第二十四話 二人の恋の結び目
最近本当に蒸し暑いwww
部屋の中にいても汗をかきっぱなしですね。
今回は文化祭2日目。
沢城が動きます。
まあ翌日の出店は渡辺が仕切ってやってくれるとの事だったから、俺は安心して帰宅して行った。
正直ここまでいい出来になるとは思っていなかったし、俺自身も迫真の演技をすることが出来た。
この文化祭でやることは決まっている。
和吹へ告白すること。
今でも女子が苦手なのは変わらないが、何故かアイツとだけはそういう意識も無く話せる。
趣味が合ったからといえばそれまでなのだが、和吹も俺を嫌がっている様子は見受けられない。
ただ、俺の思い過ごしかもしれないから逆に怖い。
俺は意を決した。
そう思い、俺は電話をかけた。
『もしもし? 沢城くん? どうしたの?』
「あのー……さ……、明日……誰かと店、回る予定あるか?」
『え……? 特にいないけど……』
「もし良かったらさ……俺と一緒に回んねーか?? 俺も居ねえんだよ、あいにく。」
『ホントに!? ……じゃあ……お願いしようかな……?』
「悪りいな、こんな時間に。じゃ、また明日な。」
電話を切った後、俺はガッツポーズを取った。
よっしゃー!! ……みたいなのを独りで……。
翌日、俺は和吹と共に店を片っ端から回ることになった。
……まあ側から見ればリア充に映ってしまうんだろうけど、男女2人で回るのって。
和吹はオドオドした部分がここ最近で取れてきたのか、実にアクティブだ。
本人が好きなように回らせてあげてるのは前回二人っきりで札幌大通りに行った時と同じだから、俺は和吹と居れればそれでいいのだから。
……というか、甘いものが好き過ぎるのはちょっとどうにかして欲しいものだ……。
女の子らしいと言えばそれは文句は言えないし、俺も甘いものは嫌いでは無いんだけど、よく飽きないよな、と思ってしまう。
ただ美味そうに食うからそれは見ていて心地は良い。
あとは回っていないのは……
和吹とのデート(?)で鬼門になる「お化け屋敷」。
そこ以外は全部回り切った俺たちに残された最重要課題……
和吹は身構えている。
「………お化け屋敷、か……残りは……」
俺がボソッと呟いた。
和吹は青ざめた顔で首を横にブンブンと振っていた。
「………怖えか……?」
今度はコクン、コクンと、大きく縦に首を振る和吹。
「………怖いよ……怖いけど………沢城くんとだったら……」
アレだけ林間学校のお化け屋敷で大絶叫をしていた和吹が、俺となら行けると言い出したのは意外や意外だった。
「………行ってみる、か………」
「う………うん…………」
意を決した俺たちはお化け屋敷に入ることにした。
………入ったのはいいのだが………和吹が怯えっぱなしでなかなか前に進まない。
俺の陰に入って身体を密着させている。
「うぅ………怖いよぉ〜〜…………」
「だ、大丈夫だって! ゆ、ゆっくりでいいから進もうぜ? な?」
俺も作り笑いで少しでも和吹の緊張を緩和させようとしたのだが……この真っ暗闇の中では表情が見えるもクソも無い。
俺は別の意味で怖いから余計だった。
ゆっくり、着実に歩を進める俺たち。
と、ここでゴンゴンゴン!! という机の音が鳴り出す。
和吹は小さく悲鳴を上げて、俺の身体に更に密着させた。
ちょっと待って!! 当たってる!! 当たってるんですけど!!! 和吹の胸が俺の身体に!!!
俺は心の中で絶叫を立てる。
早く終わってくれ……!!! 要らぬ誤解を生む前に!!!
俺の心境はそんな感じだった。
……更にはまあ、なんと形容していいのだろうか、ジ○リ映画のキャラのお面をつけたのが現れて、和吹の絶叫が教室中に響き渡った。
パニック状態に陥りかける和吹を宥める作業で俺は必死だった。
なんとか出る頃には、先輩に拍手で迎えられた俺たちなのだった………。
自分のクラスの喫茶店で休憩を挟む。
「は〜〜………怖かった〜〜………」
和吹はペットボトルの水を飲み干して、大きなため息を吐いた。
「言わんこっちゃねえよ……心配しかしてねえわ、こっちは………」
俺はもう、胸は身体に密着されるわ、先輩に口笛吹かれるわ、で散々だった。
あらぬ誤解が解けてホッとはしているけれども。
「……どうだった? 演劇。」
「……私なりにはしっかりやれたなーー……とは思う……だから……」
「うん? だから何?」
「……その……ありがと、沢城くん。貴方に声、掛けられてなかったら……吹っ切れてなかったかもしれない……」
改めて感謝されると凄い照れ臭い。
俺は自分の仕事を全うしたまでだからなあ……とは思いつつ、俺は和吹にこう言った。
「……まあ悪い気はしねえな。必死こいて台本書いて……演技指導もめちゃくちゃ頑張って……ってやった甲斐はあったな。俺も和吹にそう言ってもらえると余計嬉しいよ。」
俺は景品で貰った駄菓子を齧る。
こうしてそのあとは他愛もない話で時間が経過し、文化祭の全日程は終了した。
俺と渡辺、和吹、桜田と一緒に事後処理をしていた時、桜田に俺は声を掛けられた。
「なー、沢城。お前さ……」
「あ? なんだよ、桜田。」
ニヤニヤしている桜田。
これから柔道部の練習があるということで、桜田は手っ取り早く準備をしたいということで手短に言った。
「和吹さんと付き合ってんの? 今。」
「は!? つ、付き合ってねえよ!!」
「はー? 今日あんないい雰囲気だったのに??? ……もうさっさと告っちまえよ。」
「バカ! 声でけえって!!!」
「声もデケーも何もよぉ、行事の後、って結構大事だぜ?? ……お前、ここで関係をよ、途切れさせちまっていいのか?」
「あーもう! 分かったよ!! 言えばいいんだろ!? お前に言われなくてもやってやらあ!!」
俺は完全にムキになっていた。
……コイツには完全に俺の恋心を見抜かれているな、と。
もう仕方ない、やるしかない。
俺はメールで和吹を呼び出し、人気のない場所に……視聴覚室まで呼び出した。
「……悪いな、和吹……呼び出しちまって。」
「いーよ、そんなの。……どうしたの? 顔……赤いけど……」
正直小っ恥ずかしい。
人気がないとはいえど、人が通らないわけじゃない。
手っ取り早くやらないといけない、でも勇気が出ない……。
絞れ……絞れ……!!
俺は深呼吸をする。
「……和吹……もう……単刀直入に言っていいか?」
「うん……言って?」
お互い心音が高いのが分かる。
和吹の顔も赤いからだ。
「俺は……和吹のことが………好き、なんだ……」
ここから俺の闘いが始まった。
自分との闘いに身を投じたのだった。
50数話で終わらせる予定なので、ここで物語の折り返し地点ですね。
次回、沢城の告白の運命は……
お楽しみに!!




