破壊屋のしっぽ
第3部からは、以下の使いわけをしています。
通常会話 「」 音声として話している声
テレパシー 『』 頭の中に響く声
通信や命令 ==
記憶を読んだとき 【】
最初に、私が、この世界に来た星を、破壊した連中が、「破壊屋」という組織……である事が、わかってきた。
ヤツらは大気を持つ「人が住める惑星」を破壊してまわっている。
こういう星の中心部でしか生成されない「レア物質」が目的らしい。
しかしそれ以外、痕跡がつかめない。
前の世界では、魔力を得るために「魂」を集め、星ごと滅ぼす連中もいた。
……さすがに、この世界まで同じとは思いたくない。
この世界で魔法を使う者を、まだ見たことがないのだから。
主に銀河連邦の星を破壊してることから、敵対する三大国のどこかに潜んでいると見ている。
先日対処したバステト王国軍は銀河連邦の国境に位置し、ゴイツ帝星国と交戦中だった。
なのに、その主力を銀河連邦に向け、私に処理されたことで、ゴイツ帝星国国境側の戦力が手薄になった。
さっそく、元帥から命令(お願い)がおりてきた。
ゴイツ帝星国からの侵略がはじまり、防衛に当たった第二艦隊司令ムノ・ウナ中将が、艦隊の半数を失っているそうだ。
現在敵対行動中のゴイツ帝星国艦隊だけを一掃するよう命じられた。
「破壊屋」のしっぽが掴めてないし、ふつうの仕事もしないといけないか。
私は、アブローラと随伴艦を出港させる。
副官のカティア・ネメシス大佐が、新米少尉のフェリオに命令書を読み上げる。
フェリオは「無理だ」「できるはずがない」などとつぶやしていたが、とりあえずは放置でいいかな?。
私はネコの姿だが、使い魔のカティアとはテレパシーで会話できる。
『閣下、今回も回収だけですか?』
『あぁ。ゴイツ帝国星の新兵器が拾えればいいなと思ってる』
『承知しました』
『回収したら、いつ通り読込みをお願いしたい』
『ありがとうございます』
カティアは、フェリオとはモニタごしで会話をしているそうだ。
背丈こそ幼女並みだが、子どもらしくない顔立ちを持っているので、モニタで上半身だけ映している限りは、威厳を保てるから……だそうだ。
アブローラと随伴艦は、首都星のセンサ群の検知範囲から抜け、何もない空間まで辿り着いた。
『潜るぞ』
テレパシーでカティアにそう告げると、アブローラと随伴艦は、亜空間に潜った。この空間に入れば、誰からも検知不能だ。
亜空間魔法を改良して作った索敵魔法を使う。
それを見える化して、艦橋にモニタ表示させた。
第二艦隊は、無残にほとんどが無力化されている。
これが銀河連邦の最新鋭艦だけで構成されている艦隊だというから、呆れてしまう。
ゴイツ帝星国の主戦法は、小惑星に擬態した偵察センサ群と、それで得た情報を元に放たれる亜空間ミサイルで、敵射程範囲外から攻撃する「アウトレンジ戦法」だ。
亜空間航行の足跡を見かけたら、こちらも逃げないと相手の思うつぼだというのに、下調べもしてないのだろうか……。
名前通り「無能な」中将らしい。
第二艦隊に対し、亜空間ミサイルが撃てる位置にいるゴイツ帝国星艦隊をほいほいと、亜空間魔法で回収していく。
1隻。
また1隻。
何事もなかったように、敵艦が宇宙から消えていく。
艦橋でその様子を見せられているフェリオが騒いでいた。
「消えた」「また……」「い、一体どうなって…」
『そのうち慣れるだろう』
『お!、これは!?』
まだ未使用の亜空間ミサイルが回収できた。
しかも、ノヴァ弾頭(1発で惑星を破壊)までついてる。
思わぬ収穫だったかな……。
『カティア、出番だ』
『はい、閣下』
『あとで、レポートにまとめておいてくれ』
『承知しました』
カティアは、悪魔という種族なので、人の記憶や意識を読んだり、改ざんすることができる。
技術文官でも乗艦してくれれば、ラッキーだ。
『閣下、変なのが混じってます』
『ん?』
『これです』
カティアは、回収した記憶を差し出した。
『なんだ、こりゃ』
お読みいただき、ありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけましたら、
★や【ブックマーク】で応援していただけると、
今後の創作活動の励みになります。




