316話 冥府の門番
「へ? は?! い、いや別に!」
「はい隙ッ!」
「す、好き?!」
混乱中の憤怒の背後に周り、蹴りによる追撃を行う暴食。
それを許した憤怒は大きく吹き飛ばされ、その先には盾を構える【魁蕾】だ。
「三度目の正直だッ!」
「だから無駄……ッ?!」
ーーガァァンッ
再び放たれたシールドバッシュは今度は死霊に阻まれることは無く、そのまま憤怒の顔面に向けて撃たれた。
「かはッ……! 中和……何でそんなに出力高いのさ」
「何故と言われましても、今私たちが不利な状況だからとしか」
憤怒はエチルのオリジナル魔法【無冠の帝王】の存在を知らない。
その説明だけで理解するには至難を極める、だがそんな事を気にしないエフィナは更なる追撃を求める。
「開け、冥府の扉・三首の番人」
ーーギィィィィ……
エフィナと憤怒の間に阻まれるように出現したそれは扉だった。
扉の繋がる先は冥府の大地、やがて扉はゆっくりと開き、紫色の炎を溢れさせながら巨大な狼が顕現する。
等級はもちろんSであり神々との大戦時代にも何頭も駆り出された冥府の門番。
「それマジ……? 私もちゃんと見たとは大昔の1回だけだよ?」
「そうか? 俺は何回もあるけどな」
「そりゃ大戦当事者ですらね……」
魂を喰らう巨狼、それは良質な魂を持つものを優先的に狙い、その標的は真っ先にエフィナに向けられた。
オルグス大迷宮20層ボスであった堕ちた巨狼はスキルを使って【縮地】を使用していたがこの巨狼は素の身体能力でそれを可能にした。
「「「グワァンッ!」」」
「私かぁ、じゃあお姉さんと2人きりになろっかワンちゃん!
◇◇
「さぁてワンちゃん、どう? 私の結界」
外部との連絡を全て断ち切り、空間すら拒絶、この空間内は私の自由で全てが決まる。
つまり領域展……あれ、やめた方がいいかなこれ?
まぁ良いか!女の子と戯れるのも良いけど動物も可愛いし良いよね〜
「可愛い……まぁ君はかっこいい寄りだけどね」
「「「グルルル……ッ」」」
「3つ首があるの凄いよね、歯を磨くの大変そう! 私が磨いてあげようか?」
最近ペットが欲しいと思ってたんだよね、この子って時間経過で帰っちゃったりしないよね?
帰らないなら是非ペットにしたいよね〜
名前は何にしようかな〜、頭毎に色が赤、緑、紫色で別れてるしどうしようか?
「ほらワンちゃん枝射ってあげるよ!」
ーーキュゥンッ
聖弓が放たれ、それは巨狼の中央頭を貫いた。




