293話 お金は大事に
「スキルの模倣、そんな面白いことが出来る者がいたなんてな」
暴食もエフィナも驚いてた雰囲気あるし昔にはいなかった職業なのだろうか【複製師】は?
結構ラノベとかだとコピー系って主人公とかが持つ最強スキルって感じだけどこの世界の印象は逆、今更ながらに驚いている。
「まぁ複製師って冒険者なる人少ないですもんね……他者のスキルを矢継ぎ早に切り替えて使うのって結構難しいんですよ」
「他者のスキルを矢継ぎ早に……それって暴食にも当てはまるのではないか?」
「……あ? 俺かよ」
確かに言われてみれば【暴食】で奪った固有スキル達も元々は他者のスキル、なのに今は自分の慣れ親しんだスキルとして普通に併用が可能だ。
何か違う点があるのだろうか?
「俺のは強奪、アルトのは模倣だ。スキルの所有権が相手にあるか自分にあるかで変わるぞ」
「スキルの所有権……?」
模倣で獲得したスキルの所有権は模倣元のオリジナルにあるが【暴食】で獲得したスキルはオリジナルを殺して奪ってるわけだからオリジナルが自身に適応、だから自由自在に使えるってことか……?
でも強欲は死んだが【強欲】のスキルの所有権はアルトには無い。
死んだ強欲が所有権ごと持っていった?
そこらへんはややこしいな。
「所有権……? 強奪……? 模倣……? 私にもわかるように説明しろ暴食!」
「はぁ……バカにも分かるよに言えば俺が奪っててアルトはスキルを借りてるだけって感じだ。分かったからバカ」
「ッ! 分かった! だが私はバカでは無い!」
頭に手を当てて面倒だと言わんばかりに簡素に説明をする暴食、なんやかんやちゃんと言ってくれるし優しいところあるよな。
一言余計だけど。あと憤怒は間違いなくバカである。
「ラースお姉ちゃん! お姉ちゃんがまた増えちゃったよ私!」
「ッ?! な、なんだこの子供……本当に人間か……? 天使では無いのか……?」
「それに関しては同意」
ラミアは可愛いってのは悪魔だろうが大罪だろうが人間だろうがみんな共通なのね。
俺もそう思う。
「てかお前ずっとここにいていいのかよ。明日の対抗戦でなんかやるんだろ」
「ッ! 確かにそうだ。それじゃあ私はこれで失礼を……」
「その前に奢れよ、な?」
ニコニコと、いや目は笑っていないがニコニコとしながら憤怒の方に手を乗せ、無言の圧で結局奢らせることになった。
「うぅ……人間界の貨幣はあまり持っていないのに……鬼だ……」
「俺悪魔だけどな」
「対抗戦の賞金で稼ぐ……!」
何か言っているが乱入者になるならお前は賞金獲得できないだろう、とツッコミを憤怒に言おうとしたがやめておこう。




