271話 試作品の実力
俺がシルヴィアに作り与えた超電磁砲専用銃はまだ試作段階であり撃つためには大きな溜め時間と撃った後の長い冷却期間を要する。
その代わり軽量化には成功しており魔法で電気を流せる分発射機構と電磁加速をする機構だけで済むからだ。
そしてそれは試作品だろうとシルヴィアの固有スキル【疾弾迅雷】とSランク雷魔法が合わさればそれはAランクダンジョンだろうが屠る事が可能になる。
「マジでやりやがった……!」
咄嗟に錬成を発動、俺も同じくアルトも俺のスキルを模倣して錬成を使い天井を錬成し硬化させる。
鏡花とエフィナは神聖魔法で結界を張り生き埋めを阻止、ここまでしてやっとダンジョンの崩壊を阻止することができた。
「お、レベルが上がったな。でもやはりまだ溜め時間が問題か」
「冷静に分析すんなしッ! シルヴィアお前ワンチャン全員生き埋めだったんだぞ?!」
「?マスターがいるなら平気だろう?」
何言ってんだこいつって顔しながら俺の方向いてるけどさ、それが信頼なのかただの押し付けなのかは分からないがまぁ兎に角助かって良かった。
ここで生き埋め全滅ルートとか笑えない冗談だからな。
いくらSランクとか勇者とかだろうが酸素が無ければ死ぬしか無い、いやワンチャンエフィナは死者だし平気なのか?
「この先天井が崩れないか心配だよ本当に……」
確かにレベル上げの効率的には良い、一気にシルヴィアのレベルは5上昇した。
アルトも3程上がってるし中々に良い調子ではある。
「シルヴィアちゃんって案外大胆なんだね、お姉ちゃんびっくりしちゃったよ!」
「こっちはヒヤヒヤしたけどな……」
全く嫌なところで仲間の成長を感じるね、シルヴィアって元殺し屋のはずだよな?
殺し屋って何かもっとこう穏便に済ませたりバレないように仕事をする生粋の仕事人ってイメージなんだが違かったりするのだろうか。
こっちとしてはもっと手加減してもらいたい。
「私も雷ドカーンってしたい! シルヴィアお姉ちゃんに教わる!」
「流石に無理だと思うぞラミア……」
「そうだぞ? ラミアは可愛さで誰だろうと倒せるさ! 母親である私が保証する」
事あるごとに娘自慢&ラミアに頬ずりをするルッタ、この光景を見させられている俺たちの身にもなってもらいたい限りだ。
「蓮兎君、ちょっと先の方まで見てみたけど蟻さん達全員焼けこげてるよ? 多分ボス部屋まで届いてるんじゃないかな」
「あの一撃でダンジョンほぼ制圧かよ! 実戦向きでは無いと考えてたけど仲間との連携を使えばいけるのか? いやそれよりここからのレベル上げどうすんだよ」
ボスは倒すとしてもまだレベルを上げる予定だったんだが思いのほか試作品が強すぎたか?
俺の職業が進化するんじゃ無いかって少しワクワクもしてたのに残念だ。
鏡花、シルヴィア、アルトの職業は進化したのに俺だけ進化していないのはギルドマスターとしてなんか嫌だ。
「一旦ボス部屋まで進むか」
その後は恐ろしく順調にボス部屋まで辿り着く。
理由は単純明快敵が全て焼けこげて死んでいるからである。
たまに生きてるのもいたが虫の息、ラミアが少しこずく程度で死んでしまった。
◇◇
「ボス部屋だよな……?」
「そのはずだけど……あれれ」
ボス部屋に続くであろう横穴を除くとそこには雷が這った跡があり、地面が溶けて赤くなっている。
もしこの雷がボスを貫いていたら、マジでここにきた意味が無くなってしまう。
ーービリリッ
壁に手を当てて錬成を発動、小さかった横穴を大人が余裕を持って入れるほどの大きさに改造する。
そしてボス部屋内を見ると嫌な予感が的中、このダンジョンのボスであっただろう女王蟻のようなモンスターは半身が吹き飛んでいた。
「……魂ノ採取」
魂と素材を回収して憂鬱な足取りでダンジョンの入り口に俺たちは踵を返して帰って行った。
何のためにこのダンジョンに来たのか分からなくなってきたぞ、初手の一撃で仮にもAランクマスターが全滅とかやめていただきたい。
集団で動くタイプだから個々の性能はそれほどに高く無いのだろうか?




