第三十八話 体育祭前日会議
とにかくクセの強い生徒会の役員に2人が翻弄される回ですww
俺と夏菜は、生徒会室へ訪れた。
初顔合わせと同時に体育祭の会議を行わないといけないからだ。
俺と夏菜は恐る恐るドアを開ける。
「ああ、よく来たね、新副会長と書記の……沢城くんと和吹さん、だっけか?」
「はい。」
「僕は新生徒会長の……『新垣雅』だ。宜しく頼む。」
え、男?? いや、スカート履いてるし、女子の先輩だろうな、という感じだが、髪も短いしな……しかも喋り方も完全に男だし……。
いや、まあ細かいことは気にしないでおこう。
「沢城勝樹です。宜しくお願いします。」
「書記の和吹夏菜です。宜しくお願いします!」
俺と夏菜は頭をペコリと下げた。
「で、こっちの男子は副会長の『森沢涼』、あっちのメガネちゃんは書記の『筧穂乃果』。で、あっちは会計の『洲崎桜花』……みんなと仲良くしてやってくれ。」
それぞれの役員を紹介した後で、新垣さんがホワイトボードの前に立った。
「さて……今回は体育祭の準備について、だが……とにかく2週間しかない中で決めないといけない。というわけで、準備に取り掛かろうと思う。で、司会なんだけども……沢城くん、君に一任をしたい。」
「……へ???」
議論、と聞いていたのにまさかの俺が司会、という異常事態。
しかも半強制的に。
何も聞いてない以上、受けるわけにはいかないが……。
「ああ、申し訳ないね。体育祭の開会宣言は会長がやるんだけども……何年何組とか、っていうのは新副会長の仕事なんだよ。君の出番の時は涼がやるから安心していい。」
ああ、そういうことか……それなら断る理由がない。
森沢さんもやるなら尚更だ。
「それじゃあ……俺がやります。」
新垣さんも満面の笑みを浮かべていたが、会長も人使いが荒いな、というのが俺の第一印象だった。
というか、夏菜はともかく……筧さんと洲崎さんはどうなるんだ?
「で、和吹さんと穂乃果は会場の設営に当日の朝は当たって欲しい。先生方が座るところと……観客席への誘導を貼る作業、桜花は当日は寒くなるだろうから暖房の設営を……」
と、洲崎さんが手を挙げる。
「あのー……さ、雅……暖房のことなんだけど……昨日ボイラーが壊れちゃってて修理に出さなきゃいけない、って話だったから……間に合わないんだって柿原先生が言ってた。」
「おい……本当なのか、洲崎。」
「うん……ってか、昨日言ってなかったっけ?」
おいおいおい、待て待て待て、早速トラブルかよ……。
勘弁してくれ、そういう予想外の事態はゴメンだ。
「マジかー……でもかといって生徒に寒い思いはさせられないしな……」
と、ここで筧さんが手を挙げた。
「……私が出すよ、暖房代。安いのだったらバイト代でも十分賄えるでしょ?」
「そうは言ってもな……気持ちはありがたいんだけど……」
……まあ、普通なら学校とか道が金を捻出するんだけどな。
デカいボイラーが間に合わねえ以上自腹でどうにかするしかない。
流石に生徒会としてなんとかしないといけない、と思い、俺も手を挙げた。
「暖房代、俺も出します!!」
ここは出しゃばってると思われてもいい、窮地だからこそどうにかするしかない。
「うーん……じゃあ柿原先生に相談してくるからさ、OKが出たら電器屋で買ってきてよ!!」
新垣さんはそう言って生徒会室を慌ただしく出て行った。
……本当に前途多難で俺は心配になってきた……。
ため息を俺は吐いて、机に突っ伏した。
そのあと、柿原先生が付き添いの元で、筧さんと俺で暖房を何台か購入することになった。
……お陰で財布はすっからかんになったけどな……。
次回から2回は体育祭。
奮闘する沢城に注目です。
あと、会長は女です。




