第三十話 遭遇、因縁の美空
アンチって、よくわからんww
その日の俺たちは色々あった。
本当に、ここでは説明しにくいような色々が。
当の俺はどう言えばいいのか、放心状態だった。
まあ、その日は俺も速攻で家に帰って身体を休めたのだった。
翌日。
夏菜と帰ってる時だった。
まさかの相手と遭遇してしまった。
俺が一番会いたくない奴に。
「あれー? 勝樹じゃん。どうしたの、女の子連れてさー?」
「……美空かよ……テメエ、何しにきやがった……」
昔のことなど露知らずの顔で俺たちに近づいてくる美空。
尚のことムカついてくる。
同時に俺の嫌な記憶が蘇ってくる。
「いーじゃん、偶然よ、偶然。」
「偶然にしては出来過ぎじゃねえかよ……彼女だ、彼女。」
「……は?」
「は? ってなんだよ……悪いかよ。」
……まあ、面食らわせることが出来ただけいいか。
当の夏菜はオロオロした顔をしていたのだが。
「めんどくさいから俺はもう行くぞ。」
俺は夏菜とスタスタとその場を早足で後にした。
「あっ! ちょっと、勝樹!! ……ったく、なんなのよ、アイツ……約束ほっぽかして付き合ってんじゃないわよ……!!」
美空が俺を制止するのを俺は振り切った。
俺は溜息を吐いていた。
とても一緒にいていい気分じゃないが、俺たちはファミレスで一息ついた。
「……悪いな、夏菜。見たくねえもん、見せちまって。」
「ううん、いいよそれは。……でもかっちゃん……怖かった……怒ってるみたいで……」
なんか申し訳ないな、という気分になる。
まあ、去年の事を怒っていないと言えば嘘にはなるけれど。
「別にお前のことで怒ってるわけじゃねえよ……嫌いな奴を見て腹が立っただけだ。」
「そっか……」
俺は水を飲む。
「……アイツの話……興味はねえよな……」
俺はボソッと呟く。
「え? なに?」
「なんでもねえよ……俺の事情だよ。」
その後は談笑しながらその日を終えた。
寝る時だった。
また、あの夢が。
罵倒され、無視される夢だ。
俺だけが……暗闇の底を降りていく感覚……
夏菜と付き合ってから、毎晩のように夢に見る。
美空と出会ったからか、夢の映像が鮮明に、濃い。
現実を見ているかのように。
(クソ……またコレかよ……なんだってんだよ……)
俺はキッチンまで行き、蛇口を捻って水をコップに入れる。
それを俺は飲み干した。
(……美空……思い出した……「約束」、か……ま、といっても……まだクソガキの時だったからな……アイツが言ってたな……「俺のお嫁さんになる」って……俺の中では……反故になったつもりだったんだがな……もういいじゃねえか……お互い、道は違えたんだからな……)
俺は真っ暗なキッチンの天井を見上げた。
苦い思い出が、俺の今を作ってるんだから。
夏菜と付き合ってなけりゃ、今の俺はないんだから。
部屋のテレビを付け、ケーブルを通してヘッドホンを付け、俺は格ゲーをしてストレスを発散することにしたのだった。
美空が俺にしてきたことは許せない、だからこそ今が幸せなんだ、俺は格ゲーをしながら歯を食いしばり、そう言い聞かせたのだった。
次回は葛藤編第二部に突入します。
現在カクヨム進出を検討してるんですけど、正直ハマるかどうかが分からないので、もう少し考えます。




