュリアンは何故か自信気に答えると、シルビアはさらに驚きと疑いの目を私に向けた。

「それより、始めるわよシル」

「ええ、分かったわ」

 ジュリアンは刀を抜くと地面にさして詠唱を始めた。地面に刺した剣先から白い魔法陣が現れ光りを放ち魔法陣から光の帯が現れ15m程先で赤い光の柱が出来た。

 ジュリアンは刀を抜き赤く光る柱へ歩いて行く。

「あの光は?」

「あの光の柱がある所が12芒星魔法陣の中心地よ」

 シルビアが私の疑問に答えた。

「恵、ちょっと来てくれる?」

 ジュリアンは御門芽を呼び2人で話しをしている。

「分かった。やってみる」

 御門芽は残った手元に残っている式神4枚を出して空中へ投げた。式神は上空をを周りながらどんどん空に登りさらに早く回転している。

 ジュリアンは再び赤い光の柱に刀を刺し意識を集中し始める。そしてジュリアンは刀を抜き振り上げ刀の剣先からレーザー光線の様に光が伸び式神に当たると4方向に分かれ消えていった。

「今のは何ですか?」

「今、四聖結界を張った所よ、そしてこれから12芒星魔法陣の結界を上書きするの。今回の様な事が起こらないようにね」

 私にはこれからどう言う事が起こるのか分からなかった。

 次にジュリアンの足元に大きな魔法陣が現れ白い光が立ち上っている。魔法陣の中に時計の針の様な図形が有り反時計回りに回り始めた。その後、街の端に12本の光の柱が立ち上りジュリアンの作った目の前の魔法陣に光りが集まった。

 光は一度ジュリアンの目の前の魔法陣に集まった後、12本に別れまた光が飛び散って元の位置に戻ると光の帯が街の外周と対角に、ジュリアンの居る魔法陣を交差して光は壁になった。

「時間の海へ約束を守る為、ひとり船に乗り込みこぐま座を目指す・・・」

 ジュリアンは呪文を唄の歌詞の様に詠唱していく、その度にジュリアンの目の前に在る魔法陣の中は次々と模様を変え、そこへ光りの壁が12箇所へ行ったり来たりしている。

「あれは何を言っているの?」

 私はシルビアに質問した。

「詠唱よ、星座の力を借りてるの」

 シルビアは短く返してくれた。そうした間もジュリアンの詠唱は続いていく。

「・・・天より別れ、新たな世界を想像す・・・」

 最後の詠唱が終わると白く光りあちこちに行き来していた光の壁が青く輝きだし、炎が燃え尽くす様に穏やかに消えていった。

 魔法陣も炎となって静かに燃えて消えていった。

「これで魔法陣の上書きは無事に終わったわ」

 ジュリアンは刀を腰のベルトに戻しこちらへ振り返った。

「さあ、もう貴方の帰りなさい」

 シルビアが私に促した。

「これで終わったんですよね?」

「ええ、これで終わったわ。今後同じ魔法を使う者は別の世界へ飛んでいくの」

 ジュリアンは言った。

「別の世界って?」

 私は言っている意味が分からない。パラレルワールドって事?

「多世界解釈って知ってる?」

「何ですか?その多世界解釈というのは」

「少し残酷な話になるけど『シュレディンガーの猫』って言う法的式が有るの、それを解決させる為の解釈なの」

「どう言うもの何ですか」

「そうね、簡単に言うと誰かか何かする事に対して『成果の出る世界』と『成果の出ない世界』の2つに別れるって事かな、そうして世界は幾つもの世界に分離していくと言う歴とした物理理論なのよ、それを利用したの」

「つまり、『パラレルワールド』は物理理論だと言う事ですか?」

「そういう事ね」

 その頃、私達とジュリアンの間に黒い球体が現れそこから1人の女性と4人の傭兵が現れた。女は周りを見回し状況を確認してジュリアンに向かった。女性は綺麗な金髪のショートカットと人形の様な白い肌が薄暗い公園の中でもよく分かる。

