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異世界の鬼は本日も盃を手放さない  作者: 二筆
第2章 世界の正体をみる
50/50

第2章 前半 あらすじ

 

 『異世界の鬼は本日も盃を手放さない』


  第2章前半あらすじ  プロローグ〜第21話


 王都北部の《北のダンジョン》を探索していたゲドーマルは、本来なら下へ流れるはずの魔力が、不自然に方向を変えていることに気づく。さらに、外すはずのない矢が一度だけ標的を逸れ、同行する魔導士ガグンにも得体の知れないものを感じていた。やがてガグンが、このまま進めば誰かが死ぬと告げたことで、ラグスとセインは昇格を諦め、撤退を選ぶ。


 王都へ戻ったゲドーマルたちは、アルティシアが魔族と通じていたという噂が広がっていることを知る。そこへハルが現れ、帝国皇子のもとへ輿入れするアルティシアの護衛を依頼する。かつて近衛第一団団長だったガグンも同行を申し出し、リラもまた、ヴァルクスの制止を受けながら、自分の意思でアルティシアを守る道を選んだ。


 一方、《羅刹》スイウンは魔族ミルザに敗れ、魔道具師ヤグの研究施設へ連れ去られる。そこで《狂智》を刻まれたスイウンは、五体のオーガ変異種《霧幻五指》と共に、カルミラを捕らえるための駒として作り替えられていく。


 帝国へ向かった護衛隊は、途中で魔物の群れを退けながら国境を越える。しかし、到着した街には人の気配がなく、待ち構えていた《静粛騎士》と、同行していた王国騎士たちから襲撃を受ける。ゲドーマルたちは馬車を捨てて逃走し、タマ、レオン、ガグンの組と、ゲドーマル、アルティシア、リラの組に分かれた。


 川辺へ逃れたゲドーマルたちの前には、《天網の狂帝》に仕える三人の騎士が現れる。リラとゲドーマルがアルティシアを守って戦う中、イバラキ、ドゥール、アウル=ヴェイルが駆けつける。一方、タマたちはガグンと対峙し、カイランから、彼が三人の魔王の一人《天網の狂帝》であることを知らされる。


 やがて帝国の勇者一行まで現れ、ゲドーマルは敵を倒すことよりも、仲間を連れて帰ることを選ぶ。タマの転移魔法によって一行は脱出し、アウルの背で洞窟棲家へ帰還した。残された森ではガグンと帝国勇者が激突し、その一帯は生き物の戻らない場所へ変わってしまう。


 その後、アルティシアは棲家でゴブリンたちと畑仕事を始め、リラは近衛騎士の資格と家名を失い、冒険者として新しい一歩を踏み出す。ルキアスは、王命に背いて第三団を帝国へ向かわせた責任を問われ、《隔離の円塔》へ閉じ込められた。


 やがて王都では、ヴァンパイアの暗示によってレオンの言動が変わり、タマもゲドーマルから離れようとする。暗示を解くため、一行は世界樹の葉を求めてエルフの国へ向かうが、ゲドーマルだけは棲家に残される。


 その頃、ゲドーマルの前にはヴァンパイアのカルミラが現れ、さらに《狂智》に縛られたスイウンと《霧幻五指》が襲来する。一方、エルフの国へ向かっていたタマたちはアウレオンと再会し、世界樹の葉から作られたポーションを受け取る。


 ポーションを飲んだタマは暗示から解放され、自分がゲドーマルへ向けた言葉を思い出す。すぐに九尾の姿となって転移し、ゲドーマルのもとへ戻った。


 霧の森で再会した二人は、互いの想いを言葉にする。ゲドーマルは、これからもタマに隣にいてほしいと告げ、タマもまた、ずっと一緒にいると答えた。


 その後、聖女セレスティアとカイランが現れ、カルミラとスイウンへ攻撃を仕掛ける。カルミラはカイランへ暗示をかけて逃亡し、スイウンも《狂智》を残したまま、傷ついた《霧幻五指》を連れて森を離れる。


 棲家へ戻ったゲドーマルとタマは、ラグスやセインたちにからかわれながらも、穏やかな時間を過ごす。しかし、冒険者ギルドの食事処でガグンと再会した直後、セレスティアとカイランが彼を魔王として公然と糾弾する。


 ガグンは冒険者たちの意思を操り、セレスティアへ襲いかからせる。ゲドーマルは術の流れを散らし、ラグスやセインたちを解放するが、真の姿を現したガグンの力は圧倒的だった。《残響の楔》も加わって戦うものの、誰も彼を止めることはできない。


