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1部 12芒星魔方陣 編  5章 魔法の片鱗 1話

 初夏の陽気が漂う4月22日土曜日、朝6時30分の目覚まし時計を止め目を開けた。布団の中が暖かくて気持ちいい。

「んー」

 すーっと息を吸い込み、ベッドから起き上がった。普段の寝間着は下着とTシャツ1枚、パジャマは冬場しか着ない、私は部屋を出て食堂に向かった。

「お早うございます」

 下宿の家主で華英(はなえ)さんに挨拶した。

「お早う」

 華英さんは相変わらす忙しそうに料理を作っている。

「お早うございます」

 同じく食堂に来たのは「まあちゃん」こと高塚真紗美、彼女も下着にTシャツ姿のまま食堂の椅子に座った。この下宿は女子専用で滅多なことが無い限り男子は下宿に来ない。

「まあ、二人ともだらしない」

 華英さんは呆れた様に言ったが、そう言いつつ朝食を用意してくれた。朝からあじの開きとサラダ、後ご飯と味噌汁、華英さんの親戚が日本海側に住んでいることでよく海産物を送ってくれるそうだ。

「私、今日これから買い物に行くから帰りが遅くなるかも」

「分かった、気を付けて行ってらっしゃい」

「ねえ、買い物ってなに」

「魔法のアイテムを見に行ってくるの」

「魔法アイテムかー、常徳の人達と行くの?」

「ええ、ちょっと友達と喧嘩しちゃって、その仲直りも兼ねて」

「そっかー、早く仲直りが出来るといいね、それと私も今度私も連れてって、何か可愛い物がありそうだし」

「分かったわ、今度一緒にいこ」

 真紗美はご飯を食べ終わり「またね」と言って部屋に戻った。

 私は部屋に戻り着替えを済ませ待ち合わせの駅に向かった。駅には私が一番最初に着いた。

「おはよー」

 と、すぐに織田さんが来た。私の着ている赤と黒のチェックのスカートと白いシャツにジーシャンなのに対しブラウン系の落ち着いたロングスカートを上手に着こなしていた。

「今日は無理言ってごめんね」

「いいのよ、丁度私達も行きたかったしね」

「おはよう」

 芦田さんと多香子も少ししてやって来た。芦田さんは蝶の刺繍の入ったジーパンにピンクのキュロットで多香子はスパッツの上からグリーンのワンピースにレースのアンサンブルを着ていた。

「じゃあ、みんな揃った所で行きましょうか」

「ええ」

 芦田さんのかけ声で私達はライトライナーに乗って魔法アイテムを扱っているお店に向かった。

 学研都市は学校の集中する東エリアと研究機関や工場、企業が集中する西エリアに別れていて、学生が多い東エリアはショッピングセンターや娯楽施設が結構多いが西エリアになると、居酒屋やホテルといったお店が増えてくる。その分、トラックが通る為道路の整備が東エリアより充実している。もとより東エリアは傾斜をそのまま使っている為、階段が多い立地条件を企業が嫌がった事が大きいを思う。


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