324話 表彰までが戦い
◇Aランクダンジョン【無森の巨森樹】・中央広場◇
徒歩数分、徒歩と言っても基礎ステータスが高いからかお遊びが感覚で途中にレースを交えたりもしたから一般人からすれば全力疾走よりも速い。
さて、そんな事はさておいてなんで他ギルド達がまだ集まっていないんだ?
この距離ならノエル達の方が早くてもおかしく無いと思うが俺たちが1番乗り?
「弟くん気がついてる?」
「まぁ流石にこんなに気配飛ばされたらな、エフィナ程じゃ無いが感知能力はあるんでね」
微かに揺れる茂みの音、刺すような視線、何人かは俺が感じ取れないほどに気配を隠しているけど他の全員が丸見えなら意味が無い。
さてさてどういたしましょうかね?
「まだ試合中なら殺しても退場なだけで死なないよな?」
最近全然使ってなかった気がするが俺の職業は【錬金術師】、本職は近接戦闘じゃなくて遠隔からの支援な訳なんだよ。
戦闘で使ってなかったとは言っても別に普段から使ってないわけじゃ無い。
練度はもちろん上がってるし出力に関してはオルグス大迷宮の時に比べたら天と地程の差だ。
「錬成構築【地鳴】」
ーービリリリィィィィンッ!
「はぁ?! 何だこれ……ッ」
「近接主体じゃ無いのかよ……!」
魔法陣のように展開された錬成、それは地を抉り鳴り轟かせながら隠れていた大勢を全てを文字通り捻り潰す。
もちろん避けれる奴らは避けてるが空中に逃げたんならそれはもうシルヴィアの間合いである。
「表彰台に辿り着くまでが戦い、意地悪なこと考えるよなまったく」
「でも良いじゃん! 早速リベンジ果たさせてもらおうか!」
「今俺は錬成を使いたい気分なんだ。皮膚錬成して剥がしちまうぞ?」
俺たち【ツクヨミ】の勝利条件は俺が表彰台にたどり着く事ただ1つだ。
敗北条件はもちろん俺がやられる事、パーティメンバーは最悪退場しても今更と言う話もあるがそれでも退場はできるだけ避けたい。
「命令する。死ぬな、生き残って完全勝利を目指すぞ!」
「じゃあ私も命令! 全員倒して私らが1位になっちゃおう!」
「ボクも命令、楽しく暴れよう」
「命令だ。全てを屠り俺に、アイアンメイデンに勝利を!」
「え?! え、えっと蓮兎さん達の支援を!」
各ギルドが命令を下す中、責任感から勝つのをすでに勝利を諦めている佐伯は【勇者の集い】に俺たちの支援を命じた。
簡単に言えば【魔導研究会】【六花】【アイアンメイデン】VS【ツクヨミ】【勇者の集い】ってわけだ。
「錬成構築ッ!」