 最後にガグンが放った、神眼でも起点を捉えられない一撃によって、ゲドーマルは重傷を負い、タマの腕の中で意識を失う。


 眠りの中でゲドーマルは、かつて山で暮らしたサエとの日々を思い出す。血と泥にまみれた自分の手を、何も恐れずに洗ってくれたこと。共に薬草を摘み、囲炉裏を囲んだこと。


 * 第2章前半までの主な登場人物


 ** ゲドーマル


 黒髪の異国風の男。その正体は、平安の世で鬼神として都に恐れられた存在。人喰い鬼として狩られたが、人を食ったことは一度もない。


 酒を好み、争いを避けようとするが、その内側にはこの世界の魔法体系では測れない力を秘めている。第2章ではアルティシアの護衛として帝国へ向かい、魔王《天網の狂帝》との戦いで重傷を負う。教会で目を覚ました後、自分の眼が届く範囲にいる者を守ると静かに決める。


 ** タマ


 白銀の髪と狐耳を持つ少女。ゲドーマルと行動を共にする冒険者であり、その正体は九尾の妖狐。


 第2章ではヴァンパイアの暗示を受け、ゲドーマルから離れようとするが、アウレオンから受け取った世界樹のポーションによって暗示から解放される。その後、すぐにゲドーマルのもとへ戻り、互いの想いを言葉にした。


 ** イバラキ


 ゲドーマルを「お館様」と呼ぶ鬼の女。異なる世界からゲドーマルの呼び声に応じて現れた、彼の最高の右腕。


 第2章では洞窟棲家の整備を進めながら、ゲドーマルたちの危機に駆けつける。ゲドーマルがタマを大切にしていることを理解し、迷う彼の背中を押してタマのもとへ送り出した。


 ** レオン


 王都リュシアの門番だった男。槍を扱い、現在はゲドーマルたちと行動を共にしている。


 第2章ではアルティシアの護衛として帝国へ向かうが、帰還後にヴァンパイアのカルミラから暗示を受ける。タマたちと共にエルフの国へ向かい、世界樹のポーションによって暗示から解放された。


 ** ドゥール


 ドワーフの魔道具師。ゲドーマルたちの指輪や装備を作り、魔法や魔道具の異常を現実的に見抜く目を持つ。


 第2章では洞窟棲家の整備や装備の製作を進め、帝国で危機に陥ったゲドーマルたちの救援にも加わる。暗示を受けたタマとレオンを救うため、エルフの国へ同行した。


 ** アウル=ヴェイル


 風を操る古竜。普段は少年の姿を取り、ゲドーマルたちの洞窟棲家で暮らしている。


 第2章では帝国との争いを避けるため当初は留守番を命じられていたが、イバラキやドゥールと共に救援へ向かう。本来の竜の姿となり、仲間たちを背に乗せて王国へ帰還させた。


 ** ノクティス


 ゲドーマルやタマたちのそばにいる闇精霊。手のひらほどの小さな姿を持つ。


 言葉は多くないが、危険や周囲の感情の変化に敏感に反応する。洞窟棲家ではアウル=ヴェイルと共に過ごすことも多い。


 ** アルティシア・クラウディア・レグナ


 レグナ王国第一王女。王国を守るために行動してきたが、魔族と通じていたということを実の父親から世間に流される。


 第2章では帝国皇子への輿入れを命じられるが、道中で王国と帝国の双方から命を狙われる。ゲドーマルたちに救われた後は王国へ戻らず、洞窟棲家でゴブリンたちと畑仕事をしながら暮らしている。


 ** リラ・ヴァン・ストライゼン


 元王国近衛騎士団第三団隊長。《緋髪纏雷》の名を持つ雷の使い手。


 第2章では命令ではなく自分の意思でアルティシアの護衛に加わり、帝国で彼女を守るために戦う。その結果、近衛騎士の資格と家名を失うが、王都へ戻った後は冒険者として新たな一歩を踏み出した。


 ** ルキアス・セリウス・レグナ


 レグナ王国第一王子。アルティシアの兄。


 妹が王国の都合によって処分されようとしていることを知り、自らの判断でヴァルクスたち第三団を帝国へ向かわせる。王命に反した責任を問われ、現在は王城の《隔離の円塔》へ閉じ込められている。


 ** ハル


 ルキアス側に立つ第四団近衛騎士隊長。軽い口調と気の抜けた態度を見せるが、情報収集と状況判断に長けている。


 第2章ではゲドーマルたちへアルティシアの護衛依頼を伝え、王城内ではルキアスを支える。隔離の円塔へ入れられたルキアスに、王国で起きた出来事を報告している。


 ** ヴァルクス・エーベルハルト


 王国近衛騎士団第三団団長。重い武具と土の魔法を扱う、リラの上司。


 アルティシアの護衛へ向かうリラを心配しながらも、彼女の選択を認める。後にルキアスの判断を受けて帝国へ救援に向かい、王命違反による謹慎処分を受けた。


 ** ワイス・クラウディア・レグナ


 レグナ王国国王。アルティシアとルキアスの父。


 王国を守るためならば身内であっても切り捨てる冷徹さを持つ。アルティシアを帝国へ送り出した後も、彼女や魔王、ヴァンパイア、聖女など、王国へ災いをもたらす可能性のある者たちの排除を命じている。


