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214話 殴り合い

「かはっ……?!」


鏡花のオリジナルSランク魔法原初の白(ブロン)を喰らい体を大きくのけぞらせ吹き飛ばされる。

背後にいた巨兵に体をめり込ませその巨兵は死に絶え、憤怒ラースは浅いが息をしていた。

 

「おぉ生きてっか? 憤怒ラース

暴食グラトニー……!」

 

即座に起き上がり何の支障もないかのような体裁きで暴食グラフェルに向かって拳を振るう。

得物は何故か使わず拳と拳の殴り合い、先ほどと違う点はもう一つ。

2人とも殴り合いながら笑っていた。


「何でお2人とも笑って……?」

「多分だけど憤怒ラースちゃんの洗脳?支配?何から分からないけど邪魔してたのは取れたみたい」

「え……? じゃあ何で殴り合ってるんですか?!」

「さぁ? 戯れあってるんじゃない?」

 

戯れあいは加速、目潰しからの足払い……卑怯な戦い方をする暴食グラフェルとは違い憤怒ラースは正面からの殴り合いを好んだ。

避けて反撃、反撃して避けるを繰り返して着実にダメージを稼いでいる。

対して暴食グラフェルは積極的に目を狙ったり卑怯な手を使いその差を埋めていて、その実力は拮抗していた。

だがやがて決着がつく。

 

ーードゴォンッ

 

暴食グラフェルの蹴りがモロに炸裂、憤怒ラースはその場に膝をついた。

そして静かに立ち上がる。

 

「久しぶりだな憤怒ラース

「久しぶりだ。暴食グラトニー

「おっと今の俺は暴食グラトニーじゃ無くて暴食グラフェルだ。そっちで呼べ馬鹿」

「改名してたのか?! それは知らなかったすまないな馬鹿」

 

お互いに馬鹿と言い合い握手……いやお互いの手を握り潰し合いながら笑顔で感動(?)の再会をする。

しばらく睨み合うが暴食グラフェルが自分から手を離して感動の再会は終わった。

 

「俺の負けだな、流石に力比べじゃ負けるか」

「私の勝ち……! 久しぶりの勝負はこれで同点だな!」

「いやいや握手と直接戦闘なら前者の方がポイント高いだろうが!」

 

鏡花はその場で立ち尽くして頭にはてなマークを浮かべている。

それに対して色欲ヴィオラは「あぁまた始まった」と言うような表情をしていて、この状況に慣れているようだ。

 

「それよりさっきも言ったけど憤怒ラース、一人称戻したのね。そっちの方があってる」

「なっ?! そ、それは別に触れなくても……」

「おぉそうだ。俺の一人称を真似してたんだって?」

 

ここぞとばかりに暴食グラフェル憤怒ラースに近寄りいじり倒す。

それに反応して憤怒ラースは顔を茹で蛸のように真っ赤にして恥じらいながら慌てて顔を隠し、それを見ながらさらに暴食グラフェルはいじる。

それの無限ループだ。

 

「た、ただ私は暴食グラトニー……暴食グラフェルの生き方が……その」

 

憤怒ラースは戦っていたときのような威勢は消え失せ頬を赤ながら身を捩っている。

誰がどう見ても軍服を着て返り血を浴びているだけの乙女の姿がそこにはあった。

 

「俺の生き方がどうしたんだ〜?」

「い、いやそれは……あぁもう良い! そうだよ私は暴食グラフェルの生き方がかっこいいと思った! だから封印されて悲しかった!どうしたこれで満足か?! 

悪いか?!」

「おぉ開き直りやがった。可愛いじゃ〜ん」

 

開き直った憤怒ラースにさらに追いうち、暴食グラフェルはおもちゃを見つけたように徹底的にいじり倒すと決めた。

 

「あ、あのぉ……兵士を止めてくれると助かるんですけど」

「へ、兵士?……そうだったな。すまない、今止めさせる」

 

鏡花が話の中に割り込み周りでまだ戦っている冒険者と憤怒ラースが顕現された兵士が争っているのが見える。

それに気がついたのか憤怒ラースは恥じらいの顔を叩いて切り替え、平気に命令を出して止めた。

 

「こっからどうするんですか?」

 

単純な問いをした鏡花、その言葉に答えられる物はこの場にはいなかった。

 

 


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