55話『少女の家族』
「ああ、これは酷いあの悪魔もこんな幼気な美少女の母親と父親に酷いことするもんだね、最低だな!」
「ウウ……お母さん、お父さん……」
少女は涙を流しながら膝をついていた。
それを見てマアリは少女を抱きしめた。
「ああ、これが素晴らしき感動か、いいねえ、それはとてもいいことだよ、少女よお父さんとお母さんを生き返らしたくないか?」
「!! 出来るの? 本当に出来るんですか?」
「ああ、俺に不可能はない!」
サターテは笑いながら言った。
「えっと、どうやって生き返らせるんですか……」
マアリは不安そうに聞いた。
「おお、さすがにマアリも俺の悪を勘付き始めましたか~そりゃ長い間いたら勘付くっちゃ勘付くよな」
「? どういうこと?」
するとサターテは女の子の傍に良き
「まあ、まあ、取り敢えずここにサインしよっか」
と言って紙とペンを出した。
「させるかあああああああああああああああああ!!」
「うお!!」
そこに間一髪ディビーが聖剣を持って現れ振り下ろした。
「あぶねええ!」
「お前が一番危ないことしてるわ!!」
「ちゃんと話をしてからするならともかくそれは私でも許しませんよ」
珍しくマアリも怒っていた。
「いやいや、さすがにちゃんと説明するってちょっとした冗談ではないですかやだな~」
「「本当か」」
この時サターテは2人って案外似てる姉妹ではないかと思った。
「そうね、サターテ、説明も無はさすがに悪魔としてはダメよ、ちゃんと説明して誘惑して、契約しないとだめよ」
「あ、母さん」
そこにサリーナも立っていた。
「悪魔なのだからそこはちゃんとしないといけないのよ、分かった」
「……はいすみませんでした」
サターテもさすがに反省した。
「?? どういうことですか? 悪魔って何の話をしてるんですか?」
少女はさっきから話についてこれないようだ。
「ああ、この男悪魔なんだよ」
「ディビー、いきなり言ってもさすがに信じないのでは?」
「本当なの! じゃあ私の魂売るからお父さんとお母さんを生き返らして!!」
「「!!」」
2人は少女が泣きながら速攻で頼んだことに少し動揺した。
「あの! 良く考えた方が良いのでは!」
「そうよ、君! 確かにつらいだろうけど! そんなにすぐに自分の魂を売ることは良くないと思うよ!」
2人は止めようとした。
すると少女は
「ありがとうございます、お2人の気持ち大変ありがたく思います、でも、私はこの方たちを見捨てたくないのです、恩人なのですから」
「この方たち?」
「恩人ってどういうことでしょうか?」
2人は少し疑問に思った。
「私は実は孤児の子供で、ずっと1人ボッチでした、友達も出来ずお父さんとお母さんがいないことでずっと感情が出てこないでいました、しかしある時子のお父様とお母様が私を引き取ってくれたのです! そして暮らし始めたときに自分たちは本当の父親と母親ではないけどもし父親と母親として見てくれるならそうしてと言ってくれた! 私はそれが嬉しくて、嬉しくって……だから生き返らしてあげたいんです!!」
マアリとディビーは涙を流していた。
サターテはあくびをして涙を流していた。
「で、する?」
「お前はもうちょっと感動と言うことを覚えられないのか?」
「悪魔はそういうの疎いはずだから」
「はずって何だよ」
ディビーは呆れながら言った。
「します! 絶対に!」
そう言って少女は紙を受け取りサインした。
「契約により母親と父親は復活するおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
すると父親の傷が無くなり母親もそこに同時に現れた。
「どうやら母親は悪魔に食われて消化されていたみたいだな、特別に記憶も悪魔に殺された記憶はなかったことにした、他に願いは? あるなら言ってくれ」
「いえ、ありません、さあ、私を連れてってください」
するとサターテはキョトンとしながら
「へ? どこに?」
と聞いた。
「どこって私はあなたに魂を取られるのではないのですか?」
「ああ、まさかディビーもマアリも魂の契約書だと思ってた?」
「「!! え!!」」
サターテが出したのはただの生贄が必要な契約書だった。
「おや、息子よ、魂は取らないのですか?」
「はは、実は今気づいて俺今魂の契約書マアリの家に置いてきててだからそれを使っての、でもそれのおかげでこの女の子から素晴らしいものがもらえると思うとゾクゾクする!!」
と言ってサターテは笑っていた。
「……フフッ、優しいんですね」
「……うん、……さすがに見直した」
「え、ああはいはい」
サターテは少し照れた。
「あ……ありがとうございます!!」
少女は泣きながらお礼を言った。
「生贄は何がいいですか?」
「そうだな、パンツ見せて」
「はい!!」
それを見てディビーとマアリは
「何故だろうか、感心したのに一瞬でその気持ちが失せてしまった」
「まあ、彼らしいと思いませんか?」
ディビーは呆れながら
「まあ、パンツ1枚で笑顔が取り戻せるなら安いのかな?」
と取り敢えず納得した。
「全くあなたは昔から悪魔らしからぬ優しい子ね」
「え、ああいや、……何でもないッス」
サターテは思った。
(本当に忘れただけなんだけどな~糞、どうしてこういう時に忘れるかな、せっかく女の子と契約できると思ったのに、まさか間違って出してのをサインさせてしまったとは、はあ)
サターテは内心悔しがった。




