1部 12芒星魔方陣 編 4章 岡本浩子の疑念 2話
その教室に残っていた一人、野間君が帰り支度をしている所に。
「調子どう?」
「もう、大丈夫よ」
鞄にノートのみを詰め込み席を立とうとした。
「ああ、俺も帰る」
野間君は慌てて自分の机に戻り私を後追いかけた。さっきまでいた他のクラスメイトは野間君のその様子に若干戸惑っている様に見えた。そんな事お構いなしに野間君はみんなを置いて私に付いてきた。
「いいの?みんなほっといて」
「いいの良いの」
野間君は私の肩を持って廊下へ。
「もう、押さないでよ」
「どっか行こうか、そだケーキの旨い店知ってるからそこへ行こう」
「そんな女をケーキを釣ろうなんてあまいわよ」
と言った物の野間君の連れて行ったカフェのショーケースに陳列された美味しそうなケーキの魅惑には勝てず結局、カフェの中へ。
「美味しい」
あまりの美味しさにケーキをほおばっている。
「だろ、ここのはこの店で作っているんだよ」
野間君もケーキを食べている。
「へえー」
「もうちょっと遅かったらケーキが売り切れていたよ」
「そうなんだ」
私はセットになっていたコーヒーを飲みつつ言った。
「そうそう、野間君、何か私に用があったんじゃない?」
「ああ、そうだけど」
「何だったの?」
「あの時、一体何が有ったのかと思って」
「さっきの魔法の実技の事?」
「それそれ、一体何したん」
「ただ、プログラムを実行して的に触れただけよ」
「それにしても、あんな炎を出せるなんて凄いな」
「私は怖かったわよ、あんな事になるなんて思って無かったから、でも不思議と冷静だった」
「あれだけの炎を出しておきながら?」
「あのプログラムって最大魔力で発動させる魔法だったんじゃ無いかな」
「多分、そういうプログラム(やつ)だよ」
「そうよね、やっぱり。でもあんなコンクリートの地面が溶けるほどの威力があるなんて思わなかったわ」
「俺でも浦と同じだけの魔力であのプログラムを発動させる事はできなかったからな」
野間君は少し焦りながら言葉を返した。
「でも野間君はメイジだから全系統の魔法が扱えるのよね?」
「ああ、そうだよ」
「良いよね」
「マジシャンタイプでも全系統の魔法が使えるんだろ?」
「らしいけど、実例が少ないからよく分かってなさそうね、その証拠が今日の実技だったんだし、坂本先生は私の魔法の事よく聞いてくるし」
「だから、浦と比較されたって事か」
「そうよ、多分、今日の事、多香子はどう思っているのかな」
「ところで、どうして常徳学園へ入学してきたんだ」
「去年の友達と行った祇園祭で気分が悪くなった人を助けたんだけど、その時私、何かの魔法を使った見たいなの周りに居た人が『デジタル魔法じゃないか?』ってねそれで、調べて行くうちに、ここに来ることになって、でも私もここに来たかったからいいのよ」
「それで、ここに来たのか」
「うん、そういえば気になった事があるんだけど、デジタル魔法を発動させる時って頭の中にプログラムが浮かんできたりするの?」
「ああ、出てくるよ、でも断片的なプログラムだけで後は無意識にプログラム計算をやっているんだ」
「そうだったのね、私だけかと思った」
「魔法のプログラムなんて基幹プログラムだけで2GB有ってそれにプログラムがさらに1GB有るらしいから、俺らが分かるのはほんの4・50行ぐらいだろうな」
「そうなんだ、そんなに」
私は少し野間君の言葉に違和感を覚えた。私の頭の中に浮かんだ術のプログラムは便箋で6000枚、およそ24万行位だったからだ。それに、術のプログラムの大まかな内容まで分かってしまった。幾ら私が前居た中校で成績がトップと言えどもおかしいと思った。
私は割り勘だと言ったがここの支払いは野間君が「無理に誘ったのは俺だから」と言って全て出してくれた。
カフェを出ると消防車と学研警備隊のパトロールカーが目の前を数台走っていった。
「火事かな」
「そうみたいね」
サイレンの物々しい音が辺りに響いていた。




