313話 強い者いじめ
◇◇
「えっと……暴食さんだっけ?」
「ッチ、よりにもよってお前らかよ」
ノエルとか言うガキは別に問題じゃ無い。
厄介なのはあのエチルとか言う神聖魔法使い、どう足掻いても今の俺の出力だけじゃ押し負ける。
ここら辺の死霊が一気に殲滅されたと思って来たらこれかよ。
「で、どうする? 交戦すんのかしないのか」
「う〜ん……どうしよっか?」
「……何故私に判断仰ぐのです? ギルドマスターはノエル、貴女なのに」
この場にいるのはノエルとエチルだけ、周囲に他2人の気配は無いし別の場所にいるんだろう。
あのウォルフとか言う雑魚が良かったがまぁそれだと面白く無い、さぁてそろそろ不意打ちでもするか?
「それではノエル、ここは私に任せてくれませんか?」
「は?」
「え、良いの? ありがとう」
「は? おい待て待て」
「ええ、それでは行ってらっしゃい」
おいおいこいつらマジか、一回俺に勝ってるからって舐めプして勝とうって言ってるわけだよな今?
俺今舐められてるよな完全に、タイマンで勝てると確信してるから舐めプしてんだよな?
「さて、一対一ですね」
「なぁお前舐めてるよな、流石にタイマンで勝てると舐められてるよな?」
「そんな事はありませんよ? 貴女1人に時間使っていたらポイントが稼げませんので」
ほうぼうあくまで作戦、俺1人に時間をかけていたら他を殺してポイントが稼げないから、だとしても。
だもしても俺のプライドが許さなくてなぁ?
「よし壊そう。一旦全部」
「あら手荒な真似をするんですね。Sランクギルドの誇りとか無いのですか?」
「無いな。勝手にあいつがやってるだけだしなッ!」
ーージュワァァァッ
拳に【凶華月蝕】を固めて腐食の鎧を形成、触れたものはその瞬間から腐食され、体を蝕まれる。
もちろん前戦った時にこいつには無効化されるなんて事分かってる、だがそれでもこいつは腐食を中和してる間は無防備になるッ!
「本当にそれが好きですね……!」
「かっこいいだろう? お気に入りのスキルだッ」
無防備な相手に蹴り蹴り蹴り!
やっぱ悪魔はこうで無いとダメだよなぁ!
力に溺れ、弱いものいじめをするザ・古来の悪魔の姿、今じゃ世間を気にするようになったやつらもいるがたまには発散大事っつうことでセーフだよな!
「無冠の帝王」
「あ?」
次に蹴りを入れようたした瞬間、俺の足が根本から吹き飛び、血飛沫が舞った。
待て待て何が起きた今、確かに俺は今優勢だった、確かにちょっと油断したかもしれないがほんの少しだぞ?!
何が、何が起きた今……?!
「相手が圧倒的な有利になった瞬間に発動可能なSランクオリジナル魔法【無冠の帝王】、中々に使えますね」
「負け前提のスキルとか笑えるじゃんか」
「あらそうですか? 今会話で再生の時間を稼ごうとしている貴女が言える事では無いと思うけど」
確かに今は簡単な補助を固有スキルで施し、その足の治療に全力を尽くしている。
だが流石に神聖属性、悪魔の俺と相性が最悪で治りが遅い。
そしてこいつの神経を逆撫でするような言動……
「俺やっぱお前のこと嫌いだわ」
「あらそうですか? 残念ですね」




