1部 12芒星魔方陣 編 11章 魔方陣の本質 2話
「多香子、あの場所って」
「そう、私が昨日結界を張った場所よ」
現場に居た人の中に赤穂さんの所で事情聴取を受けている学生が居た。
「ねえ、あの人って朝倉さんじゃない?」
私はその方を指した。赤穂さんに説明をしている朝倉さんともう一人の女子生徒が一緒に居る。
「あれ?そうね、ブルーバンドだったんだ」
「ブルーバンド?」
多香子に聞き返した。
「学研警備隊だけじゃ街の治安を維持できないから学生も治安維持活動に参加しているのよ、それがブルーバンド」
よく見ると朝倉さんの左腕に青い腕章が見えた。なるほど、だからブルーバンドなんだ。
やがて朝倉さんは現場を離れ何処かへ行ってしまった。
「すみません。もう今日は帰っ・・・」
「ここ、私達が予測した現場なんです」
多香子は赤穂さんに訴えた。
「予測ってまるで次ぎに起こる事は分かっていたかのように、それに場所まで」
「ええ、分かっているのです。そうで無いと何度も事件現場に鉢合わせしないです」
「それはどういう事ですか」
「魔法陣なんです」
「魔法陣?」
赤穂さんはいまいち納得していない。
「12芒星魔法陣を作っているのです。誰がどういう目的なのか迄は分かりませんけど」
私が補足する。
「学研都市に魔法陣を敷こうとしているのか」
赤穂さんは私に質問する。「誰か」と呼んで地図と人を呼んでいる。しばらくして茶色いスーツの50歳位の男性がやって来た。
「どういう事か説明してくれるか」
「はい」
私は多香子にスマートフォンの地図アプリを出すように言うと、多香子はその地図アプリを赤穂さんに見せて説明を始めた。
「これは、今までの放火現場の位置を示しているのだね」
「そうです。そしてここから」
地図アプリに放火事件のあった場所が順に表示され、円形に並んだポイントを表していく。そして、これから起こるで有ろうポイントも表示し始め12箇所全てが表示された所で。
「これが、こんな事が・・・」
赤穂さん少し動揺した様子でスマホを覗いている。
「次の発生箇所も分かっているのだね」
「ええ、分かります」
「場所は特定出来ています。いつ起こるか分からないけど」
多香子が私に補足した。
「これは、君たちが調べたのか」
赤穂さんは私達を問う。
「ええ、この事に最初に気が付いたのは浩子でしたけど」
「岡本さんがこれを・・・一体いつから」
「3件目の放火事件が有ってからです。ですけど偶然2件目の事件に遭遇した時の魔法陣を見てなければ分からなかったかも知れません」
「魔法陣、さっきの聴取で言っていた数字の書いてあったと言うアレか」
「ええ、そうです」
私は後ろから近づいてくる人の気配を感じ振り返りながら答えた。
「お疲れさん、赤穂君、状況は?」
白髪交じりでグレーのスーツ姿、割と細身の男性が声を掛る。
「お疲れ様です。7件目をやられました」
「7件目?どういう事か」
「ええ、その様です」
赤穂さんは近くにいた隊員に地図を持って来るように指示した。
「今まで放火事件が起きている事は知っていたが何か意味が有るというのか」
「ええ、それをこの子達が突き止めた様です。そしてその犯人グループとも接触しています」
隊員が学研都市の地図を持って戻ってくると赤穂さんは地図に放火ポイントを書き始めた。
「これで良かったのだね」
地図にポイントを書き込んだ所で多香子に確認を取った。
「ええ、ほぼこの位置です」
「それで、ここからこうだったね」
そこから12魔法陣を書き足していく。多香子は「そうそう」と言いながら地図を見ている。完成した魔法陣の図を見て。
「お前、どうしてこんな事態を報告しなかった」
「これを知ったのは一昨日の夜で裏付け捜査を行っていましたので」
山地さんは動揺した様子で答える。
「これは、どういう意味なんですか?」
私は男性に聞いた。
「これは『結界魔法陣』だよ」
「結界?どんな?」
