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地龍のダンジョン奮闘記!  作者: よっしゃあっ!
第七章 龍王種邂逅

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1.戦いよりも釣りをしよう

 第七章スタートです



 初めまして。

 そうでない方は久しぶり、と言わせて頂こう。


 こうして私の書いた本を手に取って貰えるとは、書き手として光栄の極みだね。

 尤も、私は物語の脚本家の様に語彙に富んでいる訳でも、吟遊詩人の様に表現力が豊かである訳でも無い。

 

 なので、私はただ事実のみをただ記すことにするよ。


 さて、では本題だ。


 今日は、『龍王種』と言う存在について語らせてもらおうか。


 まず始めに、君たちは龍と言う存在についてどんなイメージを持つだろうか?


 最強の存在?強者?それとも災害の象徴かな?


 うん、だいたいそれで合っている。


 龍とはいつの時代も力の象徴として畏れられてきた。


 まあ、それ狩ることが出来る人間や魔物もいるけどね。

 でもそんな存在はごくわずかだ。


 基本的なスペックとして龍とは他の生物とは異なるんだ。


 長い寿命、膨大な魔力、強大な身体能力、そして特殊魔術。


 人は知恵と集団によって力を振るうが、龍と言う存在はそれを個で振るい、戦局を覆し蹂躙する。


 そして、その中でも『龍王種』と言う存在は別格と言っていい存在だ。


 文字の通り龍の中の頂点。

 人で例えるなら王族と言ったところかな。

 全部で四種類。

 地龍を筆頭とする四種族が、龍王種と呼ばれている。


 有名どころで言えば地龍、そして天龍あたりだろうか。

 この二種は歴史上何度も国を滅ぼしているからね。

 田舎の子供でも知っているよ。

 悪い子どもは地龍に食べられちゃうぞ、みたいな感じにね。


 残りの二種については、まあ追々語っていくとしよう。

 その内の一種はハルシャルード聖王国の事も話さなければいけないからね。

 長くなるんだよ。


 まあ、きちんと話すから安心したまえ。


 ああ、そう言えば自己紹介がまだだったね。

 失敬失敬。

 私の事を知らない読者だっているかもしれないんだ。

 きちんと名乗っておかなくてはね。


 私の名はレーナロイド・レイノルズ。


 ボルヘリック王国三大貴族の一角であり、“歴史”を司るレイノルズ家の当主だ。

 まあ、人々からは“魔女”だなんてあだ名で呼ばれているけどね。


 あ、こんな口調ではあるが、私はれっきとした女だよ?


 どうぞ、よろしく。


 さて、前置きが長くなったね。


 それでは龍王種と言う存在について、語らせてもらおうか。


 そうだな。


 先ずは、龍王種筆頭『地龍』について語るとしよう―――。



 ボウルへリック王国大図書回廊保管

 『龍王種についての記述』序章より抜粋―――。

 

 

 ―――――


 アースのダンジョン深層 アースの寝床にて―――



 あのファーブニルでの激闘から一か月が経った。


 『あー……死ぬかと思ったー……』


 一か月経った今でもそう思うわ。

 俺はダンジョンの寝室で大の字で寝転がっていた。

 寝転がると言っても、今の俺は人型、蜥蜴人の姿だ。


 以前に開発し、ちょっとだけ外に出た時の憑代ゴーレムの姿だ。

 その為いつもの寝床がやけに大きく感じる。

 本体に比べてこの体はサイズが小さいからな。

 ごろごろごろー。

 あ、痛っ。壁に頭打った。


 さて、何でおれが憑代ゴーレムを使っているかというと、現在俺の本体がエリベルの研究所にて培養器の様なカプセルに入っているからだ。

 傍から見るとホルマリンズ漬けされた標本みたいだった。

 

 原因は、一か月前のファーブニルでの激闘の所為だ。

 あの時、俺は薬+全身武装と言う両刃の剣を使った。

 そして、その反動で、俺の体は全身武装化状態から、元の体に戻れるかどうかわからないという瀬戸際まで追い詰められてしまっているのだ。

 

