294話 神隠し
憤怒が退席した後、俺たちも頼んだものを食べてから闘技場に戻ることになった。
鏡花は試合も控えてるし英気を養うのはこのくらいで十分、あとは頑張ってもらうだけだ。
「副マスターの試合相手って誰でしたっけ?」
「ノエルだよ」
「ノエルってあのノエルさんん! ルノアさんは出てないからてっきり……」
ルノアはギルドメンバーだけに参加させて自分は温存、俺達と同じタイプだな。
そしてノエルは自分とエチル、ウォルフを出場させていた。
まぁウォルフは初戦敗退だったらしいけど、俺はそこのシーンを見ていないのでセーフ(?)だ。
「てかさ、エフィナとかどこ行ったわけ」
「……確かに? シルヴィアさんとラミアさんは出場者側の観客席からの観戦、暴食さんは引き続き食べ歩き……確かにエフィナさんどこに行ったんでしょうか?」
エフィナの事だから何か良からぬことをしてきたりしないだろうか、めちゃ不安なんだが?
よく言えば天真爛漫、悪く言えば破天荒な性格だからなあいつ。
まぁ流石にやらかしては……
『やっほ〜! これ念話できてるよね? まぁいいや! 今美穂ちゃんだっけ? その子に会いにきててさ〜』
……既になんか1人で勇者の控え室に凸ってる子いるんだけど気のせいかな、まず参加者って意味無くそっち側行くのってダメだよね?
『ちょっとお話ししたらそっち行くね〜』
『は? いやそのまま戻って──』
◇◇
「よ〜し念話終わり!」
「……平気なんですか? なんか蓮兎さんの声が聞こえたような……」
「念話だよ? 気のせい気のせい!」
なんか最後に言ってた気がしなくも無いけどきっと気のせいだよ!
弟くんが姉に反論するなんて3年くらい早いのです!
「いや〜待たせてごめんね! それでなんの話だっけ?」
「貴女が急に入ってきて私と家族だったりする? とか聞いてきたんじゃないですか……」
あ〜そうだったそうだった。私の日本名と同じ苗字で同じ勇者、何かあるのかな〜って気になってきたやだった。
まだ説明もしてなかったっけ?うっかりさんだね私。
「私の日本名が佐伯美奈って名前でさ〜、苗字同じだし勇者だし何かあるんじゃ?!って」
「佐伯美奈……聞いたことがあります。昔に神隠しにあった人がいたって、そこから何世代かに渡って点々と神隠しに……」
「やっぱ神隠しのやつってまだあるんだ。私の時もお母さんによく言われたな〜、寝る前とか」
私が死んだのが1000年前くらいだっけ、そこから考えれば私の後続達は10人くらいいたりするのかな?
その中の全員が佐伯家ってわけじゃ無いだろうけどやっぱり怪しいっちゃ怪しいよね〜
代行者だっけ、あの変態は私の体を欲してたし関係があったり?
それともただ変態なだけだったり?
「やっぱり私と同じ家系って事かな! 家族じゃん私たち! いや〜妹も出来ちゃったよ〜」
「私が妹?! 遠慮願いたいが……」
「妹が姉に逆らうなんて5年くらい早いのです!」




