270話 穿ち、斬り刻め
一通りの鮫達を俺と鏡花で殲滅、それが功を奏してアルトとシルヴィアのレベルは2ほど上昇しルッタとラミアのレベルは40ほど上がることに成功。
これ以上レベル上げはここでは不向きと考え俺たちは【天刻の白砂】にあるAランクダンジョン【砂流地獄】にやってきた。
◇Aランクダンジョン【砂琉地獄】◇
砂に埋もれた入り口を越えるとダンジョン内は薄暗いながらもひんやりとした空気が心地良いい。
だがそれを超える程の天井から落ちてくる少量の砂がうざすぎる。
「守護のそよ風」
そよ風の領域をメンバー全員を覆う形で発動、オルグス大迷宮で寄生花の花粉対策で歩きながら作った耐久魔法だが以外にも活躍が多い。
この魔法により砂を吹き飛ばし快適にダンジョン内を過ごせる事になった。
「キギギギッ!」
「お兄ちゃんでっかい蟻さんいるよ!」
「平気だラミア、お兄ちゃんに任せとけ……と言いたいが任せたぞ2人とも」
体全体を砂岩の鎧で覆っている巨大蟻、それをアルトとシルヴィアに任せて俺は大人しくラミアを抱き上げながら観戦する。
「これ本当に斬れますかねッ?!」
「貫通に特化させた弾丸ならッ!」
双方の長剣と弾丸は岩蟻を一刀両断し、眉間を穿ち抜きもちろん蟻は即死した。
だが相手は蟻、その巣に自ら入って先兵を倒したとなれば裏からゾロゾロと他の兵がやってくるのが定石だ。
「マスター性格悪いですよ……!」
「相性最悪な相手、地下だから火薬爆撃も無理か。本当に性格が悪いな」
なんか酷くないか?!
強くなるために苦手な相手を当ててるだけであって別に俺が悪いわけでは無くて決して性格悪いわけじゃ無くて……
嫌なんで俺は気にしてるんだよ、良いから戦え2人とも。
「神怒ッ!」
「発砲」
アルトは現在【二刀流】を有しているため2連撃の神怒となり、全身を鎧で覆っている岩蟻であろうと簡単に切断が可能だ。
それに対してシルヴィアの弾撃は【火薬媒体】の効果で作り上げた貫通に特化させた弾丸を使う事で鎧を貫通、そして弾丸は蟻の内部爆ぜさせる事で殺傷能力を底上げし蟻達は体液を周りに撒き散らかしながら死に絶えた。
「頑張れ〜、あと10体くらいじゃないか? あ、後ろからさらに来たから追加だ」
「マスターずるくないですか?! 加勢してくださいよ!」
「2人で頑張れよ。それにそっちの方が経験値効率が良い」
あくまでここに来た目的はシルヴィアやアルトのレベル上げ、まぁルッタとラミアのわがままってのもあるがレベルを上げられれば正直どこでも良かった。
不慣れな相手と戦う経験も作れたし結果オーライとしておこう。
「もう面倒だ。あれを使う」
シルヴィアはその場に立ち止まり一つの銃を空間から取り出し、固有スキル【疾弾迅雷】を使い雷の力を付与する。
あの銃を使ったのが俺でなければ岩相手に雷を使うなんて何を考えてるんだ、と考えたがあれは違う。
超電磁砲は電気を発射するわけじゃ無くて金属などの弾丸を電磁加速させて撃つ、つまり相手が岩だろうと関係無いのだ。
それを今シルヴィアは成そうとしていた。
「いやそんな反動デカいの使ったら生き埋めになるぞ?!」
「だから任せた。マスターなら錬成とかできるだろう? 超電磁砲ッ!」
俺の静止で止まることなどせずシルヴィアはそのまま蟻の大群に向かってぶっ放しやがった。




