第82話 重大発表
今日はマンドラゴラ戦隊について重大な発表があるらしい。
会議室に集められたメンバー。
司会席にはキラキラ王子。
お義父さんは何が何だか分かっていない顔。
「それでは皆さんに発表します」
キラキラ王子がにっこり笑った。
「マンドラゴラ戦隊、劇場版の制作が決定しました」
「おおー!」
「映画!?」
「…………」
皆が盛り上がる中、お義父さんだけが固まっている。
お義父さんって呼ぶの地味に長いのよね、パパとかじゃダメかな。
……劇場版!?
「聞いてない……誰が作るの? 監督別に雇うとか?」
「いいえ」
「劇場版制作に伴う監督のスケジュールはこちらです」
お兄ちゃんがスッとパパにタブレットを差し出した。
「緒方君は知ってたの!?」
「はい」
「言おう!?」
「僕は、無理も無駄もなく、スケジュール調整をしただけです!」
お兄ちゃんの回答が熱い。
「僕は監督の作品を映画館で観たい! DVDとBlu-rayは両方買いますのでご安心を」
「安心要素がない」
パパがすでに負けている。
待って……お義父さんがパパなら、お義母さんはママね!
お兄ちゃんはなんだろう? お兄ちゃんのままでいいか。
「劇場版には四天王と皇帝を出してください」
「えっ! いいの!?」
その予算って、スポンサーからもらうやつよね?
もしかしてキラキラ王子が出資した?
予算の心配がなくなったからだろうか、パパが途端に生き生きし始めた。
「予算も通りました。監督はただただ良いものを作ってください」
お兄ちゃん……ぶれないわね。
話し合いが終わったところで会議室の明かりが落とされた。
「話し合いが終わったので、これより完成動画の視聴を始めます」
完成動画?
何のだろう?
そして流れ始めたのは『痛みは消えなくても』。
私を空腹地獄に陥れたあの失恋ソングだった。
映像の中、海を眺める私。
幸せそうに歩く恋人を見て、耐えられないように顔を伏せる私。
……っ。
キラキラ王子ぃぃぃ!!
おまけ~失恋ソングをオファーしただけなのに~
「日向さんの件、返事来ました?」
「まだです。本人にも確認していただいているはずなので――」
「あの、九条さんからデータが届いてます」
「九条さん? なんだろう?」
ファイルを開いたら、完成した日向こはるの失恋ソングが入っていた。
「MVもついてるね」
「……うち、もうやること残っていませんよ」
「発売していいそうです」
「え、なにそれ怖い」