 ちなみに、今の憑代ゴーレムは改良を重ね、本体の動きをそのまま伝えるのではなく、本体の意識のみを宿すことが出来るタイプになった。

 培養器の中で暴れられても困るしね。

 俺のゴーレム技術は日々進歩しているんだよ。


 『しかし……今思ってもよくあんな無茶したモンだよな、ホント』


 当時の事を思い出すと頭を抱えたくなる。

 あの状態の俺ホントないわー。

 自分を省みずに寿命まで削って他のヤツを助けるだなんてどうかしてるって……。

 自分の安全を守る為に頑張ってきたのに。


 しかも、思い返すと結構小っ恥ずかしいセリフもちょいちょい吐いてたし。

 うわぁー……うわぁー…恥ずかしい。


 いや、まあ、確かに、ツムギの件は俺にだって責任は………そりゃあ多少は?ほんの少しは?いや、うん一割くらいはあると思うけどさ。

 それにしたって代償デカすぎるだろ。

 反動が怖くて薬が切れる前から、憑代ゴーレムに精神移して本体を培養器に封印しちゃったからね。

 まあ、薬切れた瞬間、本体から凄まじい頭痛、幻覚、眩暈、吐き気が送られてきたんだけど。

 そのおかげで十日間こん睡状態。

 ヤバかった。

 

 それでも、アンやみんなの介護とエリベルの再生治療魔術のおかげで何とか、意識のみをまともな状態で憑代ゴーレムに移すことに成功した。

 

 前回の薬が切れた時のデータを使って、新たにエリベルが術式を組んでいてくれたらしい。

 こういう時はホント頼りになるますうちの賢者さんは。

 

 まあ、これで後は本体が元に戻ってくれるのを待つだけなんだが、これがかなり難航しているらしい。

 前にエリベルに「いい、アース。全身武装化だけはしちゃだめよ!絶対にダメだからね!絶対よ!」と散々前振りのごとく言われてたしな。


 まあ、振りでもなんでもなく、本当に駄目だったから言われてたんだけど。


 実際、俺の体が元に戻らなかった場合どうなるのかな……?

 まさか、一生憑代ゴーレムの姿ってことは無いと思うけど。

 

 ……いかん、いかん。

 どうにも、考えがネガティブな方向ばかりに行ってしまう。


 何か気分転換でもしよう。


 と言っても、この体じゃゴーレム作りは上手くできないしなー。

 ガーデニングも止めといた方が良いかな。

 今の俺の身体能力じゃ、あの地下に出来た森の枝を切る事すらままならないだろう。

 この憑代ゴーレム。

 身体能力や魔力量、五感なんかは通常の蜥蜴人と殆ど変わらないのだ。


 そんな感じで今の俺でもできる事………。


 あ、そうだ。

 深層の森に作った池に釣りにでも行こうかな。

 魔力の影響か本マグロ並みにデカい魚が釣れるし。

 あの魚美味いんだよな。

 まあ、今のこの体じゃ食事も出来ないんだけど……。

 あ、この体は食事はいらないんだよ、あとトイレも。

 本体が培養器の中で直接栄養を送られてるから。

 でも、食事の楽しみが無いのはさみしいよなー……。


 あ、話が脱線したな。

 釣りだ、釣り。

 それ位ならできるだろう。

 多分。


 よし、そうしよう。

 鬱になるより、釣りしよう。

 リフレッシュだ。

 前に古代樹の枝から作った釣竿もあるし。

 トレスとぷるるも誘おう。

 

 森の中での釣り+トレス+ぷるる=最上級癒し効果。


 これに勝る癒しはそうそうあるまい。

 ふふふ。


 俺はそう思い、釣りの支度をしようとした。

 その時、頭の中に思念通話が届いた。

 

 『アース、研究所に来てくれるかしらー』


 お、エリベルからの思念通話だ。


 『おお、エリベルか。どうした?』

 『アンタの体の事で話があるのよ。研究所に来てくれるかしら』

 

 えー、これから釣りしようと思ってたのにー、とは思ってはいけない。

 大事な体の事だ。

 きちんと優先させなくては。


 『分かった。今すぐ行くよ』


 わざわざ呼びつけるって事は治す目途でも立ったのかな?

 サヨナラ憑代ゴーレム。

 こんにちは愛しのマイボディー。


 でも、無理だったとか言われたらやだなー。


 あ、そう言えばファーブニルのダンジョンとの融合も進んでるのかな?

 それも聞いてみよう。


 期待半分、不安半分で俺は転移門を潜り研究所へ向かった。





 ちょっとした補足。

 エルド荒野地底湖

 アースが釣りをしようとしていた池というか湖。

 以前、ウナにエルド荒野地下大森林に水を引いてもらい作った巨大な湖。

 例のごとく自重しない生態系が形成されている。

 取れる魚は美味。よくチュランが糸を垂らしている。

 

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