317話 戯れ
聖弓は三首の番人の中央の首を穿ち抜いた。
地獄の門番だろうと首を失う事は手痛い打撃、それに相性最悪の神聖魔法による攻撃だ。
「ほらほらワンちゃんどうしたの? まだ動けるでしょ!」
「「ガルル……!」」
「あれれ、1匹分声無くなっちゃったね」
ペットにしたいって言っても相手はSランク最上位クラス、手加減してたら私が怪我しちゃうもんね。
誰であろうと慎重に、そして徹底的に、元勇者として駄犬の調教なんて楽勝だよ!
「「ワォォォン!」」
「ッ……! 犬系の魔物って叫ばないと死んじゃうとか何かなの?」
鼓膜が張り裂けるような痛み、てかこれ多分本当に鼓膜破けてるよねぇ……
左耳が全く聞こえない、神聖魔法なら治せるけど戦闘中の治癒はあんまり好きじゃ無いっていうか治療が雑になるから避けたいんだよね。
なら悪化する前にお座りさせちゃおっか。
「弟くん直伝原初の黒!」
「「ワオンッ?!」」
「さっき神聖魔法使ってた相手が何で黒魔法使えるのかって顔してるよ? 答えは簡単、私幽者だもん♪」
残りの首に魔法で作り出した杭を突き刺す。
神聖魔法使ってるししばらくは動けないでしょ、死んでそうに見えるけど前に戦った三首の番人はこれに加えて心臓に突き刺しても生きてた。
冥府の大地から生まれる魔物の耐久力バグってるよね本当。
「5分程度で終わったかな? ちょっとお高いカップラーメンくらいの時間だね! 私の時代には無いから味は知らないけど」
ーーパチンッ
雑談交えながら指を鳴らす。
その瞬間に空間は裂け、結界は崩れ落ちて元の空間に戻ってくる。
◇◇
結界の外にあったのは憤怒が暴食に首を絞められ、そろそろ意識を手放す様子だ。
「……何してんの? プロレス?」
「お帰りなさいエフィナさん。今は……何中と言えば良いんでしょうねこれ」
苦笑するエチルちゃん、いや本当に私がワンちゃんと戯れてる間に何があったらこんなことになるのさ。
私の記憶が正しければほんの5分前までガチ対戦やってたと思うんだけどなぁ?




