第二十一話 俺は語り部の神父役
若干迷走してる感が否めない。
沢城も僕も……頭を悩ませますwww
文化祭で披露する劇の練習も佳境に入ってくる。
ちなみに俺の役は神父の役だ。
ロミオとジュリエットの間を取り持つ神父。
言うなればロミオ役の相川、ジュリエット役の和吹を結ぶ役割なのだから。
衝撃的な悲劇の結末を締める役でもある。
意外と役が少ないので、わりかし背景の作り物を残ったメンバーで移動する役割も担うので、これが割と難しい。
それを作る労力も人手がいるので俺も手伝っている。
俺は人の役割を回すのに、頭を悩ませていた。
なにしろ俺にとっては初めての取り組み。
渡辺にも相談することにした。
「……なあ、演劇のことなんだけどさ。」
「うん、どうしたの?」
「……もっと効率よく回さねえとさ、人を……間に合わねえだろ?」
「まー……そうだね、私も模索中。最悪残ってまでやる方がいいと思うんだけど……みんなの予定も考えないといけないし……」
「だよな……かといって俺は超不器用だから足引っ張るだけだしな……」
「沢城君も……終盤だしね、役……」
「うーん……ちょっと考えるわ。この土日で。」
「でも無理は良くないよ? 悩んだら言って。」
「そりゃあどうも……」
俺は帰路に着いた。
課題が山積の状態で。
翌日のアルバイト後。
俺はシフト表を見て考えた。
何処でヒントを得るのか……そう考えていると、桐ヶ谷さんが声を掛けてきた。
「おー、沢城君お疲れ。どうしたんだい、シフト表をジーーーーっと見て。」
「ああ……お疲れ様です。ちょっと考え事をね。」
「考え事なんて珍しいね。で、どんなのだい?」
「……文化祭の人員配分をね。ごった返しが凄くてね……」
「なーるほどねえ……」
「どうせウチは喫茶店だし、劇に集中させたいんですけど……」
「それだったら……劇は劇で、道具は道具で分けるべきだよ。適材適所ってやつさ。」
「……そうですね……」
「ま、難しく考えてもしょうがないじゃないか。君の悪いクセさ。考えるから行動が遅くなる。人生は楽に考えた方が……迅速に動くものさ。」
桐ヶ谷さんの言葉が響いてくる。
もっと楽に考えていれば、美空を嫌うことはなかったかもしれない。
真面目だと周囲には意外と言われる俺だから納得はいってしまう。
でもそんな俺だから和吹が心を開いたのかもしれない………プラスに考えるか。
俺はそう考えた。
「桐ヶ谷さん、ありがとうございます。おかげで気が楽になりました。」
「いーよこれくらい。いつでも言いなよ。」
俺は帰路に着いて、渡辺に連絡を取った。
大体は決まったと。
月曜日、俺の考えと渡辺の要領の良さが上手いこと融合し、劇も道具も順調だった。
あとは本番を待つのみ。
俺たち一年5組は、絶対成功できるという状態で本番に臨むことが出来たのだった。
俺は最後を綺麗にまとめる、語り部の神父役として。
次回演劇「ロミオとジュリエット」の前半。
僕も渾身の文で書こうと思います。




