226話 見えてきた大国
「……君、蓮兎君?」
「ッ?! びっくりした寝てたのか俺……今どこ?」
「あと1時間くらいでリフィネアに着くって言ってたよ」
鏡花に肩を寄せて眠りについていた俺を優しく起こす鏡花、気づかないうちに寝落ちしてしまったのか、眠気が異常に高いんだよな、これも魂欠損の影響だったりするのだろうか?
それとも単に俺が眠いってだけなのかもしれないが今はまだ言い訳できるので言い訳しておこう。
「ラミアちゃんもすっかり寝ちゃってるよ、寝顔も可愛いマジ天使……!」
「本当にラミアのこと好きだよな鏡花」
「だってこの寝顔見てよ! 天使以外の何者でも無いよ……! 私よりよっぽど天使だよ!」
そう言いながらラミアの頬を優しく撫でる鏡花、また柔らかいとかすべすべとか言ってる更に可愛いと連呼している。
ちなみに俺が寝る前に貼った小音結界はまだ有効でラミアに届く音を限りなくゼロに近づけているので起きることは無い、まず眠りが深すぎて現状誰も起こせない。
理由?そんなの寝顔が可愛すぎるからだ。
「てか珍しくルッタが静かだな、どうかしたのか?」
「魔法があるのは分かってるんだが我が子が寝てる時にうるさくするのはどうかと思って……」
ルッタを鎮めるためにはラミアを寝かしつければ良いのか、1つルッタ対策が進んだな。
まぁこれでやっと1つ目かな、完全に対策できる時はいつになるのかな……
「まぁいい、それで結局本当に【ツクヨミ】に入っていいのか? 戦闘要員じゃないとしても危険はあると思うが」
「天下のSランク様の近くの方が安全だろ、ラミアも懐いてるし」
こちらとしても家事をしてくれるメイド的な役割の人がいてくれたら生活もしやすいし遠征したとしても長期間ギルドハウスを開けてられる。
だがそれはそうとして心配が勝つのもあるんだ。
本当に俺に守り切れるのかってな。
「私は賛成だよ! もちろんラミアちゃんと離れたくないってのもあるけど……」
「な? 良いじゃん別に! 飯くらい作ってやるって」
「……分かったよ。正式な手続きとかはギルド経由しないとだからあれだけど今から同じギルドの仲間だ」
手を差し出し握手をする。
暴食だけでも大変なのにルッタが混ざったら俺はストレスで禿げてしまうんじゃないだろうか、ストレスを軽減する魔法とかないの?
【怪力】とかそんな感じでパッシブスキルとしてストレス軽減のスキルとかないわけ?
「メイドさんってことだよね……ラミアちゃんがメイド服を……」
「鏡花がどんどん変態になっていく……」
「そんなことないよ?! 正常だよ!」
正常ならもっとやばいんだがまぁそこはツッコまないであげよう。
そしてそろそろ窓から青くどこまでも続く海が姿を現し、その海の上に聳え立つ大国、水上國リフィネアが見えてきた。
「着いたらまず宿を探さないとな、それからは思いっきり楽しむ」
「シルヴィアちゃん達と水着見に行く! 海にいかないと損だよね〜、もちろん日本食も!」
楽しみを膨らませながらあと少しの馬車旅を謳歌、会話に花を咲かせながら海の匂いが漂ってきた。
忘れてる気がするからこれはSランクダンジョン【善良なる勇者眠りし墓】攻略6日前の出来事である。




