269話 わがまま2人組
戦力増強、その仕方は各々だ。
俺や暴食なら良質な魂を得ればステータスが上がったり新たなスキルを獲得できる。
アルトならスキルを模倣する事で力を増し、シルヴィアならレベルを上げたり武器を新調すれば良い。
「てことでやって来た天刻の白砂! 俺初めて来るんだよな」
「そっか蓮兎君は気絶してたんだっけ? 私は2度目だけどやっぱり暑いよねここ」
どこまでも続く白い砂、サンサンと降り注ぎ皮膚を焼き焦がそうと熱く突き刺す日照りにその灼熱に普通に耐えて砂の中を泳ぐ巨大鮫。
ん?巨大鮫って言ったか今?
「マスター考えてる暇無いですよ?! 助けてくださぁい!」
「マスター私も助けてくれ……! 鮫肌が硬くて銃弾が貫通しない……!」
アルトとシルヴィアが砂の鮫に襲われている。
助けようか見捨てようか悩みどころだよな、鏡花はなんかあわあわしてるけど2人の成長を思うなら助けない方が良かったり……
「ま、別に良いか。暴風穿風」
俺が放った暴風ら鮫肌など容易に貫き通し尾から頭を見事に貫き鮫を絶命させる。
2人の実力なら別にあの鮫程度なら勝てると思うんだが……
あ、今のアルトのスキル構成って剣術特化でシルヴィアも固有スキルは電撃付与だから砂岩で出来てる鮫には無効、鮫肌で弾丸も防がれるしガン不利だったのか。
「てかエフィナは何して……」
「ふふふ〜ラミアちゃん可愛い〜♪ やっぱ幼女も良きだよね〜!」
「えへへ、くすぐったいよエフィナお姉ちゃん!」
水上國リフィネアからちゃっかり昨日帰ってきたラミアを抱きながら白魔法で領域を形成、中の温度を保ち快適な状態でラミアに抱きついていた。
ルッタも同行し今も娘自慢をしながらそれに楽しそうに付き合うエフィナ、楽しそうな事で何よりですよ。
「レントお兄ちゃん! 私もぎるどの一員だもん! 役に立ちたいよ!」
「ん〜そうは言ってもルッタはまだにもラミアはまだ子供だしな……」
今日この【天刻の白砂】に来たのはシルヴィアやアルトの強化のため、もちろん俺の魂集めもあるがそれ以上にルッタとラミアのわがままが原因だ。
自分達とギルドに入ったのだから微力でも戦力になりたいとの事らしい。
実際ルッタは何か普通にフライパンで冒険者の頭ぶん殴ったりしてたのもあり戦闘職では無い【料理家】の職業でも中々に高い攻撃値をしている。
だがラミアはその年齢もありもちろん戦闘には向かないステータスにレベルは3でスキルポイントも殆ど無い。
「もうレベル14だよ? 私だって戦える!」
「レベル14……あぁそっか。同じパーティだと経験値減るけど共有されるんだったか」
名前 ラミア・トーナ
職業 メイド
性別 女
種族 人間
レベル 14
スキル 包丁術E 黒魔法F 奉仕術F 話術D
称号 街の小さな看板娘
職業【メイド】、看板娘をやっていたからなのか勝手にメイドになっていたらしい。
それにしても取ってつけたような黒魔法のランク、レベルが上がった時に獲得したのだろうが何故にデバフが主体の黒魔法なのだろうか?
ラミアの適正魔法は風魔法のはず、なのに何故黒魔法?
「えへへ、お兄ちゃんとおんなじ魔法が良くて勝手にやっちゃった……ダメだったかなぁ?」
「ダメじゃ無いです」
「お兄ちゃんが敬語?! や、やめてよぉ!」
そんな事を上目遣いで言われたらもうそれは怒れるはずないじゃないか、まぁ別に怒る理由も無いんだがな。
スキルなんて個人の自由だし他者が口を出す権利など無い、ラミアを前線に送るわけじゃ無いし別に自由で良いのだ。
「せめてレベルが自分より下の相手とからな。ラミアが傷付いたらみんな悲しいから」
「ん……分かった我慢する……」
頭に手を乗せるとしゅんとしながらもちゃんと従いエフィナの膝の上に戻って頭を撫で撫でされている。
超幸せそうににっこにこ笑顔で撫でているもんだから羨ましいじゃないか!
「ならまぁいい所見せちゃうか!」
「私も良いところ見せたい! 【堕天化】もちゃんと使いたいし!」
目前にはさっきの砂鮫が10数体が迫りそれを迎撃しようとしているシルヴィアとアルト、はっきり言って2人のスキル構成でここに来るのはミスった。
だからそのミスを取り返すための俺がいるってわけだ。
「魂ノ採取!」




