223話 天使特性
「はぁはぁ……死ぬ……今度こそ死ぬ……」
「スキルを使わないと雑魚なんだから鍛えろよ?」
スキルを使わない地獄の訓練は皆の準備が終わると同時に終わり俺も暴食から解放されることになった。
スキルを使わない戦闘になるとただのひ弱な後衛職に成り下がってしまう。
暴食が言うに嫉妬の能力なら魔法の禁止とかは普通にあり得るらしい、だからスキルを使わないにしても魔法を使わない戦いくらいは頑張らないとな。
「明日出発だし俺はもう休むよ」
「え? まだ昼……疲れたもんね」
「察してくれて助かるよ」
スキルを使えない俺に魔法をバンバン撃ってくる暴食の攻撃を避けながら一撃を入れる。
せめて錬成が使えれば少しは楽なんだが……
体も重いしスキルも自由に使えない、しばらくは戦闘を鏡花達に任せる方にしようかな。
「……マスターも大変なんだな」
「ご理解助かるよ」
再生はしてるがまだ傷が痛む……
魂の欠損のもあるんだろうが1番は暴食が原因な気もするがそれは言ったら殺される気がするのでやめておこう。
一足先に俺は体を休めるとするさ。
◇◇
蓮兎君は休憩中だし私は何をしようか?
準備は終わったし私も訓練とかした方が良いよね、【格闘術】のスキルを獲得したし【堕天化】と合わせて近距離戦闘もできるようになりたい!
何かいい組み合わせのスキルとかあればいいんだけど……
「天使の特性はなんだっけ?」
名前 純白の衣
効果 自身に対する白、光、神聖魔法による攻撃を完全無効化することが可能。だが黒魔法による攻撃が効きやすくなる。
名前 天使の大翼
効果 魔力を具現化して大翼を発現できる。
名前 天使の冠
効果 魔力を具現化して頭上に魔力の輪を発現できる。発現中は白魔法系統の威力が上がる。
名前 神聖者
効果 明るい場所にいると能力値が上がる。
「自身に対する攻撃を無効化……無効化ってどこまでが無効なんだろう? 攻撃の余波で生まれたダメージとかその魔法のダメージだけを無効化して普通に効果は受けるのか……」
「鏡花さんが自分の世界に……!」
私のオリジナル白魔法【自己崩壊】は治癒力や能力増強効果を爆発的に短期間に伸ばすことで結果的に自己崩壊を起こさせる。
今思えば多分蓮兎君が経験したバフのかけすぎで起きた魂の欠損と同じ原理なのかもしれない、確か女の子の方の代行者も蓮兎君の記憶を遡った時にまだ痛そうにしていた……
つまりは【自己崩壊】の真骨頂は回復不可の魂に対しての直接攻撃!
それを自分に付与したらどこまで効果は無効化される?
「成功すればノーデメリットで自身の許容範囲を超えた力を獲得、失敗すれば魂の欠損で今度こそ死ぬかもしれない……」
ハイリスクハイリターンってやつだよね、失敗したらどうなるかはわからないし成功しても本当にそれが実用的かどうかは不明だ。
でもこのままじゃ蓮兎君の足手纏いにまたなってしまうかもしれない、それだけは絶対に避けたい。
「私も部屋に戻ろうかな、試したいこともあるし」
ーーガチャ
自室の扉を閉めて灯りをつける。
失敗したら取り返しのつかないことになるかもしれない実験、でも不思議と怖くも無いし不安でも無い。
「楽しい実験の始まりだ! 自己崩壊!」
部屋に眩く明るい光が満ち満ちていた。




