322話 情報屋
普通に考えたら俺が倒されたら終わりなんだからあと30分戦わずに耐久安定……
「暴風穿風Ⅱ」
「唸り穿つ熱界雷」
唸る暴風と唸る雷鳴、ノータイムで放たれたそれはうるさく派手に戦いが開幕した。
「まぁ蓮兎ならそりゃ乗ってくれるよね!」
「勝てる戦いだから乗ってんだよ! こっちはギルド全員揃ってんぞ?!」
シルヴィアは扉が吹き飛ばされたと同時に【隠密】を発動させ、気配を消した。
つまりこっちには狙撃手もアタッカーも後方支援もより取り見取り、相手は魔術師1人なんて余裕だろ?
『近接で負けてたくせに』
『うるせぇ』
でも実際ルノアの近接攻撃は洒落にならない程に強い、何だよ魔法を極めてるんだからバフ魔法も極めてるから近接強い理論。
あれ狡くね?まぁ俺も後衛職だけども。
「ルノア〜! 私に会いにきてくれたのかなッ!」
「やぁエフィナ! いきなり剣で斬りつけてくるのは友人としてどうなの?」
「私たちの仲だし普通でしょ?」
ーーギィィィィン
聖剣と魔法で作り出された剣の鍔迫り合い、両者のステータスだけを見れば勝つのは圧倒的にエフィナだ。
だがその極められた強化魔法によりルノアとエフィナの剣は拮抗、だが──
「ッ……!」
「流石に勇者に剣術で勝つのは無理じゃな〜い?」
技術で優っているのは圧倒的にエフィナ、力が拮抗していたところで最終的に勝るのは技術だ。
その上エフィナには鏡花の使用したバフ魔法もあり、その力は底上げされている。
「俺を無視かよルノア!」
「流石にそれ無理降参〜」
「……は?」
急にその場に座り込んだルノア、いや……は?
扉ぶち破って1人で突撃して来たのに即降参……
「……何しにきたんだよ」
「ん〜? 普通に遊びにきたよ? 残り数十分なのに戦う戦闘狂じゃ無いからね〜」
自分で椅子を取り出しそこに座り出すルノア、普通にラミアも紅茶と茶菓子出してるけどこれ俺がおかしい?
「本当にお茶しに来ただけなのか?」
「ん〜? 一応勇者くんに聞きたいことがあるっちゃあるけど今気絶してるんでしょ?」
「勇者に? どうかしたのか?」
「勇者くんと同じ気配の悪魔と昔会ったことがあってね〜、その事実確認かな?」
勇者と同じ気配の悪魔、それって嫉妬の事だよな?
それに会ったことがあるって多分相当昔、エフィナも会った事があるのだろうか?
戦ったことがあるなら嫉妬のスキル構成が明らかになるの可能性も……
「多分思ってるような情報はあげれないと思うよ? 戦っても無いしエフィナも知らない。ここ1年くらいの話だからね、ただ禍々しい気配を感じたって話だよ」
「実際に会ったわけじゃ無いのか?」
「ん〜、たまたま依頼で行ったダンジョンの奥に同じ気配がね。確かあの奥は冥府の大地に続く入り口があるんじゃなかった?」
え、冥府の大地ってそんなラフに行ける感じの場所なのか……?
想像では地獄的な立ち位置で死者しか行けない的なそんなのを想像してたんだけど普通に入り口とかあるんだ。
まぁ考えてみれば憤怒が冥府の扉とかそんな魔法使ってたし割と普通……?
教えて暴食先生〜
『ッチ、やっぱ俺を便利屋扱いしてんだろ?!』
『まぁまぁ別に良いじゃん?』
『はぁ……冥府の大地に行けるのは地上からだと【黒薔薇の庭園跡】にある大穴と【精霊樹の森】の神樹から行けるな。てか自分で調べろ』
【精霊樹の森】って確か精霊がいるから全員加護持ち作戦とか言ってたよな……
もう一つの場所は聞いたこと無いが明らかにボスがいそうな名前してるけど絶対にSランクとかだよな?
『冥府の大地に行けるダンジョンなんてSランクに決まってるだろうが何言ってんだ』
『……ですよね』




