ミリアの本音
「ミリア」と名乗った少女は、連邦に所属する小国、
バステト王国の姫「セルカ・ソル・バステト」だった。
王国であるバステトは、王侯貴族が、政治の実権を握り、
自らの快楽の為に国の負債を蓄積し、民の生活は困窮していた。
その為、連邦は、その国に共和制への移行を求めた。
王や貴族たちは、わかっていた。
自分たちが能無しだと。
だから、手放せなかった、今の利権を。
だから、バステト王国は、連邦からの独立を考えていた。
その為、連邦に打撃を与える事が、今回の目的だった。
今回の1件は、そんなつまらない事だった。
でも、偽装して潜入するハズの不審船は、破壊されてしまった。
しかし、運よく乗船出来た艦が、
連邦最強と、国外にも噂が轟く艦隊の旗艦と知る。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
唯一の乗員である男に、
色仕掛けで船の操艦や武装を扱わせようと試みたが、
男は、権限をもたされておらず、結局、何一つ関与できなかった。
男の上官は、こちらの意図を見抜いてるような話しぶり……
その上、艦長はネコだとか、訳のわからない事を言っている。
話にならない。
……まったくもって話にならない。
艦長が、ホントにネコならば、ネコを殺せば、
この冴えない男に権限が移って、いろいろな事が出来んじゃない?
そう思ったのだが……
艦長には触れる事すら、出来なかった。
シャーー!!
牙をむき出しにして、威嚇してくる。
セルカは、動物が苦手だったので、とても、怯んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
仕方がないので、助けてくれた男を懐柔すべく……
「あなた、ネコなんかに、使われて、悔しくないの?」
このネコ、殺してしまえば、いいじゃない?」
「殺す?、何で?」
「あんたに、権限が移って、
いろいろ出来るようになるんじゃないの?」
「それはないよ、自分より、上の副官がいるし、
それでも無理なら、他の艦長が代わりに来るよ」
「ネコの命と人の命、どっちが、重要なの?」
「何言ってるの? どっちも重要だよ!
第一、命に重さなんてある訳ないじゃないか!」
姫は生まれながらに、
自分の命は、他の誰よりも重いと、教えられて育ってきた。
だから、自分の人生の全てを、否定されたような気分になり、ブチ切れた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして、この艦隊も気に入らなかった。
この艦は古い。巡行速度も最新鋭艦と比べて明らかに遅い。
その点を指摘すると、
「大丈夫ですよ。今は、亜空間航行がありますから。
戦場に到着するのに、遅れは取りません」
「こっちが到着する前に、他の船に、
手柄を取られたら、どうしようもないでしょ?」
「え? 誰が戦果を上げてもいいじゃないですか?。
重要なのは、その戦闘に勝つ事ですよ」
ホントに使えない……。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
艦隊は、使えそうにないボロ艦隊。
だけど、これだけボロいなら、
私が使える全戦力を、持ってすれば、カンタンに接収出来そうね。
銀河連邦軍とはいえ、こっちは、しょせん1艦隊。
こっちは、小国とはいえ、国の全艦隊よ。
接収して、私の礎にさせてもらうわ。
セルカは、特殊な亜空間暗号通信機を持ってた。
電波ではない特殊な手段を用いている。
だから、今まで、どこの国にも傍受された事がない。
その上、暗号化を施している。
この暗号も、今まで、どこの国にも解析された事がない。
セルカは、これを使って、自国から、全艦隊群を呼び寄せた。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
数ある作品の中からこの物語を選び、貴重なお時間を使って読んでいただけたことを、とても嬉しく思っています。
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