299話 甘味は至福、お財布は苦痛
明日はついに始まる対抗戦本戦、今日のうちに英気を養いたいわけだが何をすれば良いか分からない。
趣味の武器制作は最近したばっかだし飯といっても毎日ありがたいことに美味しいご飯を食べられている。
模擬戦……は体を養うためなのに争ってては意味が無い。
「……暇」
あのハイペース&早朝から始まった個人戦とは言っても夜にはなるだろうと思ったのに不戦勝が多かったり瞬殺が多かったからな。
思ってたよりも時間が余ってしまったわけだ。
まだ夕ご飯には時間があるし……
つまり完全フリーとなった。
「暇そうだね弟くん! お姉ちゃんが遊んであげようか?」
「ん……? あぁエフィナか、鏡花とシルヴィアと一緒に買い物じゃなかったのか?」
急に女子会とか言いながら鏡花とシルヴィアを半ば強制的に連れて行った本人のくせに何故ここにいる?
まだ1時間も経って無いと思うんだが。
「ん〜あっちも楽しかったよ? でも弟くんが暇してるから助けてあげようとね……!」
「本当は?」
「……お金忘れちゃって取りに戻ってきた」
そんな事だろうと思ったさ、てか出発から1時間程経ってから財布を忘れたことに気がつくってどんだけ鈍感なんだこいつ?
まさか2人に全部奢らせてたり……?
「ま、まぁ別に良いじゃん! ほら暇なら弟くんも行こうよ! なんか女子会じゃ無くて普通に買い物だし!」
「え、は? いや別に俺は良いって!」
「暇なんでしょ〜? お姉ちゃんに付き合いなさいって!」
その後俺も半ば強制的に連行された。
考えても見てくれ、女子3人に男子1人で全員俺のギルド所属、他の人から見たら何あいつ調子乗ってんの状態だかんね?
◇王都セイクリッド・とある甘味処◇
「あ、蓮兎くんこっちこっち!」
「ん? あぁようやく来たのか。こっちだマスター」
半ば強制的に連れてこられて急にって割には準備が整いすぎてると思うのだが気のせいだろうか?
なんか俺のパンケーキも勝手に注文されてるし。
……ん?!その世界パンケーキとかあったの?!
いやまぁ米があるんだしあっても不思議無い……こか?
「えへへ凄いでしょ! 結構探して見つけたんだ〜」
「探して見つかるものなんだな……」
生クリームと様々なフルーツにたっぷりの蜂蜜、砂糖って結構な高級品だったと思うんだが生クリームと蜂蜜に大量に使って良いのだろうか?
お値段を見るのが怖い。でもそれ以上に食欲が湧いて出てくるんだ。
「炭酸とかもあるんだよ! バニラアイス乗ってるやつ!」
「マジで?! なんでもあるじゃん」
「お値段は……ね?」
その意味深な鏡花の言葉、分かっていた。
わかっていたけど高いに決まっているこんなの、たった日本でもこんなちゃんとしたパンケーキにコーラフロートとか頼んでみろよ。
カフェって結構高いんだからな!
「まぁ英気を養う目的なわけだし気にしないで良いだろ! 奢るよ」
「本当?! ありがとう蓮兎くん!」
「流石マスターだな」
「弟くん太っ腹〜」
あれ、俺ってもしかしてこのために呼ばれたのかな。
最近モチベ無さすぎてやばい




