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1部 12芒星魔方陣 編  4章 岡本浩子の疑念 3話

「まだ続いているのか?」

 あれから4日経った4月17日月曜日の放課後だった。

「うん」

 野間君の質問に私はそう答えた。

 先日の魔法の実技以降、喧嘩した訳では無いがどうも多香子とはぎくしゃくした状態が続いている。多香子はウィザードとして誰にも負けないと言う自信を持っているのだと思う。それが私の魔法を見てからは敵視した様な目で私を見て余り口も聞いてくれない。

 私は多香子が土日の間に気持ちの整理を付けてくれると思っていたがまだ無理の様だ。

「私、どうしたら良いのかな?」

「んー、何処かショッピングでも誘ったらどうだ?」

「何処か良い所在る?私、まだここに来てからまだ二週間くらいだからからこの街の事よく分からないの」

「そうだな、良い所探しておくよ」

「有り難う、あとで何か埋め合わせするから」

「ああ、宜しくな」

 そういえばいつの間にか野間君と居る時間が長くなった気がする。でも野間君はこのあと部活に行くと言って別れた。私はそのままとぼとぼと学校を出た。

「ちょっと岡本さん」

 誰かに呼ばれて私は振り返った。見ると二人のクラスメイトが追いかけている。

「織田さんと芦田さん」

 追いかけてきたのは織田千恵美と芦田直魅、二人とも女の私から見てもとても美人で背が高く小柄な私としてあこがれてしまう二人。

「どうしたんですか?」

 さすがに私「人見知りしてるかも」と思いつつ二人に聞いた。

「私達、岡本さんとお友達になりたいなと思って」

「私とですか」

 背が高くてスタイルの良い芦田さんが言った。腰位まで有るとても綺麗な髪の毛がより彼女を引き立てている。クラスメイトなんだから友達になりたいって言うのは普通だと思うのだが少しびっくりした。

「とりあえずすぐそこのお店でお話しません?パフェが美味しいの」

 一方の織田さんも負けていない。目鼻立ちがしっかりしているし髪の毛を後ろで大きな三つ編みをしている。

「ええ」

 私は二人に連れられるままライトライナーに乗って一駅のカフェに入った。少し高台になった所に客席が全面ガラス張りで『アルデ・アルデ』と看板が掛かっている。

 この学研都市は元々山や谷を切り開いて開発された街だけあって坂道が多くなっている。この街の主な交通機関はライナーと呼ばれる新交通システムでコンクリートで出来ているレールの上をタイヤの付いた電車が走る。AGTと呼ばれるシステムで学研都市を網の目のように張り巡らされている。坂道の多い学研都市ではレールの上を走る電車だと登れないし小回りが利くという理由だと思う。

 パフェのメニューにはアルデ・アルデのオリジナルアイスクリームが30種類有り、プリンやフルーツをトッピングする方式で組み合わせは無数に有るそうだ。

 私はオリジナルのラムレーズンゼリーとヨーグルトアイスにフルーツをトッピングした。織田さんはマロンアイスにマロンクリームでさらにマロンを乗せたマロンスペシャルパフェで芦田さんはオレンジとピーチを組み合わせたパフェだった。

「このお店にはよく来るの?」

 私は二人に聞いた。

「ここはたまにね、やっぱりカロリーが気になるから」

「たまにと言っても毎週来てるのだけどね」

 芦田さんの発言に織田さんが補足した。

「それって通ってるって言うんですよ」

 私は笑いながら生クリームをスプーンですくい口に入れた。

「ほんとに美味しい」

 確かにカロリーは気になるが美味しい物を食べるのはとても幸せ。

「岡本さんってどうしてこの時期に転校してきたの?」

 織田さんの質問に私は去年の祇園祭で応急治療したことを言った。

「それでここに来たのね、で、今何処に住んでいるの?」

「下宿に住んでいるよ、一応家主さんがご飯作ってくれるし」

「料理できないの」

「料理は問題無いのだけど、一人暮らしが不安だったから学生マンションは止めたの」

「それはそうよね」

 話を聞いていくと二人はそれぞれ学生マンションに住んでいると言うことだった。

「それで、浦さんとは何かあったの?最初は仲が良かったのに」

「うん、それが・・・」

 私は先日の魔法の実技での事を説明した。

「やっぱりあの時の魔法ね」

 織田さんは言った。

「でも凄かったね、岡本さんが燃えているのだから、びっくりたわ」

「私もビックリした」

「あの時どうだったの?あれだけの炎に包まれていたのに制服が全く燃えたり焦げたりしてなかったって聞いたけど」

「ええ、炎の中にいたのに熱く無かったし息も普通にできたわ、だから冷静になれたのかも知れないけど」

「マジシャンってタイプだったわね」

 三人とも空になったパフェのグラスを前にして芦田さんが聞いた。

「とても珍しいタイプだって言ってたわ、魔法を発動させる時は対象の人や物に触れないといけないの」

「あ、じゃなくて浦さんの話だったね」

 織田さんが脱線した話を戻した。

「浦さんって常徳学園一のウィザードだから『負けた』って思っているんじゃ無いかな?」

「でも私、自分の魔法の力って分からないよ」

「デジタル魔法ってプログラムの他にやっぱり魔力って関係有ると思うのよ『魔力は一切要らない』って公式発表されているけど」

「その辺りが曖昧なのね」

「そうね、だからタイプ別に別けられそこからさらに属性なんて有るのだし」

「それより、どうやったら多香子と仲直りできるかな」

「浦さんってアクセサリーが欲しいって言ってなかった?」

「アクセサリー」

 織田さんに私が聞き返した。

「それならちょっと遠いけどジョイタウンの側に魔法アイテムを扱ってるお店があるわよ」

「それにしましょう、じゃあ今度の土曜日に浦さんも誘って一緒に行きましょうか」

「良いの?」

「ええ、私達は構わないわね」

「有り難う」

 私は二人にお礼を言った。


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