298話 千鬼夜行
前々から考えていた作戦、初戦はまぁまぁのギリギリ通過となってしまったが本命の対抗戦でがっぽりポイントを稼げばいい。
対抗戦のルールはモンスターのいない広い森で行われ、プレイヤーとなるギルドメンバー全員で行われる。
そしてギルドメンバーを全滅、またはギルドマスターを退場させればそのギルドが所有するポイントを根こそぎ奪える、最後に1番ポイント保持数が高いギルドが勝利だ。
「つまり俺たちが狙うのは漁夫の利一択だな」
「ちょっとずるいかがするけど……少人数ギルドだからそれしか無いよね」
鏡花の言った通り俺たちは合計戦力に数えないラミアとルッタを含めて8人、いやラミアはもう戦力に数えていいのかな?
まぁ良い、8人というのはSランクギルドにしては結構異例、【六花】も少人数だがな。
【魁蕾】のギルド【アイアンメイデン】は総勢70何人とかの超大型ギルド、ルノアの【魔導研究会】とか言うギルドも80人ちょいの大型ギルドだ。
名前もうちょっと無かったのだろうかルノア、本当に軽い気持ちで作ったギルドなんだろうが……
「前にも言ったが今回の作戦の要はアルトだ。まぁこの場にはまだいないが」
作戦自体は至って簡単だ。俺の固有スキル【百妖夜行】と暴食の固有スキル【創兵】、
あとなんかついでに獲得した憤怒の固有スキル【有象無象】、超簡単に言えば俺の【百妖夜行】の上位互換スキルを使って馬鹿みたいに兵を作り出す。
本人と模倣品を合わせれば質より量作戦を実行可能、どさくさに紛れてギルマスの首取っちゃお〜作戦である。
「数で攻めるのはあんましお姉さん好きじゃ無いんだけど弟くんが言うならしょうがないね! うんうん、聞き分けがいいお姉ちゃんでよかった良かった」
「何か浸ってるところ悪いがエフィナと暴食には単独行動をしてもらうぞ? 遊撃部隊的な」
万が一、いや結構な確率で数の利を警戒したSランク組3人の誰か、もしくは全員が大元である俺を叩きに来る。
その場合を防ぐために暴食とエフィナには大型ギルド達に凸ってヘイトを稼いでもらいたい。
「え〜弟君と行動できないの〜?」
「……信頼してるからの事だ。やってくれるか?」
「信頼……! お姉ちゃんに任せなさい!」
えっへんと胸を張るエフィナ、マジで単純だよな……
これで最強なんだから世界は何が起こるかわからないよな、さすが異世界って感じなのだろうか。
「シルヴィアは狙撃、鏡花はバフ巻き&メインアタッカーを頼みたい」
「了解した」
「任せて!」
ーーくいっくい
「私は?! 私も何かしたいよ!」
俺の服を掴んで自信をアピールしているラミア、確かにこの作戦を考えついた時はまだラミアが戦えると判明していなかったから作戦に組み込んで無いんだよな……
機動力と小柄な身長、思考能力を考えてラミアにぴったりな仕事は……
「じゃあラミアに偵察を頼もうかな。何か分かったら念話に皆に共有してほしい」
「ていさつ……? それって重要なお仕事?」
「重要だぞ? 戦いは情報を制した方が勝つ。その情報を仕入れる係は大切だ」
実際はエフィナの固有スキル【森羅万象】で大体はどうにかなりそうではあるが、暗殺も少し頼もうか?
まぁ実際に目で見た方が分かることが何かあるかもしれないからな。
「偵察……! 分かった! 私頑張る!」
「頼んだぞ」
ラミアの頭を撫でながら簡易的な会議は幕を終えた。
それにちょうどアルトも試合を見終わって帰ってくるらしいし情報の共有にはうってつけ、あとは【魁蕾】のスキル考察とかもしておこうか?