「魔法陣の解除は出来た?」

「ええ無効化に成功しました。あと周囲の魔法陣を無力化していくだけです」

「よくやったわ、お疲れさま。引き続き周辺魔法陣の無効化もお願い」

「分かりました、チーフ」

「所で、そこの人は?」

 チーフ呼ばれる女性は私に歩を進めながら舐める様に見ている。私は威圧的な視線を無意識に1歩後ずさりした。

「貴方、名前は?」

「岡本・・・浩子、です」

「この子が岡本裕子ね、で、どうしてここに居る?なせ、私達と行動を共にしている?」

「プラザタウンのテロに巻き込まれて・・・その後ジオフロントの崩落に巻き込まれてその後、ジュリアンさんと一緒に行動して・・・」

 私は上手く無いこの説明を聞くと項垂れて後ずさりし何かを納得したような表情をした。

「もう、内務省のせいでここまで情報が漏れるなんて、どういう事」

「?」

「大体、事情は分かったわ。後でこの件の事情を聞くから連絡先を教えて貰える」

「分かりました」

 私は携帯電話を取り出して番号を教えた。

「ありがと、そうね・・・私はマリア」

 ジュリアンは刀を納めさめ、さらに懐から刀袋を取り出し結ぶとシルビアに寄って一緒にマリアの所へ行った。

「この子の事は私が説明するわ」

「分かったわジュリアン」

 マリアはジュリアンに言うと。今度はシルビアがマリアに訊いた。

「裕貴はどうなったのですか?」

「応急治療を済ませ病院に搬送した。特に大きな外傷も無いが意識が戻る迄に少し時間が掛かると思うわ」

「有り難うございました」

「さて、この子の処遇なんだけど、シルビアこの子を一度家に帰してあげて」

「分かりました」

「岡本さんだったわね」

「はい」

「明日、私の所へ来てくれる」

「それは何処へ行けばいいのですか」

「明日の朝、貴方の家へシルビアをよこすわ、そうね10時に家の前で待ってなさい」

「分かりました」

「そう言えば、姉さんがプログラムが欲しいって行ってた様だけど」

「はい、そうでした」

「それなら明日、本部で貰えば良いだろう」

「そうね、だったら明日、端末を持って来て」

「はい、分かりました」

 私はシルビアに言われ返事をした。スカートのポケットに煎れた筈の端末が無かった。

「あっ端末落とした!」

「え?端末?何処に?」

 思わず大きな声を出した私に驚いてシルビアが聞き返した。

「あの時だ・・」

「あの時って催涙ガスを燃焼させた時?」

 御門芽と事後処理をしていたジュリアンも私の声に気付き近づいてきた。

「そうあの時です。あの時は端末のプログラムを実行してないのに発動したからびっくりしたのですけど」

 その一言でシルビアの目の色が変わった。

「DMOSを使わずに?」

「え?ええ、確か端末は使ってないはずです」

 シルビアは何か考えている。

「とりあえず。その辺りの事も調べた方がいいわね」

「落とした端末ってこれの事?」

 御門芽はガーゼに包まれた端末を私の所へ持ってきた。私の端末は熱で焼け焦げ液晶が映らなくなっていた。

「悪いけど現場遺留品として押収中だから、今日は返せないわ、明日、本部来るんでしょ?その時に返せると思おうわ」

「分かりました。ではその時に・・・」

 私は何か引っかかるものを感じながら現場を後にした。

「本当にここで良いの?」

 シルビアは訪ねた。

「はい、ここで良いです」

 シルビアのダブルリングでプラザタウンの中のダイアモンドダクトの裏に転送した。

「そう?まだこの辺りは厳戒態勢が取られている筈よ」

 私とシルビアはここからダイアモンドダクトの前に出た。まだ周りは警察の捜査で物々しい雰囲気が伝わってくる。

「じゃあ私はここまでよ、じゃあ、明日10時にここに迎えに来るから外で待ってなさい」

「分かりました」

 シルビアはまた歩き出した。

「あの、何処へ行くのですか」

「本部へ帰るのよ。ここじゃ魔法は使えないでしょ」

 シルビアは私にそう言いながらダイアモンドダクトの裏路地へ姿を消した。


推敲した結果、17章(フラグ回収章)を作る事にしました(執筆中)。

こちらは少し時間が掛かると思いますがその間、第2主人公「朝倉裕貴」編を投稿したいと思いますので、そちらをよろしくお願いします。

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