 ** グラウ・アイゼン


 王国近衛騎士団第一団団長。王国最強と呼ばれる男。


 第1章ではイバラキに敗れたが、現在も国王ワイスの傍らに仕えている。魔王ガグンを王国にとって計算できない危険な存在として警戒している。


 ** ガグン


 灰色のマントとつばの広い帽子を身につけた魔導士。かつて王国近衛騎士団第一団団長を務めていた。


 その正体は、三人の魔王の一人《天網の狂帝》。人の意思に干渉する力を持ち、すべてを自らの規則に従わせようとしている。冒険者ギルドでゲドーマルやセレスティアたちを圧倒し、ゲドーマルへ瀕死の重傷を負わせた。


 ** セレスティア


 巡道教に属する聖女。穏やかな微笑みを見せる一方、魔族に対しては強い敵意を持つ。


 第2章ではカイランと共にカルミラやスイウンを追い、冒険者ギルドでは魔王ガグンと戦う。敗北した後は教会で治療を受けており、カイランの前では聖女としてではない素の表情を見せる。


 ** カイラン・ブランク


 巡道教に属する聖騎士。風の魔法と剣を扱い、セレスティアと行動を共にしている。


 第2章ではガグンの正体をタマたちへ明かし、カルミラやスイウンとの戦いにも参加する。セレスティアが傷ついた後も、その傍を離れずに支えている。


 ** カルミラ


 黒いドレスを纏ったヴァンパイア。親しげな態度で相手へ近づき、その判断を歪める暗示を使う。


 レオンへ暗示をかけ、ゲドーマルのことも狙っている。森ではゲドーマルの首筋へ牙を立てようとしたが、彼の身体を巡る氣によって弾かれた。セレスティアたちに追い詰められた後、カイランへ暗示を施して逃亡している。


 ** スイウン


 漆黒の角と、深緑を含んだアクアブルーの髪を持つ《羅刹》。巨大な扇《芭蕉扇》を使い、霧と水を操る。


 魔族ミルザに敗れてヤグの研究施設へ連れ去られ、《狂智》によってカルミラを捕らえるよう強制されている。現在もその支配から解放されておらず、五体の《霧幻五指》を従えている。


 ** ミルザ


 深紫の長髪と黄金の瞳を持つ魔族。軽い口調を崩さないが、相手の魔法を無力化する異様な術と武器を使う。


 第2章では大陸南部の谷でスイウンを圧倒し、ヤグの研究施設へ連れ去った。


 ** ヤグ


 魔族側の魔道具師。生物の身体や魔力を数値として観測し、利用価値を判断する冷徹な研究者。


 捕らえたオーガや獣人を使って実験を行い、スイウンと《霧幻五指》へ《狂智》を刻んだ。魔法や魔力の仕組みを解析し、再現することを重視している。


 ** アウレオン


 エルフの冒険者。剣技を主とし、森精霊シルヴァンの力を併せ持つ実力者。


 第1章の終わりにエルフの国へ戻り、第2章では暗示を解く方法を求めて訪れたタマたちと再会する。国内の事情から彼らを迎え入れることはできなかったが、世界樹の葉から作られたポーションと、暗示を防ぐ紐を手渡した。


 ** ラグス


 薄紫の短髪を持つ剣士。セインと共に活動するCランク冒険者。


 北のダンジョンで昇格を目指していたが、仲間を危険に晒さないため途中撤退を選ぶ。冒険者ギルドではガグンに意思を操られるが、ゲドーマルによって解放された。


 ** セイン


 薄茶色の髪を持つ魔法使い。ラグスと共に活動するCランク冒険者。


 明るい口調で場を和ませるが、戦闘では周囲を見ながら補助魔法を使う。ラグスと同じくガグンに操られ、セレスティアへ攻撃を仕掛けるが、ゲドーマルによって正気を取り戻した。


 ** エルヴィナ


 魔王を追う一団《残響の楔》に所属するハイエルフ。アウレオンの姉。


 ゼノン、ルヴィンと共に冒険者ギルドへ現れ、ガグンとの戦いに加わった。


 ** ゼノン


 《残響の楔》に所属する竜人。強靱な肉体と高い戦闘能力を持つ。


 ** ルヴィン


 《残響の楔》に所属する銀狼。



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