第二話
老婆は一つのドアの前で足を止めた。
今までのドアとは明らかに違った
凝った装飾。
重量感のある立派なドア。
これだけでいくらするんだか・・・
老婆がくるりとこちらを向いた。
動きに若さがある人だな・・
「ここから先はお一人でお願いします。挨拶が終わりましたら、一回先ほどのお部屋にお戻り下さい。
仕事の説明を致します。では・・」
老婆はそれだけ言うと、さっさとどこかに言ってしまった。
・・・・・何故ここからは1人でなんだ?
ここで、考えていてもしょうがないか。
ドアは意外とスムーズに開いた。
あまりにも凄くて言葉が出ないという体験はそうざらにあるわけではない。だが、今僕は一瞬思考まで停止してしまった。
ドアの中は今までとは全く違う異世界の様だった。
広い部屋・・何畳あるんだ?という空間に異様に
でかいぬいぐるみがゴロゴロ転がっており、少女漫画にさえ出ないようようなピンクの家具がそこにはあった。
何なんだここ?
恐る恐る足を踏み入れた。
おもちゃ屋で大地震が起こったってこんな事にはなんないだろうな・・・
ゆっくり部屋の中を進んでいくと、キングサイズのベットらしき物が目に入った。
レースの布団カバーに、ハートの枕。
どこで寝るんだ?というほどぬいぐるみが散乱していた。
ベットに近づこうとしたとき、僕は心臓が止まるかと思った。いや、お嬢様に挨拶に来たのだから人がいるとは分かっていた。
だが、この部屋を目の当たりにしてから人が住んでいるなんてもう頭になかった。
ベットに、否大きなクマのぬいぐるみによりかかるようして少女が眠っていた。
どんな人かと思ったら・・・
とても可愛らしい顔をしている。
色が日本人とは思えないくらい白い。
もしかしたらハーフとかかもしれない。
ちゃんと食べているのか心配になるぐらい細い。
14,5歳というとこかな?
でも、この年でこの部屋ってどういうことなのか・・・・
とりあえず挨拶をしたいのだが、起こすわけにはいかないだろうしな
と迷っていると、少女がスッと目を開いた。
あ、グレーだ。瞳の色がグレーだった。
少女は急に目の前にいる男に驚きもせず、窓の方に目をやっていた。
「本日より、お嬢様のお世話と、お勉強をみさせていただきます。
葉梨守 明人と申します。よろしくお願いいたします」
僕はとりあえず挨拶をした。
だが、少女からは何の反応もない。
まるで僕がここにいるのが見えていないかの様だった。




