↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/70

第53話:強く

早く話を進めたいです

ラハブの様に地区事に別れているのではなくルルブの街は色々な店が混じり解りにくい街並みになっている。そんな中、出店の密集する場所に大きな建物が見える。獣舎にクスクスを預け中へ。


「暫くここにお世話になりますぅ」


「広い街だかんな、迷子になんなよセイラ」


「お前こそな!!」


金属で出来た重厚な外観と変わって中は白い石で統一された綺麗な高級ホテルの様な感じだった。


「いらっしゃいませ、三名様でよろしいですか?」


「相部屋ひとつと一人部屋をひとつ…とりあえず五日お願いします」


「かしこまりました、五日分で33万ネルになります」


金貨を渡し部屋の鍵を受けとる。


「一緒でも良かったよんですよぉ?」


「つか金、一人いくらだ?」


「出すよ、義足が出来たら稼いで奢ってくれ」


「はぁ…分かったよ」


「ありがとうございますぅ」


一旦荷物を分け相部屋に集まる。着替えなんかも用意していてくれた。


「今日はこのままゆっくりするとして、明日からどうする?」


「観光にでも行ってこいよ、俺の事は気にしなくていいかんな」


「私は特に行きたいとこも無いですねぇ」


「うーん…皆で街の観光かなー」


「俺は邪魔だろ…」


「そんな事無いですよねぇ?」


「当たり前だろ、邪魔になったら置いていくよ」


「お前!ったく、分かったよ」


流石にダンジョンには行けないだろう、興味はあるが別の機会にでも問題は無い。


方針も決まり旅の汚れを落とす。シャワーしか無かったが体を拭うだけの旅だったので気持ち悪さは落とせた。


「セイラ、俺の義足が出来たらまた迷宮(ダンジョン)に一緒に行っても良いか?」


「あ?どうした急に、当然だろ」


「今回はよ…自分の足だったから良い…でもよ、それが誰かに変わるのが怖い」


俯いた顔を上げ言う。


「だからそうならない様にもっと強くなりてぇんだ…本当に竜を落とせるくらいに」


「分かった…お前なら出来るよ」


「お前と会えて良かった」


「ブフォ!やめろよくせぇな!」


「お前…真剣に言ってんのによ…プハッ!」


「お前に会えて良かった…キリッ」


「そんなに格好付けてねーよ!アッハッハッハ!!」


暫く笑って過ごし夕食が運ばれて来る。柔らかいローストビーフの様な料理と白いパン、野菜の沢山取れるスープに魚の揚げもの。ヤトを出すと驚かれたが別に骨付きの肉を焼いて用意してくれた。


「美味かったな」


「俺はちょっと味が薄かったが…」


「そうか?薄味慣れてたからかな…」


母親の手料理を思い出す。感傷に浸る程では無いが。


「明日は連絡無いか一応ギルドに行ってから観光に出るかー」


「だな、んじゃそろそろ寝るか」


夜も更けベッドに入る。幸い二つ設置されていたので一人は床になんて事にはならなかった。



目が覚めると最近は寂しさを感じる。


『おはようルイン』


遠くの相手と会話が出来ると言う設定の筈の絆石(アイテム)はどうやらこの世界では範囲が決まっているらしい。今頃ルインも起きてるだろうか…。




私があの人より早く目が覚めたらその寝顔を眺める事が出来た。

あの人が私より早く目覚めた時は優しい目で見つめて居てくれる。最近はそんな小さな幸せも訪れていない。寂しいけれど我慢する約束。


『早く会いたいですご主人様…』


朝食を終え準備を整える。もうすぐ元気で可愛らしい訪問者が訪れる時間だ。部屋の扉が激しく叩かれる。


「ルイン!準備出来てるー?」


扉を開くと真っ黒な装備に身を包んだ少女の姿。


「おはようルイン!行きましょ!」


頭を軽く下げ挨拶すると手を握られ宿を出る。


「オジサン!今日もお弁当を二つお願い!」


「おう、元気な嬢ちゃんに無口な嬢ちゃん!頑張ってるか?」


「当たり前よ!ね?ルイン!」


笑顔で応える。そして数日前を思い出す。


「私もっと強くなりたいの」


孤児院にて子供達の相手をしていたストロベリルさんが唐突に言ってくる。


「何も出来ない自分が嫌なの、それに聞いたわ。レンゴもセイラも等級(ランク)Aになったんだって」


頷き肯定する。


「私たちは仲間でしょ?足なんて引っ張りたく無いし、弱いまま震えるのもゴメンよ…だからルイン、一緒に迷宮(ダンジョン)に行きましょ!」


ご主人様を守るなんて言える力は無いけれど一緒の道を歩く事は出来る。その為には私も強くならないとダメだ。


「ありがとルイン!明日から早速攻略よ!」


手をとり合図する。その日から朝は迷宮(ダンジョン)、夕方からは孤児院に顔を出す毎日だ。



「そろそろ次の界層に行っちゃう?」


3界層[使者の砂漠]の魔物も楽に相手を出来る。強くなる為に来ているのだから先を目指すべきだろう、頷き合図する。


「んじゃ奥に進みましょ!!」


砂漠の中心に差し掛かった所で辺りの空気が変わる、何度も見た青い光の文字が地面に浮かび纏まった後に魔物が現れる。


「コイツを倒せば…行くわよ!ハァァァーー!!」


現れたのは4本脚の茶色の巨大な蜘蛛、その魔物の足を長い剣が襲い一本奪い去る。怯む蜘蛛を長剣が追う。


「ルイン!」


蜘蛛の上に飛びあがり双剣(アオイバナ)を目に刺し、大鎌(クロウバイツ)で丸みのある腹の部分を刈り取る。


「離れて!」


声に合わせ蜘蛛の上から飛び退くとストロベリルさんの体が輝き魔物を二つに分ける。


「大したことなかったわね!!」


地面が白く点滅し視界が変わる。



美しく広がる森に黒い外套から繋がる日除け(フード)で顔を隠した者が巨大な川の上流で何か撒いている。その者が満足気に笑うと数日後、森の木は枯れ川の水は干上がった。

金の波打つ髪をした女性が呆然と砂漠を眺め立っている。

黒い者がその手をとり突然現れた暗闇へと消えた。



ルイン、ストロベリル、在りし日の記憶・3界層使者の砂漠攻略。





ブクマ、評価増えてました!ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング ←良かったら一日一善(ポチ)お願いします。(良心に訴えるステマ)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。