第27話:真祖
再開です
「貴様…何者だ?」
「通りすがりの狩人?」
ヴァンパイアが立ちあがり口を開く。
「ふざけているのか?まぁ良い、【再生】」
ヴァンパイアの傷が癒え、新たな腕が生まれる。
「俺のよく知るのと違うな…」
゛闘争者達の宴゛のヴァンパイアの種族特性はHPが徐々に回復というモノだった。
距離を取り、ルインとガウンの下へ駆け寄る。
ガウンの姿は獣ではなく人へと戻っている。
「ガウン、これを飲め」
血だらけのガウンに奇跡の薬を飲ませる。
青白い光に包まれたガウンの傷が一瞬で癒える。
「ガハッ…なんだこれ…一瞬で回復したぞ」
「気にすんな、それよりルインと離れてろ」
『ルイン、この戦いは参加しなくて良い、安全第一で』
『分かりましたご主人様、お気をつけて…』
「なっ!体はもう大丈夫だ!一緒に戦うぞ!」
「いや、さっきの薬じゃ疲れとかは抜けないんだ、無理するな」
「待つのはもう良いかね?」
よく通る声でヴァンパイアが告げる。血で出来た巨大な剣を4本宙に携えて。
「我が名はルムゼン・スルト・イゴリアス!ヴァンパイアの真祖!まだ真祖になってから30年程の若輩者だがね」
「セイラ・アズミ…何れ最強と呼ばれる男だ」
「ハハハハハハ!最強か!ならばその夢此処で終わりだな!」
巨大な剣が真っ直ぐセイラに向かう。
「ルイン!ガウン!離れろ!」
銀の籠手を装備し瞬時に剣を殴り落とす。ビチャッと只の血に還ったそれがルムゼンに吸収される。
「くそ…嬢ちゃん離れるぞ、あんな物防ぎきれる方がおかしい」
ルインとガウンが安全な距離まで下がった所で口を開く。
「んじゃ戦ろうかヴァンパイア…」
「餌如きガキがぁ!」
両者踏み込み、部屋の中央でぶつかる。
ルムゼンの手刀とセイラの拳が幾度も重なる。
重なる度にジュッと音が聞こえるとルムゼンの顔が歪む。
「銀か…【再生】!」
「説明も何も無い所謂隠し要素だけどなっ…!」
再生の為に距離を取ったルムゼンを追いかける。
「オラアアアアアッ!!」
【加速】+【闘志】+WS
「なっ?!ガアアアァッ!!」
防御姿勢を崩し額に衝撃が突き刺さる。
そのまま玉座らしき席へ吹っ飛び頭を垂れる。
「やっぱ時代築いたテクだよなぁ…」
「リ…再生」
凹んだ額が元に戻り傷が塞がる。
「結構反則だよなそれ…」
「フフフフ…フフフフ…」
「どうした?今のでネジ飛んだかぁ?」
「素晴しい力だな人間…!真祖と成って三十年…儂を追い詰める者等居なかった…」
「どこが追い詰められてんだよ」
「わざわざ教えんよ…だが、久しぶりに…儂も楽しくなってきた…フフフフ…ハハハハハハ!」
玉座から立ち上り両手を広げる。その周りには血で出来た巨大な剣が八本。その剣先は全てルムゼンに向いている。
「【求メ渇望スル魂】」
八本の剣がルムゼンを貫き血が噴出する。
赤く染まる剣が回転しルムゼンの身体を刻む。
やがて剣は一本になり、血と肉は混ざり球体となる。
その球体に巨大な剣が突き刺さる。
「なんだ?初めて見たぞ…」
ルインとガウンはだいぶ離れているので何かあっても大丈夫だろう。すると球体から赤黒い筋肉質な右腕が生え深々と刺さる剣の柄を掴んだ。グリグリと球体に剣を捻ると赤黒い翼が球体から生える。
そのまま何度も捻り突き刺しを繰り返す異様な光景。
球体から脚が生え、左腕が三本生え、4本の伸びた角、つり上がった巨大な金眼、牙の発達した顎を携えた輪郭が形成される。
3メートル程の筋肉質な身体に突き刺さる身の丈もある剣を引き抜き真祖と呼ばれる存在が口を開く。
「さぁ人間!闘おうか!!」
真祖と人間が共に口を歪めた。
巨大な剣が降り下ろされる、それを完全防御で受け止める。
防御硬直を無くし反撃の強攻撃、その右腕を3本の腕に捕まれる。
「なっ
言い終わる間も与えられず勢いよく天井に放られる。なんとか体勢を建て直し天井に着地、同時に力の塊と化した突進を受ける。
「ぐぅっ!」
防御することも出来ず新たに背中に衝撃を感じ下へと叩きつけられる。
『ご主人様!!』
必死な表情のルインと抑えるガウンの姿を確認出来た。
「人間…そんなものか?降り注げ…【血の暴風】」
翼を刃に変えた血色の蝙蝠が流星群となってセイラを襲う。
轟音が響き血霧と煙が立ち込める。
ゆっくりとルムゼンが降下する。
「ほう?まだ立ち上がるか…それに、魔眼か…」
まだ晴れぬ煙の中から黒い人影と赤眼に金色十字の瞳が浮かぶ。
「第2ラウンドと行こうか…化物…」
「フフフフ…ハハハハハハ!楽しもうじゃないか人間!」
「ハッ!ハハ…ハハハハハハ!!」
化物の嗤う声が重なった。
さぁ書くぞー




