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285話 控え室の様子

◇◇


「2回戦目の勝利を収めたのはネーミア・エクス選手! 勇者の意地を見せたコウキ選手は惜しくも敗退です!」

「何で……俺が……」


あの後勇者は善戦したがあと1歩届かずそのままネーミアの速度と火力、運に敗北した。

同じ新星ときて期待されていた同士、スキルの純粋な強さなら稀山きやまだが技量と経験で圧倒的に負けている。

前々から思っていたが勇者って弱い?


「さぁまだまだ行きましょう! 続く第3回戦は──」


次は知らない奴同士の戦いだしそれを見るよりも控え室にいるラミア達に少し会いに行こうかな。

関係者なら入れるんだったよな?


「ちょっと席外すぞ」

「了解しましたマスター! 僕はしっかり見て学んでます……!」


勉強熱心なのはいい事だ。さっきから戦いを観察してはメモ書きしてたりするし流石伸び代が1番あるだけあるな。


◇選手控え室・ギルド【ツクヨミ】◇


「お兄ちゃん! ねぇ見てた? 私頑張ったよ!」


控え室の扉を開けると同時にラミアがあるの胸元目掛けて飛び出してきた。

それを見事にキャッチした俺はラミアの笑顔を拝む。


「ちゃんと見てたぞ? Aランク相手によくやったじゃないか!」

「うん! 私頑張った!」


正直ラミアを見くびっていたわけじゃ無い。

だが初戦の相手がAランクだと分かって無意識にラミアの負けを確信していた、だが実際の試合は白熱しギリギリだったが勝利をもぎ取った。

娘の成長を感じる親ってこんな感じなのかな、すげぇ誇らしいんだけど?


「第四試合は鏡花だったか? 相手は……誰だっけ」

「Sランクギルド【アイアンメイデン】の人だったかな? シルヴィアちゃんも確かそうだよね」


あぁそうだそうだ思い出した。鏡花の対戦相手は【アイアンメイデン】のギルドメンバー、そして鏡花がそれの副マスターだったか?

順調に勝ち進めればシルヴィアは【魁蕾】とも当たるしSランクと戦うことになるのか。


「アイアンメイデンって防御特化の人が集まってるところだよね? 大丈夫かなぁ」

「鏡花なら平気だろ。神聖魔法の火力バグりすぎだし」


前も言ったが固有スキル補正、称号補正、職業補正、種族補正のあるSランク魔法の威力は洒落にならない。

ちゃんとガードしても本気の一撃なら俺は余裕で消し飛ばせられる気がする。


「問題は私だろうな。鎧相手には銃が効かずらい」

「雷ドカーンしちゃおうよ! あれかっこよかった!」

「できればそれは最後の最後まで隠しておきたいのだが……しょうがないか?」


鏡花にも共通する事だが秘技は最後の最後まで温存をして欲しいと頼んである。

もし使わないで勝てるなら対抗戦での有利を取れるしそれじゃあ無いにしても個人戦で初見殺しが可能となるからだ。

やっぱり俺も参加すれば……いや憤怒ラースに見られているかもしれないんだし手札を必要以上に晒すのは……でもやっぱり出たかった。


『今憤怒(ラース)を発見した』

『は?』


え、今さらっと暴食グラフェルすんごい事あったよね今、憤怒ラースを発見したとかマジで言ってる?

全然俺は気配感じないんだが……

軽くショックなんだが?まぁ良い、とりあいずこれは鏡花達には伝えないで試合に専念してもらおう。


「じゃあ俺はそろそろ戻るよ。第四試合頑張れよ」

「うん! 任せといてよ!……やっぱり生温い目で見守ってて」

「うん分かった超期待してる」


それを言い残し控え室を後に、さてどうしようか。

暴食グラフェルの方に行って加勢、いやまず戦っているのか怪しいところではあるが……

元々鏡花と暴食グラフェルでやる手筈だったが今鏡花は手が離せない。

なら俺が、いや何かあったらまた連絡してくるだろうし何があっても【天脚】なら即駆けつけられる。

今は信じて鏡花の試合でも見ておくとしよう。

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