319話 闇堕ち
渦巻く怨念に黒い魔力、それに微かに感じる大罪の気配、おいおい勇者様の名前が廃るぞ?
勇者が闇堕ちとかまぁ王道展開ではあるが……
「俺は、俺は勇者……悪しき悪魔に制裁を……!」
「また決めつけから……いやまぁ今はなんか毒されてるし許してやるよ」
黒い魔力が出てくる前よりも明らかに気配がでかい。
元々持っていた白い魔力との混合、また黒魔法と白魔法両刀出現か?
『今そっち向かってるんだけど何かあった? すんごい禍々しい気配するけど?』
『勇者の乱心』
『すごい簡潔だね?!』
エフィナには多分これだけで伝わるだろうし駆けつけるのも速い、相手は俺と相性最悪の神聖魔法を使ってくる勇者、さっちまでボコしてたからって油断はならない。
「ほら、剣抜けよ。俺を殺すんだろ?」
「燃エ移ル嫉妬」
「ッ! 早速攻撃マジすか……!」
ーーギュアァァァ!
勇者の剣から放たれた紫色の炎、それは魂の叫びのような音を鳴らしながらこちらに突っ込んでくる。
黒魔法と炎魔法の複合魔法、本当にこいつ今黒魔法に目覚めた闇堕ち系勇者か?
「なぁいつから黒魔法使えた」
「ッ……黙れ! お前に教える筋合いは無いッ! 朽ちる捨てる栄冠!」
「ッチ、また黒魔法混じりかよ……!」
今度は【栄冠の神殿】を元にした黒魔法混じり……!
元々のアンデット系を封印、弱体化する効果に上乗せして体が勝手に朽ちて行きやがるこれ腐食か?!
混沌魔法とはまた違う白魔法と黒魔法の複合……!
「さっきより明らかに強いよな、マジでいつから使えたその力!」
「これは……これは俺の力、お前の与えられた力とは違う!」
ダメだ話が通じないこの感覚、そこは堕ちても変わらないのな。
ならこっちにも作戦はあるんだ、ちょっと痛いだろうがそのくらい我慢してもらわないと困る。
実は俺が結構気に入ってる魔法、それじゃあ閉じろ。
「死んでくれるなよ? 循環する死」
「なッ?! こ、これは……!」
ーーガチャンッ
出現した死の廻る棺は勇者を捕え、それを鎖で更なる強固な拘束を施し完全に捕らえる。
棺の中では絶えず苦しみを与えられ、最後には最悪な死を相手に与える元黒魔法の現混沌魔法。
「さぁて、それに耐えられるか見ものだな」




