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マンドラゴラ戦隊 声優たちの日常~収録現場は今日も賑やか~  作者: ゆめ@マンドラゴラ


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第63話 今度の相手は誰?

 事務所に呼び出され、見慣れてきた応接室に通された。

 今度は何かしら。

 こうしょっちゅうお説教をされていたら、私が問題児みたいじゃない。


 猫と遊びに行っているだけで、何も悪いことはしていない。

 彼氏彼女の関係でもない。

 遊びに行って、美味しい物を共有する。


 つまり純粋に友達なだけなのに。


「座って」

「はい」


 向かいに座ったマネージャーが、深いため息を吐いた。


「……今度は誰?」

「何が?」


 今度も何も、何の話題か分からないのだけど。

 いくら一人で複数のアイドルを担当しているからと言って、説明ははしょらないでほしいわね。


「この人、誰?」

「……?」


 見せられたスマホには、ゲームセンターの前にいる私。

 隣に立っている男に向かって笑っている。


「誰って監督狂い……じゃなくて、緒方さんですけど」

「緒方さんって誰? どこで出会ったの?」

「アニメ監督の秘書です」


 別の言い方をすると有能ストーカーです。


「なんでそんな人とゲームセンターにいるの?」

「ゲームセンター前を通ったら偶然出会ったからですね」


 待ち合わせをしたわけじゃない。

 ゲームセンターに行く予定があった訳でもない。

 私たちの目的はその先にある商店街だった。


「あれほど男の人と二人きりになるなと……」

「二人きりじゃないですよ、この辺に猫、じゃなくて要がいます」


 男の人に猫は入らないのかしら?

 突かないでおこう、カウントされたら遊びに行けなくなるし。


「写ってないじゃない」

「ガチャをやるためにしゃがんでいました」

「分かった。朝倉さんもいたのね」

「そうです」

「じゃあ、こっちの写真は?」


 もう一枚の写真では、私が監督狂いの前で両手を組み、頬を染めていた。


「ガザンのアクリルチャームがダブっていたので貰ったんです」

「は?」

「おバカで可愛い悪役なんですよ。ほら」


 無くさないよう、鞄ではなくスマホに付けて使っている。

 声優が熊さんだと思うと愛着もひとしおよ。


「……これを貰って喜んでたの?」

「はい!」


 自称最強なのに毎回負けるのが可愛いのよね。

 今の私の推しはこの子と断言できる。


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