「それは、設置している魔法陣を見ないと分からないが」
「結界の模様なら覚えていますよ」
「何だと!」
男性はいきなり私の両肩を掴まれ驚きと少しの恐怖を感じた。しかし男性はそのまま私を問い詰めた。
「どんな魔法陣だった?今すぐここで再現出来るか?」
「え、ええ」
私は後ずさりしようとするが両肩を捕まれて動けない。男性は直ぐにさっき広げた地図を裏返しにし無地の部分を自動車のボンネットに広げ私に書くように指示した。
私は2件目に見た魔法陣と5件目に見た魔法陣を描き出しスマホに表示された緯度経度も一緒に書き出した。
「こんな感じです。魔法陣に書かれていた文字までは覚えていませんが漢字で書かれていた様に思います」
「これで間違いないね?」
「はい」
「直ぐに、部隊の再配置をそれから部長を集めて直ぐに報告をしろ」
男性は青ざめた表情で赤穂さんに怒鳴りつけた。
「それから、出来るだけ人を集めて警備をするように指示しろ」
「ブルーバンドもですか」
「そうだ直ぐに招集しろ」
「何が分かったんですか?」
「この魔法陣は結界内の人を全て殺す魔法陣だ。こんなのが発動すると結界に入った者全て例外なく死亡する」
「なんやて!」
多香子は思わずか大きな声で言った。一方私は余りの予測していなかった言葉に声が出なかった。
「なんてこと・・・」
やっと私は言葉を振り絞って出した。そういえば、千恵美と直魅、竹田先生もその場に居たのだが完全に目に入っていなかった。見回すと直魅は泣き出しているし竹田先生は完全に動揺して何をして良いのか怖からず尽くしている。
「悪いが、その時の様子を詳しく聞かせて貰えないか」
「今日、朝からそちらで事情を説明したのですけど、まだしないといけませんか?」
「1時間程で終わらすから、もう少し辛抱してくれ」
「ええ、分かりました」
私は渋々了承した。
そして、また事情聴取が始まり家に帰ったのは夜9時頃になった。
「浩ちゃーん」
朝9時過ぎ高塚真紗美が私の上に乗っている。
「おはよー」
私は背伸びをしながら真紗美に返事する。
「昨日は随分遅かったね、何が有ったの?」
「学研警備隊の事情聴取、朝から晩までみっちりと」
「事情聴取?浩ちゃん何したの?」
「デジタル魔法って攻撃魔法を無暗に使うとこうなるのよ」
「攻撃魔法を使うほどの事件があったの?」
真紗美は私の腰の辺りに乗っていたが、体を預け私の上に寝ぞべってきた。実は真紗美は胸が大きい、前に「Eカップ」とか言ってた。その胸が私の胸に当たる。長袖のTシャツの上からでも柔らかい感触が伝わるって事は?
これでも私だってB・・・。
「ちょっと冒険し過ぎたと言うか、好奇心が強すぎたと言うか、連続放火事件に首を突っ込みすぎたのよ」
「ああ、あの事件ね昨日、朝倉君から話は聞いたわ、7件連続して起こっているのだって?」
「そう、もう7件も起こっているのよ、それより」
「それより?」
「ちょっとどけてくれない?起き上がれない」
「あら、良いじゃない?」
真紗美はそのまま私にしがみついて体中を触りだし臭いを嗅いだ。
「んーもーぉ」
私は反動を付けて起き上がり真紗美を押しのけた。
「浩ちゃん、今日、これから予定有る?」
「ううん、今日は特に予定無いけど」
「じゃあ、プラザタウンに行こ」
襟が大きく開いたニットソーから左肩を出ている所を右手で直しながら言った。
「何か欲しい物があるの?」
「新しい服を見に行くの、見るだけだけどねお金無いからね」
真紗美は笑顔で答え部屋を出ようとした。
「まあちゃん、ちょっと待って」
「なに?」
「下着、付けてる?」
真紗美は笑いながら。
「やーねー、浩ちゃんから下ネタなんて」
「そうじゃなくて」
苦笑いしながら訴える。
「付けてるわけ無いじゃん、日曜なんだし、ちなみに下もね」
「ええ!」
「ご飯出来てるわよ、早く食べて行こ」
そう言って部屋の扉を閉めて行ってしまった。
「さてっと」
私はベッドの上で大きく背伸びをした。




