第十四話 意識してしまうこと
今回は夏菜パートです。
私、和吹夏菜は最近意識している人がいる。
沢城君だ。
同じクラスだし、中学校も同じだったんだけど、クラスが一緒になったのは高校のあの時が初めて。
印象は……まあ最初は変わった人くらいに思っていたけど……キッカケはあったんだよね。
入学して1ヶ月経ったあと、ゲーセンで格ゲーをしていた時に……たまたま会ってしまって……そっから沢城君からではあるんだけど、格ゲー仲間にはなっているし……
彼のおかげで人と話せるようになってきたし……本当に感謝しかない。
沢城君が私をどう思っているかは分からない、でも……優しいし、ちょっと無愛想なところはあるけど私なんかの話も親身になって聞いてくれるし……。
でも本当に、彼がその気であれば真剣にお付き合いはしたい。
だけどまだ、仄かに、だから……もう少し彼のことを知りたい……今はそんな感じだ。
私は今、格ゲーのオンライン大会に向けて家で練習している。
私のバイトは夜にカレー屋さんのキッチンでやっているので夏休み中は昼間にゲームをして時間を潰している。
そもそも格ゲー好きになったキッカケというのもクラスから孤立していた時に、気晴らしで始めたのだが、私の使い手の女性キャラクターのストーリーが凄い好きで、カッコいい女性に憧れて使い始めたのがキッカケなのだ。
まあでも去年から始めたので全然実力はないし、オンラインでもまあなんとかは勝ててるかな、って感じ。
だから人よりかは練習してるんだけど、高校生なので時間はそんな取れない。
でも楽しいからやっているといった感じだから続けられているのかな、というのもある。
大好きなコンビニのお菓子を食べながら、私はバイトまで格ゲーを続けて行った。
でも最近、夜にバイトしていても沢城君のことを意識してしまっている。
というか……妄想なのだけれども、沢城君がバイト先までご飯を食べに来てくれないかな……とか、色んなことを考えてしまう。
まあ、キッチンなのでそういった偶然はないよね、といった感じで仕事に向き合っているので問題はなし!!
……なんて、自分勝手に意気込んでいる私が恥ずかしい……。
仕事ぶりは自覚はないけれど、一応は評価はされている。
でも進路を全く決めてないので、バイトを続けていくのかどうかも定かじゃない。
そもそも私みたいな人がちゃんと働けているのもおかしい話だ。
人間関係が怖くなって、緊張しいが更に強くなった私だからこそ、かもしれないし、今のバイト先が合っていたのもあるかもしれない。
こんな私なんかでも、沢城君さえ良ければ……想いを伝えたい、いつかは……
私はそんな想いを抱きながら、仕事に勤しんでいったのだった。
意外とロマンチストな乙女ですね、夏菜は。
一人称が「私」と使うのは多分これっきりっすね。
この話では。




