敵の返品先は
『さきほどの大司教が、何者かに殺されました』
『殺された経緯はわかるか?』
『神託を受けるという名目で通信室に入った状態で、殺されたようです』
密室殺人か……。
『振り出しに戻ったかぁ~』
『いえ、逆に好都合になりました』
大司教は殺されましたが、死体のまま活動を続けています。
むしろ強制的に操られているので、情報駄々洩れです。
アンデットになったってことか。
いいのか?
仮にも教会なんだろ?
『他にもいるみたいですね。アンデット。
教会特有の「お香」で誤魔化してるようです』
『それで教会は何と?』
『次にネコを連れた少女が来たら神託の部屋に誘導して殺せと』
『次からは変装しないとな』
『他には?』
『この前送り込んだ破壊屋を始末したのが、我々だとリークがあったそうです』
『何だと』
『第2艦隊司令、ムノ・ウナ中将からだそうです』
『ムノ・ウナは「気に食わないことをするのは全部あいつら」
と言っていたそうです。
ですが、教団も犯人を特定できなかったので、
とりあえず第8艦隊を狙え、と』
『それは、まずいかもしれないな。新人くんがパニックになってないといいが』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
旗艦アブローラに戻ったら、よくわからない船に囲まれていた。
もう来てたか。国籍を伏せた不審船集団だった。
『仕方ないので返品しておくか』
第2艦隊司令、ムノ・ウナ中将の船は……あそこか。
私は、亜空間魔法を使い、
この不審船集団を第2艦隊旗艦の周囲に出現させた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
第2艦隊は、いきなり不審船集団に囲まれた。
しかも、砲門がこっちを向いている。
ムノ・ウナ中将は慌てて、とんでもない司令を出した。
「まわりの敵を討て。理由は後から何とでもする。
全員、生かして返すな。
味方が巻き込まれても構わん。とにかく撃て」
不審船集団も砲撃を始めた。
しかし、彼らは第8艦隊を囲んでいると思っている。
第2艦隊も砲撃をはじめた。
第2艦隊は不審船集団をゴイツ帝星国の船だと思っている。
撃破すれば、褒章がもらえると信じて……。
こちらも不審船集団が1隻も残らないように、
敵のビームの飛び先を少しずつずらして同士討ちをさせた。
人間が操艦している限り、カティアが操作することができる。
彼女にとっては、朝飯前だ。
ともあれ、連中はまたやってくるだろう。
対応を考えなければ。




