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221話 全員加護持ち作戦

◇◇

 

【善良なる勇者眠りし墓】攻略まであと約1週間程度、ルノアに聞いたところ俺の実力はまだ足りていないらしい。

前衛ノエルの後衛ルノアになるので俺は中衛に回ろうと思っているけど流石にずっと援護も性に合わない……

 

「今のお前が手っ取り早く強くなる手段は2つある。まず1つは【暴食】で他者のスキルを喰らうこと、もう1つは加護を新たに受けることだな」

「加護? もう暴食の加護と始祖吸血鬼の加護あるけど?」

「別に加護の重ねがけはいけるぞ? まぁ数が多すぎても負担に耐えられない可能性もあるが今ならいけるだろ」

 

加護には大まかに竜種の加護、精霊種の加護、悪魔種の加護、天使種の加護、神種の加護に分類される。

そこから細かく派生はあるが現在獲得している加護は両方とも悪魔種の加護に分類され、まだ獲得していない。

 

「天使……天使? あれ身近に天使いるくね?

「天使の加護と悪魔の加護は相性が……いやお前混沌魔法使えるイレギュラー的な存在だしな……」」

 

暴食グラフェルも時々口にしているがこの世界での俺の立ち位置はエラーにエラーが重なってできたバグ人間だ。

勇者召喚でも無く稀にいるらしい死んで転生でも無く代行者から転移させられた本来いるはずのない人間、それに本来獲得できない混沌魔法を扱い混血から進化したこの時代には絶滅した始祖悪魔……

マジでイレギュラーな存在だ。

 

「……やっぱやめだ! 俺だけが強くなっても意味が無い。【ツクヨミ】全員加護持ちになるぞ!」

「加護持ちって結構稀有……いやまぁお前は止まらないか」

「もちろん止まらん!」

 

そうと決まったら決定だな、今から狙うとなると竜種か精霊種か?

全員に合う加護を与えるとなるとシルヴィアは雷属性、アルトは白か火属性、鏡花は白か神聖属性、俺はやるとしたら黒属性だな。


「加護って貴重なんだぞ? 竜にしても精霊にしても加護持ちは希少だ」

「でも手はあるんだろう?」


暴食グラフェルの事だし何か策は考えての発言なはず、俺なりにも一応考えてはいるがまだまだこの世界には乏しいところもある。


「精霊樹の森、巨竜の残骸城この2つのダンジョンになら何かあるかもしれないな。まぁ2つとも王都には無い別の国にあるんだが」

「別の国か……俺王都の他は軍都ゲルバドしか知らないな、どんな国があるんだ?」


この世界はまず大きく分けて5つの大国からなっていて、王都セイクリッドは大国に分類されるが軍都ゲルバドは他の大国の敷地内に勝手に独立させた言わばグレーゾーンの国、それとは違いまだまだこの世界には多数の国が存在している。

だが一部には国が所有していないダンジョン、判定としてはダンジョンだがそこには精霊やエルフが住んでいたりするその場所は一部の例外国と認められている。

それがその二つのダンジョンだ。


「つまりダンジョンだが国判定を受けている場所……それ勝手に行っていいやつ?」

「周辺の大国、そうだな……水上國リフィネアとかに許可を貰えば言っていいはずだ。精霊樹の森になら」


王都と並ぶ大国水上國リフィネア、かつて転生者が建国しその時の名残でニホンという場所の食べ物や文化がそのまま根付いているという水上に位置する国だ。


「リフィネア……米があるって言ってた場所か!」

「よく覚えてたな、あるぞ米」


ーーバンッ!


「今お米って言った?!」


自室から鏡花が飛び起きてきた。

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