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213話 支配の憤怒

暴食グラフェルさんは先に行っちゃったし私はどうすればいい?!

と、とりあいずみんなにバフはかけた。

つ、次は……


ーーポンッ


緊張であたふたしている鏡花にノエルが肩に手を乗せる。


「気楽に行こうよ。リーダー」

「……そうだね、私は私のできることを全力で遂行する。それだけだッ!」


私はノエルちゃんに物理的にも背中を押されながら自分にもバフをかけてから軍勢に向かって駆け出した。


「……ふぅ、緊張した。それじゃあボクも頑張ろうかな。銀色世界スノーズ


背後がすごく冷たい……てか寒い?!

ノエルちゃんが魔法を発動したんだろうな、私もできる全てを注ぎ込んで魔法を発動する!

久しぶりだけどできるよね?


「絶対なる汝の未来、永劫不変たる汝の運命ここに決まり、天の粛清を持って終わりを告げる、その生涯悔い改め新たなる運命を!」


詠唱を済ませると前方が淡く輝き出す。

その光は時期に収縮、魔法の名前を言うと放たれた。


絶対なる運命アブソリュートフェイト!」


フル詠唱と固有スキルで強化された魔法、それは迷宮で放った時とは違い白魔法では無く神聖魔法に進化している。

もとより固有スキルの強化倍率が高いのにその要素がかけ合わさると弾き出される答えは対象の消滅だ。


「う、うわぁ……確かに相手アンデットだけどこんなに効き目あるなんてなぁ」

「ウゴガァ!」

「アガ……アガガッ」


形成されたのは文字通りの聖域、アンデットが侵入すると強い神聖力によって体が浄化され怒りも、痛みも全て忘れて無に帰す。

まだ攻撃魔法を使ったのは一度、一度でこの威力からさらに撃ったらどうなる?

鏡花はこの瞬間に一瞬思った。

これ勝てるのでは?と。


ーーギィィンッ


鍔競り合っているのは戦いの中心地、大罪同士の殺し合いの会場だ。

常に激しい轟音が飛び交い戦いは激化する。

魔法と魔法、拳と刀、拳と斧……次々に得物を変える憤怒ラースに対して暴食グラフェルは得物を持たない素手スタイル。

武器の扱いなら憤怒ラースの方が上だと判断したのか素手での応戦だ。


「若干弱くなってるんじゃねぇか? 憤怒ラースッ!」

「……私は弱くなど無いッ!」

「あら、一人称戻したのね」


2人の大罪が争う中天から舞い降りたのは色欲ヴィオレ、固有スキル【慈愛の天秤】を右腕に限定して発動。

本来【慈愛の天秤】は自身より強い相手にはほぼ意味を成さないが蓮兎が使っているような体の限界を超えたバフを自身に付与する事で自身より序列が上の憤怒ラースにも効くほどの負荷となる。


「ッチ、腕が……!」

「卑怯とか言わなよなぁ? お前は勝つためなら何でもする戦法も嫌いじゃ無いだろッと!」


ーーバギィッ


話を交えながらも轟脚の真似事を使い憤怒ラースを蹴り飛ばし色欲ヴィオラの方向にぶっ飛ばす。

色欲ヴィオラとの連携なんてした事無いがまぁ行けるだろって事で即興大罪コンビの完成だ。


「ちょ、私の方向に飛ばさないでよッ!」


そう言いながらも失った片腕を神聖魔法で治してながら魔法を発動し飛んできた憤怒ラースをさらに吹き飛ばし暴食グラフェルに渡した。


「俺に渡されてもなッ!」

「私で……! キャッチボールを……! するな……!」


突然空中に様々な武器が出現、それは憤怒ラースの命令によって2人を刺し殺すために動き出す。

それに先に反応したのは暴食グラフェル、固有スキル【凶華月触】を発動させ迫ってくる武器を腐食させ耐久力の落ちた武器を素手での粉砕だ。

色欲ヴィオレは反応が遅れて何箇所か槍で刺されは形となったが痛みには慣れて、いや痛みすら快楽に変換させる体の影響で特に気にせずにまだ応戦している。


「貴様が先だッ!」

「まぁ負傷してる私から狙うよね、でもそれは安直じゃない?」

「ッ?!」


武器を腐食させたついでに伸ばしていた触手を憤怒ラースの方向に展開、それを使って憤怒ラースの体を縛り上げ拘束する。

黒い触手で体を絡め取られて動けない軍服の女性、何かアウトな気がするが気のせいだ。


「こんなもの……!」

「頼んだぞ、鏡花」

「人使いが荒いですッ! 原初の白(ブロン)!」


アンデットなどに絶対なる特効を持つ鏡花の白魔法、神聖魔法になった事で更なる威力上昇された一撃は悪魔には大打撃となる。

その瞬間戦場を眩い温かい光で照らされた。

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