何やってるんだか……
――防護巡洋艦 アブローラ での日々――
この船には、ロボットのような、マニピュレータはなかった。
この船に「手」を動かせる人間は、自分ひとり。
この船に、人間は、自分ひとりなのだから……
自分のご飯の支度も、片付けも、自分の仕事。
全自動掃除機のゴミ捨てや手入れ、自分の仕事。
艦長のケア。具体的には、
艦長への「ごはん」の用意と片付け、
艦長のトイレ(基本全自動だが、ネコ砂補充などは人任せ)、
艦長のブラッシング、
艦長の耳の後ろを掻く事まで、自分の仕事。
そこまでは、いい。
自分はネコ好きだから苦にならない。
この船に、人間は、自分ひとりなのだから……
でも、遭難船の救助も……とやっていると、
雑用担当で乗船してるのでは?という意識さえ芽生えてしまう。
仕事に優劣はつけてはいけない。
頭では、そうわかっているが……
副官といっても、雑用しかしていない気がする。
少しだけ、辟易してきた。
――急に艦が、大きく動いた――
急に艦の行き先が変更されると共に、警報が鳴り響いた。
ブリッジに行ってみると、何故か自国の客船を攻撃している艦長。
艦長は、肉球でポチポチと操作。
どうみても、遊んでいるようにしか見えない。
自分は、ネコが遊んで攻撃したと勘違いした。
艦長をなだめて、止めたが……
相手の船は、完全に沈黙していた。
仕方ないので、船外スーツに着替え、謝罪に向かう。
――謝罪の為、攻撃してしまった「自国の客船」に向かった――
相手の船に近づくにつれ、いろいろな事がわかってきた。
自国(銀河連邦)のマークが1つもない。
それどころか、ところどころに、何かを塗りつぶした跡がある。
遠くから見てた時は、普通の客船に見えていたのだが、
近づいてみると、様々な武装を随所に装備している物騒な船だった。
⇒但し、武装は艦長の攻撃で、すべて破壊
客船を偽装した「戦闘艦」だった。
いわゆる「不審船」である。
艦長のデタラメに見えた攻撃はエンジンと、
全ての武装だけを無力化し、
他に損害が発生している様子は無かった。
不審船とわかった以上、擁護は出来ない。
船に乗り込むなり、美少女が抱きついてきた。
「助けてください、
わけのわからない人たちに拉致されていたんです」
……という。
事情の真偽はわからないが、
こんな美人に抱きつかれるのは、男として、ちょっとうれしい。
船外スーツを着ているので、感触とかは、感じられないんだけど……。
通路の奥から、
彼女を追ってきたと思わしき、男たちが見えたので、彼らを撃退した。
本来なら、捕縛して、彼らを連行していくべきだろうが……
こちらは、ひとりだけで、連行するには、人手が足りない。
艦にそれを報告すると、その娘だけを連れ戻るように言われた。
そこで、その娘をつれて、すばやく船を離れた。
その時、少女がニヤリと笑っていた。
けれど、自分は、それに、気づく事が出来なかった。
その少女は「ミリア」と名乗っていた。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
数ある作品の中からこの物語を選び、貴重なお時間を使って読んでいただけたことを、とても嬉しく思っています。
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