↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/15

⑪ 新たなるお友達とお姉ちゃん

 曇り空で雨が今にも降りそうな雲が広がっていた。そんな中でもリズは、元気に今日も探険中。

 城内はたくさんの人と今日はすれ違う。「アリザ殿下、おはようございます」とすれ違う度に声をかけられリズも「おはよう」と返す。

 回廊を歩いていると、見慣れない女の子が困ったように周囲を見回していた。

 その女の子は凛とした佇まいで、清楚なワンピースを着たお嬢様という感じ。どこか見覚えのある子だった。

「こんにちは。どうしたの?」

「ごきげんよう。⋯⋯⋯実はお父様を迎えに来たのですが、お城が広くて迷ってしまいましたの」

 凛とした佇まいであって、年上の女の子のようにも見えるお嬢様といった感じがあるものの、幼さも残る顔はリズと同年代なのだろうか、どこか見覚えのある子。

「そうなんだ。リズが案内するよ! どこに行きたいの?」

 リズは女の子へ声をかけた。

 凛とした大人びた雰囲気を崩さずに女の子は答える。お父様がどこかで会議しているはずなのだという。

 会議と言えば、リズもお父様がいやいや向かうのを聞いていたので、どこでやってるかは把握していたので案内することに。

「場所わかるよ! 案内するね。⋯⋯見覚えある気がするんだけど、お名前教えて貰ってもいいかな? 私はアリザです。リズと呼んでください」

「フィオナ・クラウゼルと申します。⋯⋯リズ様」

「フィオナ⋯⋯? ⋯⋯あ! お茶会の!」

 リズは思い出すとパッと顔を輝かせた。フィオナは目を丸くして驚いたあと、上品に笑みを浮かべた。

「まぁ! ⋯⋯覚えていてくださったのですね! お茶会の時はゆっくりお話出来ませんでしたけど⋯⋯またお会いできて嬉しいですわ」

「リズもフィオナちゃんに会えて嬉しい! ⋯⋯あ、お父様だよね、会議してる場所わかるよ! 案内するね。ついてきて」

 リズはフィオナの1歩前を歩くようにして案内してトコトコ歩く。

 道中、リズの抱えているモコちゃんを見せてあげたり、お茶会の時のことを話したりして、女の子同士のほのぼのしたお喋りを楽しんだ2人。

 やがて会議室の前に到着すると、ちょうど扉が開き中から人がゾロゾロと出てくる中にフィオナのお父様も出てきた。

「お父様! 迎えに来ました! ここまでリズ様が案内してくださいましたわ」

「王女殿下に案内していただくなんて。ありがとうございます」

「いえ、リズ楽しかったです! フィオナちゃんとお話できて。またお話しようね!」

 恐縮するフィオナのお父様に対してリズは万遍の笑顔向けて言った。

「ええ、もちろん。またお茶会でもしてたくさんお話しましょう。リズちゃん今日はありがとう。またね」

「うん、またね〜」

 リズは一礼しお父様と帰っていくフィオナの後ろ姿を手を振ってお見送りした。

 あとから出てきたノアとアルトがリズの存在に気がついた。

「リズ? 新しいお友達か?」

「あ、おとーしゃまとアルトお兄ちゃん! そうなの!新しい友達できたよ」

 リズはニコニコと報告する。

 楽しそうに話すリズに「うんうん」とアルトは頷く。

「そうか、良かったねリズ。僕たちからも報告があるんだ。⋯⋯先にシャルロットが、ミラローズ義姉さんところに行っているはずだから行こう。⋯⋯あ、兄上そんな顔向けないでくれる? 僕が呼ぶ度にその顔やめて本当に」

 アルトがミラの名前を出す度に向けるノアの顔がアルトには怖くて仕方がない。

 アルトに言われ、はぁーと一つため息ついたノアは今日はちゃんとリズの手を引いて、「ミラがまってるし、早く行こう」と歩き出した。その後ろからアルトが慌ててついて来る。

 そうして3人で図書館に着くと、アルトの言う通りシャルロットが先にいてミラローズと談笑していた。

「⋯⋯あら、おかえり。待っていたんですわ、リズちゃん」

「シャルル⋯⋯! お話があるってアルトお兄ちゃんから聞いた!」

「そうよ、リズちゃんにご報告よ」

 シャルロットはそういうとお腹をそっと愛おしそうに撫でながら微笑んだ。

「リズ、お待たせちゃったけど、『きょうだい』が⋯⋯僕とシャルロットが頑張ったからきょうだいがてきるんだよ」

「リズちゃん、この子のお姉さんになってくれる?」

 2人からのサプライズな報告に、リズは目を丸くして驚いた。嬉しさが次第に込み上げてきた。

(きょうだい⋯⋯! リズお姉さんになる⋯⋯?! いとこというやつだけど、リズがお姉さん?!)

 シャルロットの顔とアルトの顔を交互にみて、シャルロットのお腹に目を向ける。まだそこに本当にきょうだいがいるのかは分からないけれど、微笑むシャルロットに本当なんだということがわかると目をキラキラ輝かせ、お姉さんになれる日が待ち遠しくなった。

「リズお姉さんする! 頑張るね! アルトお兄ちゃん、シャルルありがとー!」

 期待と喜びに満ちた笑顔でリズは言った。

 リズの嬉しそうな顔にみんなが笑顔になって、アルトとシャルロットは2人寄り添って部屋に戻っていった。

 リズが手を振って見送る横でノアが、ミラローズとイチャイチャを始めようとしていた。

(相変わらずお父様は、お母様しか見てないで、イチャイチャするんだから。⋯⋯まぁ、いっか)

 見送ったあとは両親のイチャイチャを横目に確認しながら、リズはいつものようにキッズスペースでモコちゃんと“お姉ちゃん”になる練習を始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。