332話 時間切れ
このまま短期決戦で仕留められれば良い、まだレイヴが言っていたスキルを使用していないのが気がかりだが長期戦になったら確実に使ってくる。
それに魔力もそんなに残っていないしSランク魔法を連打していたらすぐに無くなる……
「恨ミ妬ム燃ユル焔ッ!」
「極小之終焉!」
「魔法が消え……?!」
短期決戦するなら魔力は惜しみなく使う!
何か魔法にカラクリがあるならそれが発動する前に消滅させれば良い、ネタ潰しだろうが何だろうが今は即断即決!
「本当に癪に障る……! もう良い、本当に殺し……ッチ、時間切れ」
「時間切れ? そんなの知らないけど逃すわけないだろうがッ!」
「無理、それは私が決める事だから。それじゃあくたばれクソガキ」
その瞬間、時間が止まったような違和感と同時に嫉妬の姿が消え失せた。
空間魔法による瞬間移動?いやそれならそんな遠くには行けないはず、それほど高位な魔法だとしたら発動までの時間も長くなる。
それにさっきの違和感、やっぱり前に言っていた自認神が言っていた代行者の介入?
あぁクソ思考がまとまらない、考えることが多すぎる……!
「ッ……いや先に色欲だ。治療の余地はまだある!」
左腕と右足の欠損、固有スキルをまともに使える以前の色欲なら余裕で再生できただろうが今は【吸肉】のストックも少ない。
そんな簡単に治る程度の怪我ならさっさと神聖魔法で治してるだろうし多分相当な痛手なはずだ。
「レイヴ! 色欲の状況は」
「外傷よりひどい。これ魂の欠損よ、多分固有スキルの影響」
色欲の固有スキルって【慈愛の天秤】だったよな、自信に使った支援魔法を相手に倍増して付与するって……
それで無理矢理自分にかけて嫉妬に抗ったのか?
魂の欠損なら鏡花か、くっそ憤怒の拘束してからくるからまだ時間かかるよな……
「【吸肉】は? どうせ再生するなら腕とかなら俺無くなっても平気だぞ。不死性あるし」
「魂の欠損は肉体を入れ替えた程度じゃ治らないわよ? 見た目は治るだけ」
「……ですよね」
根本な解決をするためにはやっぱり魂の治癒、現状それができるのは鏡花だけでその鏡花はまだ辿り着けなくて……
あぁクソどうすれば良い?!
このまま色欲が死んだら相手の思う壺、それでなくても仲間を失うことになる……!
「あはは……流石に飛ばしすぎちゃった……かな?」
「何遺言的なの言ってかっこつけてるんだよ!」
「まぁ好き人の膝の上で死ねるなら良い……かな……? 振られちゃったのが心残り……だけど」
途切れ途切れの言葉を紡ぐ色欲、だから何遺言みたいな事を……!
元敵だとしても今は仲間だ、見殺しには絶対にしないし絶対に助ける。
人で無くなった俺が忘れたらダメな人の心に従え、絶対に助けろ俺……!
「レイヴ、応急処置レベルでいいから止血。俺は全速力で鏡花連れてくるから」
「……本当に応急処置だからね?」
「それで良い」
即断即決、助けると決めたならその瞬間から動き出せ。
今この状況を救えるのは鏡花、次点でエフィナ辺りだがこの2人なら鏡花の方が確率が高いのと近くにいる可能性が高い。
『鏡花! 今どこいる?!』
『蓮兎くん?! び、びっくりしたぁ……今はそっちに向かってるけどどうかしたの?』
『嫉妬との交戦で色欲が重症だ。今すぐに来て欲しい、だから今そっち行く』
『ッ?! 重症……ん? てかこっちに来るってどうやって……』
久しぶりの登場固有スキル【監視者の眼】、これは対象に魔力を付与する事でその場所に自身の視界を確保することができる。
主要メンバーには一応全員にこれを施しているからその視界経由で【天脚】を使えばそっちに擬似的なワープが可能になる。
当たり前だが普段は視界をオフにしているので覗きとかでは無い、断じて違う。
◇◇
蓮兎くんからの通信度切れちゃったし……
そ、それより早く色欲さんのところに急がないとだよね、蓮兎くんがこっちに来るって言ってたけどそんなに早くはつけないだろうし……ん?
なんか上から降って……
「蓮兎くん?!」
「座標設定ミスった……!」




