290話 剣の鎧
流れ出る鮮血を使ってさらに上質な銃弾を作る……!
今の弾丸じゃ耳を抉るのがやっとの程度、耳を穿っても退場させられるわけじゃ無い。
だが確実に与えた初めてのダメージ、こっから畳み掛ける!
「戦弓よ貫け」
「愛銃よ穿て」
ーーバァンッッ
弓矢に対抗するのは銃弾、銃弾と拮抗してギリギリこっちが突破できるレベルの弓ってどうなってるんだ?
文明の力をちゃんと感じてもらいたい。
「……!」
「良い加減お前はうざいッ!」
マスターは【天脚】の固有スキルを使って威力を増幅している蹴りだが私も【火薬媒体】の爆発を使えばそれに準ずる威力は出せる。
自傷があるのはそうだが今さらそんなの気にしてはいられない、最低限治してあとは武器として使うまでだ。
「非礼を詫びよう。そこそこやるようだな」
「私もこんなに健闘できてることに驚いだよ、Sランクとはこんなものか?」
行けるのかこのまま、もしかしたらもしかしてワンチャンあるのか?
突破できないと諦めて情報収集に専念したこの戦いで、私自身が勝ち星を上げる事が……
「だからもう一度詫びよう。本気を出さなかったことを」
ーーガシャガン
壊したはずの鎧が動いた……?
確かに核は破壊、自力で動くなど不可能なはず……
「ッチ、マニュアル操作も可能ってことか」
破損した鎧が一箇所に集まり合体、それは指が剣ででき、足は大盾が蜘蛛足のように連なり、鎧が集まった装甲の体を持つ無機物兵器の姿。
一つ一つの武具は支給された効果の無い頑丈なだけなAランク品、されど使い手がSランクともなれば武具の力を引き出しその頑丈さに拍車がかかる。
成人男性5人分程の身長を持つそれは威圧感だけで言っても優にSランクモンスターを超えていた。
「幾重にも重なった武具の数々、これをマニュアル操作など気が遠くなるな」
たまらず私も苦笑い、双玉の操作だけでも今はままならない状態なのにこれ程の数を操作、固有スキルを使っているとは言っても格が違う。
やはりSランク冒険者はマスターも含めて全員化け物なのだな、確かにこれならマスターが今のところ最弱と言われても合点がつく。
「降参するなら今だぞ?」
「いいや、己の限界に挑むとするさ」
私は片手に短剣、もう片方の手にハンドガンを構え双玉も左右に待機、固有スキルもガンガンに使って魔法での自己強化も施す。
正真正銘今の私にできる最高峰、どこまで耐えられるか見ものだな。
◇◇
「激戦を制したのはSランク冒険者【魁蕾】! 惜しくもシルヴィア・エール選手は惜しくも敗退です……!」
知っていたがあの後ボロ負け、ジリ貧で負けるのは分かっていたがまさかそのまま正面から負けるとは思っていなかった。
いや、流石にあの巨体を相手にするのは酷だったか?
「次は勝つからな」
「対抗戦でも捻り潰してやるから安心しろ」
そう言い残し魁蕾は退場した。最初からずっとうざいやつではあったか実力は確かだ。
あとは副マスターにでも任せるとしよう。
次の試合は確かラミアと佐伯とかいう勇者だったか?




